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色彩能力者の錬金術師  作者: 空松蓮司@3シリーズ書籍化
第3章 千面道化襲来

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第100話 最先端錬成物

 ヴィヴィと別れた俺は居住棟に戻り、男子部屋に入る。


 男子部屋はかな~り広い。


 フローリングの床に布団が3つ敷いてある。ご丁寧に本棚・クローゼット・机・椅子がそれぞれ人数分ある。大きなソファーもあり、ダーツやビリヤードなどの娯楽品も充実している。


「用事は済んだのか?」


 ジョシュア先生はソファーでくつろいでいる。


「はい」

「一応忠告しておくが、女子と1つ屋根の下だからって無茶するなよ。男としては応援してやりたいが、俺も教員という立場上――」

「しませんよ何も!」


 余計なお世話だ。


「イロハ君、ここの設備見た?」


 外から部屋に戻ってきたアランが言う。


「いや、まだだ」

「凄いよ~。面白いものがいっぱいある。案内してあげるよ」

「おー」


 最初に案内されたのはリビング。

 リビングは以前この研究所へ来た時もチラッと見たが、ちゃんとは見てなかったな。


「まずはこれだ」


 アランは1メートルほどの大きさの金属の箱を指さす。

 前面には手形、マナドラフトがあり、マナドラフトのすぐ横にはつまみがある。つまみの周りには何やら絵が描いてある。絵の種類はハンバーガー・ポテト・黒い液体の入ったコップ(コーヒーかな?)・オレンジ色の液体が入ったコップ(オレンジジュース?)・ショートケーキ・プリンだ。


「『料理錬成器(クイッククック)』! このつまみを回して、つまみに引いてある線を欲しい物に合わせる」


 アランはつまみを回し、線をハンバーガーに合わせた。


「それで、横にある食器棚からご飯なら皿・飲み物ならコップを取る。取り出し口に皿もしくはコップを置く」


 アランは取り出し口に皿を置いた。


「最後に、マナドラフトに手を合わせる」


 アランがマナドラフトに手を合わせると、一瞬で皿の上にハンバーガーが出来上がった。


「今の一瞬でこのハンバーガーを錬成したのか?」

「食堂の錬金術に似たようなものだね。とにかくこれを使えば食事には困らない」

「三日三晩ハンバーガーで済ます気かよ」

「僕はいけるね。はぐっ、んぐ……うまい! タダでこれが食えるんだ。最高だね」 


 まぁ、朝飯ぐらいなら毎日ハンバーガーでもいけるか。


「お次はこちら」


 次に案内されたのは、水蒸気に満ちた木造の部屋。


「なんだここ……蒸し暑いな」

「サウナって言うんだってさ。この蒸気の熱で体を温めるお風呂の一種。男女共用だから入る時は水着で入るように」


 水が無い風呂……錬金術師の世界にはこんなものもあるのか。


「これも凄いよ」


 アランが次に案内したのは――洗濯機だ。


「洗濯錬成装置!」

「洗濯機とは違うのか?」

「うん。イロハ君、その靴下汚れてる?」

「そりゃ、朝からずっと使ってるからな。森も歩いてるし、土だらけだぞ」

「その靴下を中に入れてみてよ」


 靴下を脱ぐ。

 土汚れが付いており、全体的に茶色くなっている。

 その靴下を洗濯錬成装置とやらに投げ込む。2秒ほど間を置いてポチャンと音がした。


「ん? まさかコレ、底なしか?」

「そう。この箱の底は穴が空いていて、穴は井戸並みに深い。底には多分、水が溜まっている」


 洗濯錬成装置に顔を突っ込んで下を見る。

 冷ややかな風が顔に当たる。底が見えないほど深い穴が空いていた。感覚的には井戸に似ている。


「あの靴下戻ってくるんだろうな?」

「大丈夫大丈夫! まぁ見といてよ」


 蓋にはマナドラフトがある。

 アランがマナドラフトに手を当てると、筒からポン! と真っ白な靴下一組がシャボン玉に包まれて落ちてきた。


 シャボン玉を割り、靴下をキャッチする。

 水気はない。汚れも一切残ってない。新品同様の靴下だ。色も純白、キレイだ。

 鼻を近づけて香りも嗅ぐ。……うん、ラベンダーのような甘い香りだ。


「便利だな」

「全てが効率化されているよ」


 コノハ先生らしい家だ。

 大体の設備を見終えた俺は、部屋へと戻るため歩みを進める。


「イロハ様」


 男子部屋の前に、ラビィさんが待っていた。


「ご主人様がお呼びです。第一錬成室においでください」

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