第20話
【視点:水無月篝】
相坂ちゃんはなんて事をしたんだろう。私は少し怒りをあらわにしている反面、フユトさんのさっきの謝罪の意味を考えていた。
きっと、昨日の迎えの件だとすぐに理解できた。
「おはよう、水無月さん。」
クラスメイトから挨拶を受ける。
「今日は一人なの?相坂さんは?」
そう言えば、まだクラスルームに来ない。フユトさんたちと一緒にいるのだろうか?
「いえ、ちょっと外しているだけですから。」
そう言って席に着く。
「おーす、フユト!」
クラスメイトの男子がフユトさんに挨拶をしていたので、振り返る。
でも、そこに相坂ちゃんはいない。それに、フユトさんだけが入ってきてモトキさんがいない。
モトキさんが相坂ちゃんをフォローしているのかしら?
「・・・。」
落ち着かない。ふとフユトさんを見る。
フユトさんは席に着いてはいるけど、時計ばかり見ているのでモトキさんが遅いことを気にしているようだ。
私はフユトさんのところへ向かう。
「あ、あの、フユトさん。」
「え?あ、篝さん。」
「あの、相坂さんはどちらへ行かれたか分かりますか?」
「あ。なんかモトキが話があるから先にクラスルームに行ってくれって言われて。」
「そうでしたか。」
「そ、それより篝さん。」
「はい?」
「えっと、相坂さんの事、許してあげてよ。僕は、気にしてないから。」
「え?あ、はい・・・。」
なんて優しい人なんだろう。
「あの、本当にご無礼をお許しください。そ、それでは失礼します。」
私は逃げるように席に戻る。
顔、赤くなってないよね?
「なってるわよ?」
「ふぁっ!?」
席に戻って独り言を言った瞬間に背後から声がかかる。
「あ、相坂ちゃ・・・むぐっ!」
多きな声で叫ぶ手前で相坂ちゃんに口をふさがれる。
「相坂❝さん❞ですよ。お譲様。」
コク、コクと私はそのままうなずく。
「さっきはすいませんでした。」
相坂ちゃんが深く頭を下げる。
「フユトさんにも許してあげるように言われたので、この件は不問にします。今後気を付けるように。」
「はい。」
私は見逃さなかった。相坂ちゃんが一瞬ニヤケたのを。
「報告するわよ?」
私は小声で脅してみる。
「ちょっ!?ごめんて!」
いつものやり取りに戻り始めたのと同時に予鈴が鳴り響く。
今日は、この後もっとフユトさんとお話できるかな?
ちょっと楽しみ。
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