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強化合宿と小さな闇【5】

「セネくん、もうそもそも出発した方がいいんじゃない?」


今日が強化合宿の当日。朝のランニングで冒険者ギルドの場所は確認し、必要な物の準備などはもう済ませてある。


「早く朝食を食べて、行った方がいいよ。何事も早めの行動が大事だよ」


合宿に必要なものを詰め込んだカバンを背負って朝食を食べるために店「コメル」のテーブルに着く。借りている部屋とここまでに誰とも合わなかったが、シアさんは台所にいるのだろうか?この時間ならローツくんもいる可能性があるのだが、今日はまだ居ないさそうだな。


背負っていたカバンを床に置くと、聞き慣れた声が耳に入る。


「いらっしゃいませー!!今日の第1客はセネくんでしたか!どうぞごゆっくりー!」


正直、目を疑った。寝坊常習犯のクリナさんが料理を持ってきてくれた。いつも開店時間ギリギリに勢いよくドアを開けているので、もうそのイメージしかなかった。


運ばれてきたのはこの店の一番人気商品の肉のステーキだ。この肉の厚さとこの焼き加減。ということは料理を作ってくれているのはローツくんか。そうならば、今ここに店の従業員全員がいることとなる。


どんどん料理が運ばれてくる。ついにはテーブルを埋めつくした。


「今日はセネくんの歓迎兼、行ってらっしゃい会だから、みんなに来てもらっていたの」


「今日はいつもより2時間早く寝て頑張って早起きしました!」


「セネくん、いい子だから」


今日のために僕に秘密にしてサプライズを用意してくれていた。その時の食事は今までで体験したことがない感覚になっていた。作られた料理は1時間もかからずに全てなくなった。


「それではみなさん、行ってきます」


「気をつけてね。忘れ物はない?無理はしてはダメだよ」


曲がり角を曲がるまでシアさんたちはずっと手を振っていてくれた。


冒険者ギルドは店から真っ直ぐ行って、2つ目の曲がり角を右に曲がる。そうしたら赤い屋根の建物が見ててくる。そこが冒険者ギルドだ。


まだ集合時間より20分早く到着したのだが、もう両手では数えられないほどの人数がいた。そこにいる全員が誰かと参加している。僕だけが1人だけでの参加者だった。


冒険者ギルドの扉の前に立っているガールドさんを見つけた。


「ガールドさん、今日から数日間、よろしくお願いします」


「ああ、よろしく」


それ以降、何も話さなくなったので、こっそりとその場を離れて端っこの方で開始を待っていた。


次々と強化合宿の参加者が集まってくる。集合時間の5分前にはギルド前に100人いくか、行かないかの人数が集まっていた。


すると、ガールドさんが声を発した。


「おはよう。俺がガールド=セルビナート。カライド帝国リュタロス支部第一冒険者ギルドのギルド長だ」


その一言で参加者のほぼ全員が注目する。先程までガヤガヤしていたのが嘘みたいだ。


「今年は今まで行ってきた強化合宿の中で参加者がいちばん多い。100人を超えたのは初めてだ。それだけ冒険者に注目してくれていることを誇りに思う。まずは礼を言う。ありがとう」


ガールドさんが一礼する。それと同時にあちこちから拍手が起こる。ガールドさんが頭を上げるとゆっくりと拍手が収まる。


「それと同時に、今年は大変な合宿となると思う。心してかかれ」


ガールドさんの話は終わり、他の冒険者が前に出てきた。


「やあ、冒険者のサブラだ、よろしくな。これから職業別に分けていく。剣士はガールドさんの所に集まって座ってくれ……」


剣士を初め、槍士、弓術士、拳士、魔術師、など、数種類の職業に分けられた。まだ自分は冒険者登録をしておらず、職業がなんだかは分かっていないが、一応魔法を使えるので、魔術師グループに入った。


「それぞれで説明を受けて強化合宿合宿を始めてくれ。それでは、解散!」


魔術師のグループでは、3人の冒険者について行った。


「まさか、フラフス様に教えて貰えるなんてね。私らは運が良かったわね」

「それだけじゃない。ギーオルド様にジヒリ様だ。本当にいい合宿になりそうだ」


僕以外の人らは嬉しそうな声で周りと話している。そうこうしているうちに、とある建物に着いた。ここが合宿場所なのだろう。


魔術師グループの合宿場所にたどり着いてから、先導の冒険者達の自己紹介があった。3人の中でいちばん小柄で、銀髪の髪を肩まで伸ばしているのがフラフスさん。背が高く、眼鏡をかけている、俗に言うイケメンという部類のギーオルドさん。茶髪でロングヘア。どこがとは言わないが、大きいものをお持ちで、それと同じくらいでっかい杖を持っているのがジヒリさんらしい。


「この合宿の最後には実践もある。気を引き締めて参加するが良いぞ!」


フラフスさんが話を締めて、強化合宿が始まった。

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