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【荒矧研究所集団殺傷事件】 レポート肆
いざとなれば逃げればいい。意識を持つことが出来ているならきっと逃げ切れる。私は今何に恐怖を覚えているのか分からない。いや、分かりたくないのだ。分かってしまえばきっとこんな手紙を残せていないだろう。閑古鳥が鳴いている。いや、本当はなんの声なのか分からない。もしかしたら、仲間の悲鳴なのかもしれない。分からない。分かりたくもない。嫌だ、いやだ、イヤダ。死にたくない。
すまない。こんなところで取り乱しても意味がない。分かっていることを記録として残しておく。遺伝子操作の研究は順調に進めることが出来ていた。しかし、薬で自我を喪失させていた子供たちは演技をしていたのだ。研究所を抜け出す機会をうかがっていただけだったのだ。彼らを野放しにしてはならない。しばらくすれば大量の死者が出てしまう。私が属していた研究者のほとんどは子供たちに殺されてしまった。私ももうしばらく身を隠しこの研究所から逃げ出そうと思う。もしも、いや、私は必ず殺人鬼から逃げ切ってみせる。




