第30話
【視点変更:水無月篝】
図書室を後にして、私と相坂ちゃんはクラスルームへと向かっていた。
「篝ちゃん、大丈夫?」
「うん、平気。」
今は二人きりなので通常モードだ。
「篝ちゃん、ちょっとおかしいと思わない?」
「え?」
私は立ち止まり、一歩後ろを歩く相坂ちゃんへ振り返る。
「だって、ほかの子と食べるから先にクラスルームに戻っててっていう伝言なんでしょう?」
「うん。」
「それなら図書室で鉢合わせるのはおかしいわ。それに、昼食を食べるという感じでもなかったし。」
「確かに・・・・。」
図書室で会ったのは偶然だと思うけど確かにフユトさんがお昼ご飯を食べるような感じには見えなかった。
それに、あの子じゃなかった。
「ごめん篝ちゃん、ちょっと私、はずしていいかな?」
「どこへ行くの?」
「ナイショ。」
お茶目な少女のように人差し指をほっぺに当てて変なポーズをとる相坂ちゃん。
「モトキさんか。」
「ちょっ!違うから!しかも、なんで相馬の名前が出てくるのよ!」
「さぁね。」
私は意味深な笑みを返す。
「なんかムカつくわ、その顔。」
「ふふっ、それじゃクラスルームで合流しましょう、相馬廻さん。」
「誰が相馬だ!」
相坂ちゃんが顔を真っ赤にしてツッコミを入れる。
「可愛いわね、廻ちゃん。」
「廻って呼ぶな!」
ちょっと拗ねた顔をした相坂ちゃんが、どこへ行くのかは分からないけど笑顔で私たちは別れた。
さっきの相坂ちゃんの一言がすごく気になっていた。
確かに私に「先に食べていて」と伝言をした。
うーん。結局、どういうことなのか分からない。
はぁ。
でも、結果的にフユトさんと昼食が食べられなかった。
フユトさんって結構モテるのかなぁ。かっこいいし。
あ。
一度クラスルームに戻ったものの、中庭で使ったハンカチを忘れて来たことに気付いた私は中庭に戻ることにした。
「え?」
途中、廊下でフユトさんの唇に人差し指を当てている相坂ちゃんを目撃する。
え?
なん・・で?
私はその場に立ち止まり、動けなくなってしまった。
どういうことなの?
私は少し混乱していた。
©️2017,2018,2019 すたじお・こりす




