表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/4

前編

主人公最強の無双話になります。


*私自身、サバゲーをやったことがないので、設定の甘いところはご容赦ください。明らかにおかしい点がありましたら、感想欄などで教えてください。


ここは、八虹学園。上流階級の御令嬢、御子息が通う、由緒正しき学園である。


私、紫藤舞花(しとうまいか)はその由緒正しい学園の屋上で、男装し、サバゲー用の銃を手に持ち待機している。


どうして、こんな事になったのか。


順を追って話そう。



始まりは、5歳の頃、私専属のメイドが部屋に駆け込んできたことからだった。



ーーーーーーーーー


「舞花御嬢様!」


私のメイドの和葉が大きな音をたてながら、やってきた。


「和葉、大きな音をたてるな。舞花御嬢様はティータイム中だ。」


俺ーーー私の忠実な執事(下僕)舞央(まお)和葉(かずは)に注意をした。その間、私は優雅に紅茶を飲む。


我ながら、お嬢様も板についてきたと思う。


実は俺は前世というものを覚えている。そして、その前世で俺は男だった。


だから、最初の頃はどうしてもお嬢様言葉や女言葉に慣れなかったが、この体で過ごして、5年経つ。


大分、お嬢様らしくなってきたのではないかと思う。


でも今はそれより和葉だ。舞央が私のティータイムを邪魔した和葉にアイアンクローをしているので、息の根が舞央に止められる前に、私がそろそろ止めないとな。


「舞央。そろそろやめてあげて。」


私がそういうと、舞央が和葉を解放した。


舞央は1年前に拾ってきた子だ。


屋敷の前で倒れていて、家に返すために調査をすると、家の酷い現状が判明したので、代々紫藤家に仕える藍塚家の養子になった。

年が私と3歳しか離れておらず、将来有望だったので、私の専属執事(まだ見習いだけど)になった。現在私は5歳で彼は8歳だ。


拾った当時は天使のように愛らしい7歳だったけれども、今ではませた8歳だ。


弟のように可愛がってあげようと思ったのに、年上だからなぁ……


あ、もちろん、肉体年齢ですよ?私の精神年齢は前世の18歳+5歳なので23歳だ。これでも、まだ若い方か……


和葉は藍塚家の家の子で、9歳の少女だ。数年前から私の側につくことになり、将来は私の専属メイドの予定だ。


和葉はよく大騒ぎするが、今回は特に深刻そうな表情をしている。


「どうしたの?和葉。」


私がそういうと、和葉は顔を上げた。いつもなら、笑っているのに、今日は笑っていない。


「その、御嬢様と2人っきりで話がしたいのですが、宜しいでしょうか?」


そんな顔しながら、言っているのに、断れるわけないだろ。


「ええ、もちろん。舞央、悪いけど少しの間、下がってくれない?」


「仰せのままに。」


舞央はお辞儀をして、部屋から出ていった。


「和葉、どうしたの?」


「御嬢様、私の話を聞いても病院に連れて行かないでくれませんか?」


何?聞いたら病院に連れて行かなきゃと思うような話ってなんなんだ?


「ええ……」


「なら、いいです。」


和葉はゆっくりと深呼吸をした。


「実は私に前世の記憶があってそこはここと似たような世界だったんですけど今日記憶を思い出して気づいたんですこの世界が私が前世でやっていた乙女ゲームの世界に似ていてその乙女ゲームの中では御嬢様は悪役令嬢の立場だったんです!」


というのを和葉は一息で言った。凄い肺活量だな。


でも、そうか、和葉もお仲間だったのか。


和葉の発言を整理すると、とある乙女ゲームで私は悪役令嬢の立場で、この世界がその乙女ゲームに酷似している、ってことか。


知らんかったわ。


紫藤舞花、っていう名前が前世の妹がやっていた乙女ゲームの中に出てきたいたような気もするな?


私が思案をめぐらせていると和葉が私を怯えるような目で見ていた。


「私の、頭がおかしい、とか思わないんですか?」


そうは思わないな。私だって和葉と同じ前世の記憶持ちだし……あ、和葉は私が前世の記憶持ちだって知らないのか。


「思わないよ。だって、私も前世の記憶持ちだし。」


「……えっ?」


和葉は狐につつまれたような顔をしていた。


「私……いや、俺の前世は、百武司(ひゃくだけつかさ)、享年18歳の男子高校生だった。」


それを聞いた和葉は涙を流し、


「お、お兄ちゃん?」


そう呟いた。


「和葉、もしかして、翼、なのか?」


『俺』のことをお兄ちゃん、と呼ぶの前世でも今世でもただ一人。


前世の妹の翼だけだ。


「お兄ちゃあぁぁん!」


そう言いながら、和葉が俺に抱きついてきた。涙や鼻水を流しても、和葉は俺から離れない。


「舞花御嬢様!?」


舞央が部屋に飛び込んできた。


「舞央。大丈夫よ。」


私は()焦った様子の舞央を窘めた。


「だから、ね?」


私がそういうと、舞央は


「申し訳ありません。」


と言いつつ、礼をして部屋から出ていった。そして、俺は()和葉……翼の頭を優しく撫でる。


「お兄ちゃん、お兄ちゃん。」


和葉は私の胸に顔を埋めたまま言う。


「何だ?翼。」


「お兄ちゃん、酷いよ。意地悪。」


どうした突然。俺、何かしたのか?しばらく考えると答えが分かった。


---そうか。俺は前世で翼を残して死んだんだ。


翼には頼りになる人が俺以外にあまりいなかった。まだ高校一年生の翼を置いて、俺は死んでしまったんだな。


「悪かったな。1人にして。けど、これからは一緒にいような?翼と司としてではなく、舞花と和葉として。」


俺は翼に謝罪を告げながら、今世と前世との決別をつけた。


「ぐすっ、ぐすっ……うん!舞花御嬢様!」


翼、ではなく、和葉は泣き止み、泣き腫らした顔で()の名前を呼んだ。


けれど、和葉に舞花御嬢様と呼ばれるのはなんだかくすぐったい。


「その、よければ、舞花御嬢様ではなく、舞花、せめて、舞花様と呼んでくれない?」


そっちの方がまだいい。


「はい、もちろんです!舞花様!」


和葉が敬礼をする。うん、やっぱり女の子は笑顔の方が可愛い。


そういえば、肝心な話をしていなかった気がする。


「和葉、乙女ゲームで私はどうなるの?」


「その話ですか。その中で御嬢様、失礼ーー舞花様は乙女ゲームの中では悪役令嬢役で、攻略対象の内の1人、紅月綾人(べにづきあやと)の婚約者になって、主人公を虐め倒します。ちなみに全てのルートで妨害してくるはずです。そのあと攻略対象達によって断罪され、悲惨な末路を歩む……という感じだったと記憶しているのですが……」


絶対やらねえ。何で、私が見知らぬヒロインとイケメン男子達の恋を妨害して、断罪されるという『恋の障害』役をやらなきゃいけないんだ。


というか、俺は御嬢様に大分馴染んできてるけど、心は完璧に女じゃない。


ヤローと恋する趣味はない。かと言って、女子に恋する訳でもない。恋愛対象がいない状態だ。


おっと、失礼。


「その攻略対象とやらの名前とかは?」


和葉は人差し指で顎を触りながら、天井を見上げた。この癖は翼の時から変わっていない。


「えっと、確か、ヒロインの名前が早乙女桃華(さおとめももか)で、虹の色で攻略対象がいたはず。紅月綾人(べにづきあやと)東野橙樹(ひがしのだいき)金玲緒(こんれお)若草瑠偉(わかくさるい)紫藤葵(しとうあおい)藍塚舞央(あいづかまお)紫藤舞花(しとうまいか)だったはず。」


よく覚えてるなぁ……


というか、私と舞央の名前が入ってるんだけど?あと、紫藤葵って誰?親戚か何か?


私の頭の中で疑問符が渦巻くなか、和葉はゲームについての話を進めていた。


「ゲームの名前が、えーと、『八虹(はっこう)学園〜恋する乙女は虹と出逢う〜』だったっけ?攻略対象の名前にそれぞれ色がついていて、赤色、橙色、金色(黄色)、緑色、青色、藍色、紫色で、ヒロインの桃華が桃色になって合計8色だから八虹だとか、何とか公式のヤツに書いてあった気がする……」


和葉がいつまでも覚えているとは限らないので、私は素早く使っていない鍵付きノートを出し、和葉のいうことをメモった。


「今出てくるのはこれぐらい。今日、前世の記憶を思い出したばかりだから……」


とりあえず、重要な情報がわかったからいいか。いくつか質問をしよう。


「何で、私と舞央の名前が入ってるの?」


それが1番気になる。


「舞花様は隠しキャラで、百合ルートがあったらしい。で、舞央も隠しキャラで、舞花様ルートを解禁したら、同時に解禁されるらしいとか。その辺はまだやってなかったけど、瀬里奈(せりな)ーーー前世の親友ねーーーから結末ぐらいは聞いてる。」


なるほど。隠しキャラか。嬉しくない。


「よくそんなに憶えてられるな?」


私は、メモをとりながら、和葉に言った。


「だって、私、このゲームにかなりのめり込んでたし、かなり有名で、同世代の子なら大体皆やってたよ?。」


そうなのか?知らなかった。私はそういうのをあまり気にしてなかったからな。


「そうか。」


今日は色々分かって良かった。そろそろ、舞央を呼ぼう。ずっと、和葉と話をしていたから、拗ねているかもしれないし。




この作品が気に入りましたら、評価やブクマをポチッとお願いします。


また、次話は23日の0時ごろに投稿する予定です。


5月30日 一部を修正させていただきました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ