重力・言葉・性別という枠に苦しむ
私は長い間、この世界に違和感を抱きながら生きていました。
なぜこんなにも苦しいのか。
なぜ自分だけが浮いているように感じるのか。
これは、そんな私が見てきた世界の話です。
地球にダイブして、最初に感じたのは「圧倒的な不自由さ」でした。
宇宙にいたときは、おもった瞬間にどこへでも行けた。
なのに、この星では自分の足で一歩ずつ「地面」を踏みしめて歩かないといけない。
重力という目に見えない鎖が、常に私の体を地面に縛りつけている。
「あぁ、もう!うずうずする!自由に飛びたいのに」
肉体という重たいスーツを着て過ごす毎日は、想像以上に窮屈で、もどかしいものでした。
何より戸惑ったのは「言葉」というツールです。
すべてが筒抜けで、おもうだけで分かり合えた世界から来た私にとって、
口を使って話さないと伝わらないなんて、信じられないルールでした。
忘れられない記憶があります。
先生に「言葉にして話さないとわからないよ」と言われたとき、
私は、その意味が本気で理解できなくて、ただ悲しくて、
なんで怒られているのかもわからず、大泣きしました。
「心を見ればわかるはずなのに、どうして?」
言葉の壁にぶつかるたび、私はどんどん自分を閉ざしていきました。
学校という場所は、私にとって苦痛の連続でした。
勉強にもなかなかついていけず、放課後は補習ばかり。
黒板に書かれた問題。
先生に指さされる。
理解できていないから、当然のように間違い、その教科が嫌いになっていきました。
国語の時間、教科書を読み上げるのが何よりも嫌でした。
言葉が苦手だった私にとって、文字を声にして読むことは、
魂の形を無理やり狭い型に押し込められるような感覚だったのです。
「友達の輪に入らなきゃいけないのかな?」
どんな会話をすればいいのか分からず、親にさえ本心を隠し、
私は、自分の周りに分厚い「殻」を作っていきました。
そしてもう一つ私を苦しめていたのが「性別」という枠組みでした。
子供の頃、私は自分のことを「男の子」だと思って生きていました。
好きになるのは、いつも女の子。女性の肉体というスーツを着ていながら、
心の中には男性性の光が宿っています。
子供の頃は、男の子たちに混ざって遊んでいました。
そこが一番自分らしくいられる場所で、本来の「るんるん」を感じられる時間だったからです。
けれど、学校という場所は残酷でした。
「はい。ここからは男の子。ここからは女の子」
そうやって、明確に分けられる場面が来るたびに、猛烈な苦痛に襲われました。
「こっち(男の子)がいいのに。
なんであっちに行かなきゃいけないの?」
大人になるにつれて、社会から「女の子」として扱われることに強烈な違和感を抱き続けました。
「私は、女でも男でもない。ただの私なのに」
でも、どんなに分厚い殻にこもって「地球人」のふりをしても、
消しきれないものがありました。
それは、ふとした瞬間に感じる「猛烈な違和感」です。
この頃の私は、まだ知りませんでした。
自分を苦しめていた違和感の正体も。
地球に来た意味も。
そして、この世界の見え方が大きく変わる出来事が、この先待っていることも。
続きの物語で、お会いできたら嬉しいです。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。




