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異世界は神様と共に  作者: 腹巻
30/42

30話 魔道具屋




「ここがベネスの街ですか。物々しい雰囲気ですね。」

街を散策していたハルは、武器を持って通り過ぎる兵士や傭兵が多い事に驚いている。

「まぁ近くにオークの集落があるんだ。そこで稼いでいる奴も多いからな。」

今日はラグナが護衛として同行している。


「兵士が多いならそれだけ安全だという事でしょうかね。」

「いや、なんでそんな楽観的なんだよ。どこにだって危険はあるんだ。逆に街の治安は悪くなって・・・」


「ギン。市場は久し振りだね。」

ハルは食い物の屋台に駆け寄る。

「おい。話を聞けよ。」

慌ててラグナが追い掛けるのだった。



「ミサもいれば良かったのになぁ。」

「ウォン」

「こんな危険な旅に連れて行ける訳無いだろ。」

ラグナも寂しいと思っているらしい。


「あれは何を売ってるんですか?」

ハルが指さした店は雑貨屋の様だが、この世界には珍しいネオンサインを使った看板の店だった。

「あれは魔道具屋だな。」

「魔道具!」

走り出すハル。

「またか!いきなり走るな。」


店に入ると薄暗い店内には、ところ狭しと商品が並んでいる。

しかし用途不明な物ばかりで、外見からは想像も出来ない。

「これは何に使うんですかね?」

「危ないぞ、勝手に触るなよ。」

中には危険な魔道具もあり、扱いには細心の注意が必要とされる。


「これは最近開発された【振動】の魔道具だよ。」

背後から若い女性に声を掛けられた。

「あ、えっと・・・」

「いらっしゃい。店主のニコフだよ。」

「ラグナだ。」

「どうも、ハルです。」

ラグナに続いて挨拶をしながら、ぎこちなく握手をする。

握手とか外人ぽいと思ってしまうハルだった。


「今日は何を探してるの?」

「何か面白いものが無いかと思って。」

「ん~そうねぇ、これは?魔道釜。鶏の丸焼きが出来るよ。」

洗濯機サイズの魔道具を見せられたが、デカ過ぎて持って帰えれそうもない。


「もっと小さいのはありますか?」

「ん~これなら小さいよ。水を出す魔道具。」

「いや、ハルさんは持ってるだろ。」

「そうですね。じゃあさっきの振動魔道具って何に使うんですか?」

気になっていた事を聞いてみた。

「ん~と、まだ模索中かな。試作品だからね。へへへ」

「お姉さんが開発したの?」

「うん、これでも去年までは魔研にいたんだよ。」

魔研とは、魔術・魔道具研究所の略称で、その名の通り魔術研究や魔道具開発をする機関であり、自由組合が管理運営を行っている。


ニコフは魔道具に魔石を入れ、金属の突起に魔力を流して起動させた。

ブーンと言う音がして、周囲にビリビリと振動が伝わっていく。

壁や扉だけでなく人間も震えている。

「とと止めてくれれれれ。」

ラグナの声を受けて、ニコフは魔道具から魔石を抜いて止めた。

「ふぅ。どうでした?防犯に役立たないか考えていたんですよ。」


魔研出身だというニコフに魔道具について教えて貰う事にした。


聞いていて色々分かった事がある。

魔道具は元々、古代遺跡から発掘されるもので、それを元に研究して新たな魔道具を開発している。

しかし今のところ火を出す、水を出す、風を吹かせる位しか解明出来ていない。

そうして作られる魔道具は総じて燃費が悪く、採掘で採れる魔石は小さい物ばかりなので、1回の起動で魔力を使い切ってしまう事が多い。

その為、『切る』スイッチが付いていない物が多い。


まずは入/切スイッチを付けて欲しいね。

【振動】で思い付くのは何だろうか、地震、波、揺れかな。

電波、糸電話、通信?マイクロウェーブ、電子レンジ、高周波ブレード?振動地雷とかアニメの見過ぎだな。

長期間の研究が必要だろうし。


でもニコフさんの【振動】魔道具なら、マッサージに使えそうだけどな。


振動の幅を調節出来るようにする事と、指向性を付けて欲しいとお願いした。

スイッチも付けて欲しい。

追加のオプションに時間が掛かると言うので、3日後に引き渡しになった。


オモチャにしては高価な買い物だった。

ニコフさんに電子レンジの説明をしたら、興味をもったらしく研究すると言っている。

先は長いが頑張って貰いたい。





明日はオークの集落へ偵察に行く予定だ。

その準備で街に来て居たのだが、衝動買いをしてしまった。

格好いい武器が欲しいと思っていたが、有り金全部使ってしまったので別の方向で武器を探す事にした。



街の外れで練習を始めた僕に、溜息をつきながらも付き合ってくれるラグナさん。


まずは道端の草に【毒】を付ける。

毒草になるか、枯れてしまうか。

様子を見るまでもなく枯れてしまった。

解析はギンがやってくれる。


【毒】はそのまま毒状態にするって事みたい。

【毒耐性】を付けると毒草になる。

【腐毒】はヤバイ、臭い。

草に【麻痺】を付けても変化はない事も分かった。


人間ならもしかすると【猛毒】で即死するかもしれないが、さすがに試す訳にはいかない。

動物でも無理だ。全身毒状態の獲物なんて逃げられたら大惨事だ。


実験で分かったのは、弱体化させる事は出来るがダメージを与えるのは難しいという事。

まだまだ研究が必要だな。


当分は杖に魔術を付けて攻撃するしかないか。

同じ魔術でもアニエスさんとの威力に差があり過ぎて、実戦ではあまり役に立ちそうもないのが悲しい。


皆にはナイショだが、アニエスさんの杖には色々付けて試して貰っているから楽しみではある。





ハルさんには困ったもんだ。

よく分からない魔道具を大枚叩いて買うなんて、またマリアが怒りそうだ。


新しい攻撃方法の練習だと言って、草を枯らしたりしてる。

どんな意味があるのか、俺には分からないが本人が楽しそうだからまぁいいか。


明日は偵察に行くから俺の出番だ。

さっさと宿に戻って武器の手入れでもしたいところだ。






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