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第一部 桃色の缶と、はじまりの恋 第七章 静かな決意
がんばれ俺。ヘマすんなよ。
「ねぇ、どこまで行くの?」
痺れを切らして桃花が言った。
「もう待てないよ。なんの話?」
こんな所まで来て話すなんて、きっと大事な話なんだろう。
しっかりと聞いてやらねば、とどこかお姉さん風を吹かしたくなる桃花だった。
分かってないよな。はあ、がんばれ俺!ヘマすんなよ!!
「あのさ、俺もうフリーなんだ。」
「うん、友だちに聞いたよ、別れたって。」
「お前は彼氏とかいないの?」
「へ?いないよ。モテないもん。」
「そう思ってるのは、お前だけだよ。」
「ふーん。ねぇ、そんなことより、大事な話があるんでしょう?どうしたの?何かの相談?」
「そんなことじゃないから……」
ぼそっと蓮が言ったから、桃花にはなんて言ったのか聞こえなかった。
「ごめんね、よく聞こえなかったから、もう一回言って」
そう言って桃花が両手を合わせてお願いすると、
「そう言う可愛いところが好きなんだ」
「は?」
「だから、好きなんだ」
「好きなんだ」——たった五文字が、空気を変えた。




