戦火を呼ぶもの
魔王城より帰還した不死王は、領域改革へと踏み出す。魔王城での会合で、新たな事実が発覚したのだ。なんと、資源地帯を設置できるという。これを最浅部に設置すれば、侵略者ホイホイになることは間違いなかった。
世界征服に興味はなかったが、戦争には大いに興味があった。防衛線をひき、防衛拠点を築き、奪われ、奪い返したりしたいのだ。その為には、相手が攻め込んでくる理由が必要である。
まずは鉄鉱石。説明は不要だろう。これを持っている国は金に困ることは、まず無い。鉄工業が発達していれば、その国の飛躍は約束された物だ。
次に石炭。鉄を加工する為に、必要不可欠な物だ。木でも出来なくはないが、火力が違う。火力発電の主燃料でもある。この地ではまだかなり先の話であるが、石炭の価値は何百年か先の未来でも需要があるという話だ。
他にも、銅やレアメタルなどの鉱石資源を仕込む。石油も後々に価値が出てくる物なので、しっかりと仕込んでおいた。比較的価値の低い物から浅部に配置して、価値の高いものは深部に配置した。深部と言っても、中層部辺りに仕込んでおいた。ここなら、人でも無理をすれば動けなくはないからだ。
餌は蒔いた。後は食い付くように誘導するだけである。その点も当然抜かりは無い。王国との小競り合い以降も領域の拡張は続けられており、つい先日に新たな国と接触したのだ。
わざと拠点を陥落させて、資源地帯を発見させる。その後に拠点を奪還する。宣戦布告やら国際情勢など意識される前の政治形態だと考えられるので、資源地帯を目の前に手を出さないなどという為政者はいないだろう。
しかも、この資源の源泉は、魔力である。地表に噴出している魔力が枯渇しない限り、資源が枯渇することはない。死の荒野は魔力の噴出地だけでなく、盆地だった。噴出ポイントは荒野の中心で一番低く、核が設置され不死王の居城が建てられている。
盆地である為に魔力が外に漏れ出ず、周りの魔力は低地でる死の荒野に流れ込んでくる。そのせいで、死の荒野は異常に魔力濃度が高いのだ。こんな地理的条件の為、魔力が枯渇する事はまず無い。
そんな資源地帯を放置するだろうか。新たに領域が接したのは帝国。この大陸の覇者の末裔であり、再統一を国是にしている国だ。先の王国とも争っており、かつての領地を取り返す為の戦争をしている。
戦争をしている国にとって喉から手が出るほど欲しい物は、鉄と食料である。そして目と鼻の先には、豊富な埋蔵量が約束されている鉱床があるのだ。鉄を得るために、鉄を消費する戦争が行われる。開戦は、もう間も無くだ。
一端終わります。ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
詳しくは活動報告で。




