中編
中編です。
そこから12年経ち、私は17歳のJKになった。ここまでくるのには色々な困難があった。義弟(葵)と出会ったり、紅月綾人の婚約者になったりとかね。
ゲーム通りにならないように別の学園に行こうとしたが、結局八虹学園に行くことに。
ちょくちょく、強制力みたいなのが働いてる気もする。
今まで、猫を被って、お淑やかな大和撫子を私は演じてきた。例えば、優秀だけど、決して婚約者の順位を超えず、引き立てるとか。
毎回、大変なんだよ?婚約者様の動向を確認して、テストの結果を予測して、それより下の点数をとるとか。
学園にヒロインがやってくると、学園の男共は皆んな彼女の虜になった。私の婚約者様でさえ、私を放置して、愛を囁いているそうで。
生徒会長なのに大丈夫なのかね?あの人。
それと同様に、乙女ゲームの攻略対象は大体生徒会に集まっていて、それらの人がヒロインに貢いだりしているせいで、学園は回らなくなっている。
最初の方はそれでもいいか、と思ったけど、一般生徒に迷惑がかかるのはいただけない。
なので、ちょっとした悪戯をしてやることにした。
それは、サバイバルゲーム。学園の有り余る財力を利用して、私は学校内で大規模なサバイバルゲームをすることにした。
この学園、お金だけはあるので、用意をするのは簡単だった。
ちなみに行事を開催するのには、生徒会長のサインがいるのだが、判子を押すだけで良いです、と色々な書類に行事の書類を紛れ込ませたら、簡単にやってくれた。
本当に大丈夫?この学園?
ーーそして、今から、この学校の様子を疑問に思っている生徒のために、全校放送をするのだ。
舞央が大体の用意をしてくれました。本当に優秀な執事ですね。
マイク、チェック。
「皆さん、こんにちは。今日は授業の代わりにサバイバルゲームを開催します。」
ボイスチェインジャーで男の声にしつつ、私がいうと、校門前に集まっている生徒から様々な呟きが漏れた。
「えっ、何?」「面白そう。」「サバイバルゲーム、なんて、出来ないよ……」
とか。
「校門前に全校生徒分の武器と、サバイバルゲーム用の服が用意してあります。1人、1セットずつ取っていってくださいね。」
生徒達が次々とセットを取っていく。意外と戸惑いが少ないようだ。
それもそのはず、大体この時期には生徒会主催の行事が開かれ、その行事の内容は毎回秘密にされているから、ほぼの先輩はそうだと思っているのだろう。
学校中には色々な障害物が用意されている。
これは、この世界のVRゲーム『WAR✕WAR』の世界をモデルにして作っている。
ストレス発散のために私はこのゲームをやっていたのだが、意外とハマって、今ではプレイヤー順位は世界1位だ。プレーヤーネームは『FUJI』。そこそこ有名な方だと思っている。
おっと、サバイバルゲームの解説をしないと。
「銃の中にはペイント弾が入っていて、そのペイント弾がゲーム中に人に当たると、その人は失格となります。用意された銃と弾以外を使うのは、ルール違反となり、失格になるのでご注意を。殺傷力はないので、撃たれて、怪我をする危険性はありません。」
一応、そういう仕様にしないと危ないしね。
「戦場はこの学校全てで、最後の1人になったら、その人が勝者となります。チームを組んでも良いですが、勝者になれるのは1人だけです。失格になった方は、体育館に来てください。では、ゲームは5分後に始めます。Viel Glück!」
さてと、放送は終わったし、私も始める用意をしよう。
「舞央、和葉、体育館の管理、宜しくね。」
私は舞央と和葉に体育館の管理を託す。私はゲームにでるから、できないのだ。
「「仰せのままに。舞花様。」」
時が経つにつれ、舞央も私を『舞花様』と呼ぶようになった。別に良いけど。
私も装備を着用する。迷彩柄のズボンに、同じく迷彩柄でポケットがたくさん付いている上を着る。今回は出来るだけ、身軽に行きたいので、肘当てなどはつけずにいく。
この紫藤舞花のままでは、暴れられない。だから、ちょっとした変装をする。
短髪の黒髪カツラを被り、さらに、分厚い伊達眼鏡をかける。
私の目の色は紫色で、1000万分の一の確率の瞳色らしく、この学園にも私の同じ紫色の目を持つ人はいない。
だから隠しておかないと、すぐに私だと分かってしまうのだ。
準備ができたので、私は屋上に行く。幸いなことに、誰もいないようだ。
弾丸の充填がちょうど終わった頃、放送が聞こえた。
「ゲームが始まるまで、」
という声が聞こえると、私はフェンスに手をかけ、フードを被った。
「5、4、3、2、1、0。」
その間に私は銃を構えて、フェンスの上に立つ。
「始め。」
その声が聞こえたので、私は屋上から飛び降りた。
もうそろそろ地面に着くので、一回転を空中でして、落下の勢いを弱める。
タン。
小さな音がして、私は校庭についた。飛び降りて、ここから来るのを見ている人もいたようで、5人程度の男が銃を手に持ち、こちらに向かってくる。
余裕。
私はハンドガンを構え、5発、弾を撃った。
すると、見事に5発とも命中した。男達は、失格となり、悄悄と去っていった。
これは、紛れじゃない。必然の結果だ。まだ、気づいていない人が殆どだろうが。
これから、乱戦になりそうなので、銃をハンドガンからサブマシンガンに持ち替える。
ダンダンダンダンダンダンダン
全弾命中。7人を倒せた。
校庭にアイツらはいないみたいだ。
まあ、なんのイベントか分からなくても、敵にとっても見通しがいい校庭は避けるよね。
私は校庭で暴れながら、考えていた。
やっぱり、マシンガンは人数が多いと、効率がいい。
これも『WAR✕WAR』の1対100プレイモードで学んだ。
小1時間ほど校庭で暴れた私は、校庭を後にした。
もう、校庭に失格者以外の人はいない。
そろそろ校舎内にいる人にちょっかいを出してみようか。
私は昇降口に向かう。
ガタッ
何かの物音がしたので、そちらを見ると、下駄箱の影から、6人程のグループが現れた。
このチームは他より強そうだな。
すると、
ダダダダダダダダダダダダダ
大きな音がして、弾丸が放たれた。どうやら、6人中、2人がマシンガンを持ち、私を狙っているようだ。
他の人も、ハンドガンを構え、私を狙って撃ってくる。今までの中で、1番チームワークができてると思う。
避けないと、当たるな。
私は、右へと走った。さっきまで私がいた場所にあった壁には、大量のペイント弾があった。
私が走っていると、下駄箱から、新たな人員が現れた。つまり、私は挟み撃ちにされたのだ。逃げてばかりじゃなくて、そろそろ攻撃するか。私はアサルトカービンを取り出し、挟み撃ち人員を狙い撃つ。
パアァン
1発の銃声が響き、私は1人を失格にした。次に、下駄箱の上に登り、走りながら、次々と撃って、人を倒していく。
そして、数十分後には全て終わっていた。
始まってから、3時間程たっているが、今、何人残っているのだろう。
私はそう思い、耳についている小型トランシーバーに手をあてた。
「舞央?和葉?」
私がそういうと、男の声が返事をした。
『舞花様!』
この声は、舞央か。
「舞央ね。ちょっと聞きたいことがあって……」
『何なりとお申し付けください。』
お願いをいう前に舞央がそういう。舞央と過ごして、13年程になるが、最近は私への忠誠心がカンストしているのではないかと思うぐらい、舞央は私に忠実だ。
もし、この世界がファンタジックな世界で、ゲームのようにステータスとかがあるんだったら、間違いなく『スキル<忠誠LV∞>』とかになっていることであろう。
忠誠を誓ってもらえるのは、嬉しいほうだが、その一方で心配でもある。
今の舞央なら、私が世界を滅ぼせ、と命令してもそれを躊躇なく行ってしまいそうなのだ。
もし、私がそういうような命令をしたら、舞央なら、どんなふうにやるだろう。舞央には、超常的な力はないけど、攻略キャラなだけあって、なかなかのチートを持っているのだ。
……私が前に教えたハッキングを使うかもしれないな。
前世の私はハッキングの才があって、そっちの業界では『ハッキングの申し子』とか、かんとか呼ばれていた。
あ、裏業界とかではない。表のいたってホワイトな業界だ。
今でもそういうことは出来るのだが、一回だけ舞央に教えてみたことがあるのだ。すると、チートが存分に発揮され、初歩的なものを教えただけで、かなり高度なハッキングが出来るようになっていた。
そのスキルを成長させ、国の中枢を破壊したりするかも……
……絶対にそういうことは口に出さないでおこう。舞央が何をしでかすか分からない。
それはともかく、訊きたい事があったのだ。
「今、私を含めて、何人残ってる?」
普通ならそれは分からない。けれど、あの装備にはちょっとした仕掛けがしてあり、失格者か否か、また、どこにいるか、というのが分かるのだ。
その機能を使ってしまえば、生徒会連中がどこにいるのか、一発で分かるけど、今回は正々堂々、叩き潰したいのだ。
『舞花様を含めると、今は200人程いるかと。』
ふーん。この学校の生徒の総人数は450人。今回、この行事に先生達は参加していないので、450人のまま。1学年あたり、150人いる。
大分、削られたな。
『舞花様とあの生徒会連中が多くの失格者をだしたかと。』
舞央はそういう。きっと、通話の向こうで、舞央は苦虫を噛み潰したような顔をしている事だろう。
生徒会もそれなりに活躍しているのか。流石、攻略キャラのチートは伊達じゃない。
えーと、生徒会の主要メンバーは私を含めないで数えると、
庶務の早乙女桃華に、生徒会長の紅月綾人、副会長の東野橙樹、書記の若草瑠偉、会計の金玲緒、同じく会計の紫藤葵だから、合計6人。
ちなみに、私はもう1人の副会長やってました。
ヒロインを守るために、どうせ6人共、同じ場所にいるであろう。
じゃあ、私と生徒会メンバーを除く、約193人をちゃっちゃっと失格にして、決戦にしましょうか。
多分、生徒会メンバーは生徒会室がある第3棟にいるであろうから、そこは最後にしようか。
「舞央、他に何かある?」
『いえ、特には……そういえば、先程、あの早乙女桃華とやらがやってきて、「隠しキャラの藍塚君じゃない!貴方もあの女に苦しめられているのでしょう?私のところへおいでよ!」などという世迷言を言っていましたが。……舞花様をあの女などと……殺す……』
ああ、ヒロイン来たか。アイツ、転生者なのは確実なんだけど、私を介さずに舞央のルート入ろうとしてない?
たとえ、私を介したとしても、あんなやつにうちの舞央はやらん!
それに、一回だけ私と仲良くしようとしてきたけど、舞央を攻略するために私を踏み台にする気満々だったのが、分かったので、丁重にお帰りいただいた。
それにしても、舞央、サラッと最後に物騒なこと言ったな。やめとけ。問題になる。
けど、これを言ったとしても、舞央は、「バレなければ、問題はないでしょう?舞花様。」とか言いそうだな。
「じゃあね、舞央。あと、殺っちゃダメよ。私が舞央の代わりに、心を完膚なきまでに叩きのめしおくから。」
私は通話を切った。
さてと、生徒会以外の人達を一掃しますか。
あと一部分で本編完結。




