表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界は神様と共に  作者: 腹巻
19/42

19話 orz


絶え間なく襲ってくる敵からの攻撃に、対処も出来ず傷も増えて来た。

もう武器を持つ力も残っていない。

ラグナの振り回す大斧が、手から離れた。

本当に限界を迎えたらしい。

気も遠くなってきた。


「ぎゃははは、そろそろ限界の様だな。出来れば俺様がこの手で、殺してやりたかったんだがな。ククッ」

ドルクの下卑た笑い声で少し冷静になれた。

薄れていく意識の中で、浮かんでくるのは仲間の顔。

クリスならこんな敵は簡単に倒しただろう。

俺に力が無いのは分かってる。

魔王との戦いで思い知ったクリスとの力の差。

考えないようにしていたが、それでもくやしかったんだぜ。

あいつらには助けてもらってばっかりだったな。

ハル・・・なんであいつの顔が出てくるんだ。

緊張感の無い顔して笑ってんじゃねー。


仲間の事を考えると、元気が湧いてくる気がする。

まだこんなところで終われるわけねえ!

武器は無いが素手でだって良い。

俺はまだ戦える。最後までやってやる。

殴る、殴る、殴る。

無我夢中で殴り続ける。

気のせいかと思ったが、殴れば殴るほど元気になっていった。



気が付けば、残るは首魁ドルクただ1人になっていた。

「ぐぬぅ、役に立たん奴らめ。まぁいい、俺様が直々に殺ってやる。」

そう言って首魁ドルクは、手に持つ大斧をラグナの頭に降り下ろした。

ラグナは軽く避けると、目の前の大斧を殴り付ける。

大斧が跳ね返り、ドルクが仰け反る。


ドルクは理解できなかった。

100人の部下を相手にした後で、なぜこれ程の力が出せるのか。

勇者であっても勝てる自信があった。

それがなぜ・・・


「ぐおおおお、殺す。殺す。殺す。」

切迫の表情で大斧を振り回す。

ラグナはそれを避けると、拳を2発大斧に叩き込んだ。

ボグッっという音と共に、大斧がガラガラと砕けた。


「な、なんだお前は!化け物め!」

「ああ、化け物でなきゃ勇者の側にはいられないんだぜ。」

ラグナは自嘲気味に言うが、ドルクには聞こえていない。


言葉にならない奇声を発しながら、ドルクは近くに落ちていた剣で斬り掛かる。

ラグナは落ち着いて攻撃を避けると、無言でドルクを殴る、殴る、殴る。


顔が真赤に染まり、形がわからなくなった頃、ドルクは崩れるように倒れていった。


この後すぐに現れた衛兵に、盗賊の一味は全員捕縛された。

かなりの余罪があったのか、相当数の兵士が動員された。

クリスはニヤリと笑いながら、拠点へ帰って行った。

ハル達も知らなかった事にして宿に帰った。




「おはようございます。」宿の朝食を食べていると、マリアさんが微笑みながら、迎えにやって来た。

「おはようございます。今日はマリアさんですか?よろしくお願いします。」

「昨夜は大変ご迷惑をお掛けしました。」

「いえいえ、僕は何にも。それよりラグナさんは大丈夫でしたか?」

「ええ、今頃は神に祈りを捧げているのではないでしょうか。」

フフフと笑うマリアさんは、聖女に相応しい迫力があった。ラグナっちの為に僕も祈りましょう。合掌。

「皆さんは本当に良い仲間なんですね。」

「はい。フフフフフフ」

皆に内緒にしてた事が、許されたみたいで良かったね。ラグナっち。



         ☆



床に膝まづいて、項垂れているラグナを見下ろしながら、私とアニエスはお茶を飲んでいる。

「すまなかった。隠し事はもうしない。」

「あのなぁ、今の状況を分かってるか?」

「え?」


今朝、拠点へ戻って来るなり、謝りながら説明を始めたラグナ。

昔から正義感は変わっていないなと安心する。

だが・・・・。

「昨夜、ハルさんから連絡をもらったんだ。」

「・・・・そうか、それで皆知ってたのか。」

いや、ラグナよ。

そんな事は良いんだ。

事前に相談して欲しかったという思いもあるが、話は聞いて納得してるし、その事に怒って居るんじゃない。

「お前が戦ってる間、ずっとハルさんは応援してたよ。」

「そうだったのか。」

嬉しそうな顔しやがって。

この野郎、この期に及んでまだ気付かないのか。

「アニエス、言ってやってくれ。」

「ラグナには【鋼拳】【体力吸収】【自動回復】【筋力強化】【武器破壊】が付与されていますね。」

「あ!」

「これは我々が懸念してた事態だぞ。」

「すまねえ。」

「まさか盗賊に能力が付く事は無いと思うが、王都で保護するまでは気を抜くな。」

「ほんとにすまねえ。」


「まあ、今回は黙って見ていた私にも責任はある。お互い気をつけよう。フフフ」

あの展開になる事を、望んでいたのだが本当になるとは、いやそれ以上の結果だったな。

「クリス・・・・」


「それにしても、ハルさんには早く能力を制御出来るようになってもらわないとな。」


ハルの能力はまだ未知の部分が多く、制御は本人に頑張ってもらうしかない。

しばらくは王都の拠点で暮らしてもらうしかないかもしれない。



          ☆



ここから王都までは、乗合馬車で10日程。

しかし、今回は勇者さん達の馬車で向かう事になった。

理由は速さだ。

軍馬スレイプニルを駆る高速馬車なら3日で王都まで到着出来ると言う。

断る理由も無いのでお願いした。

ラプトル馬車も乗ってみたかったが、あれは王国からの借り物だったらしい。

ミサとの別れは早まるが、それは僕のわがままだからね。

この街を発つ日、勇者さんの見送りに大勢の人が来ていた。


その中には、以前市場で見た、太った領主の息子の顔もあった。

当然、お供にドル何とかさんは居ない。

クリスに話し掛けていたが、無視されて真っ赤な顔で怒っていた。

良い気味だ。



◇   ◇   ◇



街の門から出ると、段々速度を上げて行く。

普通の馬車の3倍速いってのは、本当みたいだ。

その割に、乗り心地も悪くない。

泊まりは野宿だが、大きな天幕を男女別の2張設営するので快適だ。

ギンを含めて男4人寝ても余裕がある。

3日後、道中は何事も無く王都まで到着した。




戦う描写は難しいですね。


次回からは書け次第投稿になります。

よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ