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色彩能力者の錬金術師  作者: 空松蓮司@3シリーズ書籍化
第3章 千面道化襲来

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第130話 無人島試験①

「ん、く……!」


 なんだろう。あったかい。あったかくて、ふわふわしたものが顏に当たっている。

 これは……なんだ。そう、アレだ。雑草の匂いだ。それに右手の甲を何かが伝っている。これはもしかして、蟻か……?


 蟻? 蟻がなんで手の上を歩いている。


 俺はうつ伏せで眠っているみたいだ。よし、段々と意識が覚醒してきた。俺は瞼を開く。目の前は、土色。


「って、土!?」


 土の上で寝ているのか俺!?

 慌てて体を起こし、手の上を見る。蟻が、本当に歩いていた。

 周囲を見渡す。木々が大量にある。森の中……? 下は土の地面。雑草が大量にある。空、青空。太陽が照り輝いている。雰囲気はまるで南国。


「えーっと、森の中、だな。なんで俺、こんなところに……」


 登校して、席に座って、そんでそのまま……。

 服は制服。ポケット、空だ。学生鞄も無い。けど、すぐ傍にリュックサックが落ちていた。

 俺はリュックを開き、中を見る。


「食料……缶詰に、水筒。時計、布、マナスティック、ペン、チョーク、この筒は……ラベルに書いてあるな。発煙筒か……ん? ラベルの裏にはなんか書いてある。使用注意? 発煙筒は使うなってことか? あとは、本があるな」


 本を手に取る。タイトルは――


「『特別課題のしおり』……って、マジか。これ学校の仕業かよ」


 しおりを開き、内容を見る。


 1、本課題は無人島で行う。

 2、本課題では同じ島に居る他4名の生徒と協力して3日間無人島で暮らしてもらう。 

 3、5人の内の1人、リーダーのリュックサックには白紙のノートが入っている。5人で協力し、現在居る無人島の解説書をそのノートを用いて作成してもらう。ノートの完成度・情報量に応じて採点する。ノートに記載する内容の例を以下に示す。ただし、あくまで例であり、これ以外にも多くの情報を記すことを推奨する(例:無人島の地図、生息する魔物の種類、気温の変化等)。

 4、発煙筒を焚くことでリタイアすることができる。ただし、島に居る5人の内1人がリタイアすれば、他4名も同様にリタイアとする。

 

「ん~っと、つまり……無人島で暮らしながら、この無人島の説明書を作ればいいってことだな」


 リュックの中をもう一度探る。だが、ノートらしきものはない。


「俺はリーダーじゃないってことか」


 島には他に4人もいるらしい。


「まずは他のメンバーと合流しよう」


 それにしても、不意打ちで眠らせて無人島に運んでいきなり試験って……何度も何度も言ってるけど無茶苦茶だなこの学校!


「……3日って、3回陽が落ちたら終了ってことか? それとも3回朝を迎えたら? 説明不足過ぎるぞまったく……」


 それにしても暑い。

 水筒の水を飲む。1回で3分の1も飲んでしまった。


「……水分確保しないと死んじまう」


 川、川は無いか?


「ん?」


 靴の足跡発見。まだ新しいな。それに足跡の傍の木に矢印が書いてある。矢印の方向に来いってことだろう。十中八九同じ島に来た生徒の仕業。

走って追跡しよう。


 追跡すること2分ほど。木に石で傷をつけながら移動している女子を見つけた。

 赤毛の女子だ。


「ロアか!」

「ん? ――あ! イロハじゃん! またチームなんて、私達、運命の赤い糸で結ばれちゃってる?」

「そんな糸で結ばれているなら俺に見えないはずが無い」

「やれやれ。相変わらずのリアリストちゃんだね」


 ロアが同じグループなのはラッキーだ。

 錬成力、コミュニケーション力、体力、知力。

 どれをとっても隙が無い錬金術師だ。


「ロア。もしかしてお前がリーダーか?」

「お、よくわかったね。そだよ~」


 ロアはリュックを開き、一冊のノートを出す。


「ほい。これがリーダーノート」

「分厚いな……」

「まったくだよ。超重い!」


 ざっと見たが、300ページは余裕であるな……。


「見てこれ! 万年筆も付いてた! これで書き込めってことかな。これ高いやつだよね。試験が終わったらもらってもいいのかな!?」

「好きにしろよ。早く残りのメンバーとも合流しようぜ」

「うん!」

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