表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界は神様と共に  作者: 腹巻
29/42

29話 アイホウ村の悩み



ラグナは桃をかじりながら大猿の解体をしていた。


「器用なもんですねぇ。」

ハルは手際の良さに感心して見学している。


「そうか?慣れだよ、慣れ。ガキの頃からだからな。」

そんな会話をしていてもラグナの手が止まることはなかった。


ジャイアント・エイプの肉は食用ではあるが、あまり美味しいとは言えない。

毛皮は美しく、それでいて丈夫で保温性にも優れている為、女性に人気がある。


大量の大猿を解体し終えて、今はボス猿スプリガンの解体中。


ハルの【脱毛】により所々ハゲているが、身体が大きいので十分売り物になる。

魔物からは魔石と呼ばれる石が取れるため、良い稼ぎにもなるのだ。


魔石は中に魔力を蓄積している。

その蓄積魔力を利用した魔道具が発明され、交換可能な魔力源として魔石が高値で取引されている。


「ハルさん。見てみろよ、こんなでっかい魔石は初めてだ。」

ボス猿から取り出したパチンコ玉サイズの石を見せて来る。

正直大きさなんて分からない。

「良い物なんですか?」

「大きい魔石は魔力も多いからな。かなりの値段で売れるはずだ。」

魔物の胎内で出来る石とか、胆石みたいな物なのかな。



昼も過ぎていたので食事を軽く済ませ、村を出発する事にした。

村人の好意で桃をいっぱい貰ったので、マリアの機嫌がとても良かった。








桃の村を後にして半日、次の村が見えて来た。


アイホウ村。

この村の近くでは多くの薬草が自生している為、王国の薬学研究所が設置されている。

人口は約80人で、その内半数は研究者と組合員、そしてその家族である。

回復薬の原料となる稀少な幻想菊が自生している。

しかし近年、採れる薬草が減少しているそうだ。

森に住む獣が増えているのが原因と言われている。




「勇者殿。よろしくお願い致します。」

「はい。では行ってきますね。」

そう言ってクリスは組合を出た。


「クリス。どこから行くんだ?」

「池を見てみたい。その周辺が一番酷いらしい。」


組合からの依頼は森の獣が増えた原因調査。

池の周りに自生する幻想菊が、何者かに乱獲されているらしい。



森の中にある池に向かった我々が見たモノは、強烈な悪臭を放つ黒く濁った池だった。

その周囲は広い範囲でつる草が茂り、周りの木々にも巻ついている。

幻想菊や他の薬草も見付からない。


「これを獣が原因だと言っているのか?」

ラグナは呆れ気味だ。


「つる草が他の薬草を枯らしているんでしょうか。」

「ん~、分からないが調べてみよう。」

クリスは池の水を容器に掬い、アニエスが解析で調べていく。

ラグナが周囲の土を採取して、マリアが解析する。

ハルは桃を取り出しギンと分け合い食べていた。



「この池の水は毒化してるな。かなり弱い毒だが。」

アニエスの解析結果は弱毒。


「周りの土からは毒は出ませんでした。」

マリアの解析結果は無毒。


「しかしこの有り様はどうしてなんだ?やはりつる草が原因なのかな。」

「マリア。他に何か解析出来たか?」

「そうですね。栄養豊富な土壌だと出ています。後、この辺りに強い魔力を感じますね。」

マリアは不思議そうに頭を傾ける。


「池の水はどうだ?」

「ああ、確かに強い魔力を含んだ水だな。飲水には向かない。」

薬草は魔力のある場所に生えると言う。



皆でつる草を刈り取りながら獣の痕跡がないか調べていった。


「これって幻想菊じゃないか?」

ラグナの持っている枯れ草を見れば確かに幻想菊だった。


「こっちにもありました。」

皆も薬草を見付けたが全てが枯れていた。

「薬草だけが枯れてしまったという事か。」


「考えられるとしたら・・・池か。」



池に流れ込む水を調べれば何か分かるかも知れない。源流の調査をする事にした。

小さな流れを頼りに登って行くと、洞窟の中に続いてる。


洞窟内へ足を踏み入れると、そこはゴブリンの巣があり悪臭の原因があると思われた。


「多分ここが原因か。」

規模が分からない為、一旦村へ戻る事にした。


体勢を整えてからゴブリン退治の予定である。

しかし薬草が枯れる理由が分からない。






帰り道。ハルの話が気になってマリアが聞き返す。

「栄養を取り過ぎると枯れるんですか?」

「なんて言ったかな、栄養過多?魔力過多かな?」

ハルの話を聞いても意味が分からない。


マリアも半信半疑だ。

「よくは知らないんですけど、取り過ぎると薬草にストレスが掛かって」

「ストレスってなんですか?」

「ん~、もやもやしたどす黒い感情?」

「なぜ疑問形?」

「とにかく、環境が変わると育ち方に狂いが生じるって聞いた事あります。つる草は生命力が強いから枯れなかったのかも。」

アヤト王国にいる時もつる草に悩まされている農民を何度も見た来た。



報告を受けた組合では農家に協力を要請して、ゴブリン退治後に池の周囲を調べて貰う事にした。



ゴブリン退治当日、クリス達は洞窟前に集合していた。

少し遅れて組合員と村人が到着。

軽い打合せ後、クリス達が突入した。


ゴブリン相手に苦戦をする筈もなく、敵を殲滅しながら洞窟の奥に進んで行った。


最奥にあった広めの空間はやはり小川が流れており、ここが元凶だという事を物語っている。

しかし目の前に横たわっているものは、ゴブリンなどではなく大きなトカゲだった。

「地竜・・・。」

誰かの声が聞こえた。

地竜は寝ていて気づいていない。


慌てて引き返し洞窟を出た。

魔の森の深部を住みかにしている筈の地竜。

なぜこんな人里の近くにいたのか。

いったい森に何が起こっているか。

魔の森の深くはまだ調べようがないのが現状だ。


組合に相談したが解決策は無い。

地竜となれば一国の軍隊を投入する事態である。


しばらく洞窟には近寄らない事を村人に伝え、池の調査をする事にした。


農業の専門家が調べたところ、ハルの意見が正しそうだとの結論が出た。

魔力が強過ぎても薬草の生育には向かないらしい。


しかし強過ぎる魔力と栄養を含んだ土も、荒れ地に混ぜれば最高の土壌になるはず。

早速、周囲の土を村に運び出し、畑の土に混ぜて貰う様に頼んだ。




数年後、畑に混ぜるだけで収穫が倍になると言う土が、アイホウ村から売り出された。

肥料という物が普及していないこの世界で、農家にとっては革命的な出来事であった。




「池に【浄化】でも付けて貰えば良かったんじゃないか?」

「ラグナが言いたい事は分かるが、ハルさんの事を知られる可能性があるからな。」

「確かにそうだな。」



「それにあの土はスゴいわよ。【収穫量2倍】よ。」

「まさか!」

皆一斉にハルを見る。

「うっ、そうなると良いなって・・・。」

「「「ハルさん。」」」

「ふふふ。」

マリアが笑っていた。






話がなかなか進みません。

序盤が長過ぎて飽きてきました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ