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ユニークスキル<ゲームにログイン>で魔王退治  作者: ぐわじん
1章 異世界転生

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01-09 魔物襲来

父ティーモ、母ハンナ、兄ニコラス、姉ミア、主人公マティアス(マティー)

「アイヒェンドルフ様! 異常事態です!」

 守備兵がティーモとマティーの寝室に来た。直ぐにティーモは部屋に招き入れ現状についての報告を受ける。動物の群れが砦の側を通過するときは、魔物が近づいてくる前触れであった。魔物からの被害を別の標的になすりつけるためだと一般的には考えられていた。


「分かった。直ぐに兵士を起こせ、魔物に備えるぞ。私も直ぐに問前まで向かう」

「父さん。僕も向かう」

 ティーモは一瞬マティの顔を見て、少し考えた後に決心した。マティーをおぶると急いで魔の森方面の門に向かって走り出した。直ぐに警戒の鐘が鳴らされ、兵士達は飛び起き広場に集まりだした。

 そこで当直の兵士から説明を聞いた後、倉庫に行って弓やクロスボウ、火縄銃を持ち出し、魔の森側の壁に向かった。


 ティーモはマティをおぶったまま階段を登り、歩廊まで到着した。しばらくして兵士たちも武器を手に歩廊の上に到着しそれぞれ準備を始める。

 魔の森と砦の間には、畜舎が三箇所有り、篝火(かがりび)の影響でその周囲は若干視界が通っている。その三箇所には豚が一頭ずつ押し込められている。その豚たちが大声で泣いたり、周囲の壁に体当たりするなどしてパニックを起こしていた。


 狼が畜舎に近づくが、壁や獣避けの柵がじゃまになり豚を襲うことが出来なかった。豚がいることが分かっているため、その畜舎の周りをぐるぐると取り囲んでいた。豚は狂ったように声をあげて、その声に狼たちが興奮して襲いかかろうと集まっていた。


「何だ! あの数は!」

 見張りや守備についていた兵士たちは、あまりの大群に驚いていた。目についた数で言っても百を超えるような大群であった。


「灰色狼の大群…。灰色で良かったというべきか。でもあの数は厄介だな」

 灰色狼は魔物ではあるが、普通の狼よりも強いものの弓や槍で撃退することが可能な種族であった。茶色狼は若干皮膚が固く、場合によっては矢が刺さらなかったり数本刺さったくらいでは死ななかったりする。黒色や白色になると脅威度が更にあがる。


「豚に気が行っている今しかない。構えろ! …放て!」

 ティーモの掛け声により、火縄銃や弓、クロスボウなどの一斉射撃が始まった。最初の一撃で数十匹の狼が倒れた。大きな音と突然の襲撃に狼は驚き戸惑っていた。続いて飛来する矢によって数匹の狼が倒れる。音や攻撃が来る方向を見ると砦の上の篝火に人が沢山いるのが見えた、狼たちは砦に向かって走り出す。途中にある柵や罠にかかり何頭も無力化されていくが、そんなことはお構いなしに壁の側まで向かってきた。


 高い壁に阻まれ狼達はそれ以上何も出来ず、壁沿いに回り込もうとするが柵に阻まれて横に回り込む事もできなかった。砦の側面に回り込むには一度砦から少し離れる必要があるが、狼たちはそれに気がつけなかった。少し離れては砦に近づこうとして、どんどんと命を落としていった。流石に千を超える損害が出たため、体制を整えるために森に戻っていった。


「うおお! やったぞ!」「追い返した!」「どんなもんだい!」

 撃退出来たことに兵士たちは歓喜した。


「よくやった! 素晴らしい! ただ油断するな! 見えただけでも千は居そうだった。また襲ってくる可能性もあるし、あれが他の村に行ったら大変なことになる。ここに引きつけてもっと数を減らさないと! 警戒は怠るなよ」

 ティーモは兵士たちに警戒するよう指示を出したことで、兵士たちも落ち着きを取り戻して、次の襲撃に備える準備を始めた。


「大砲が使えたらもっと数が減らせたんだがな、準備が間に合わなかったな」

 ティーモは思わず愚痴をこぼしてしまったが、マティーはそれを聞いて考え込んだ。


「父さん、夢の中から船を持ってくるよ。そうすれば大砲の問題はなんとかなるかも」


「どういうことだい?」


「船には大砲が備え付けてあって、撃っても船が壊れることはなかった。だから砦の前に船を置いて、その船から攻撃すれば大砲が使えるんじゃないかな。ちょっと夢の世界で船を持ってくるよ」

 マティーの提案は受け入れられて、歩廊の上で横になり眠ることになった。


「マティアス様は肝が座っているな」

「ああ、とんでもないな」

 事情を知らない兵士達は、小さな子供なのに歩廊の上まで来て魔物の襲撃に怯えることなく立ち止まっていた事、まだ危険な状況なのにも関わらず、この場に留まって寝ている姿に関心する者もいた。


「父さん、とりあえず船を何隻か持ってきた。持ってきたけど、陸の上に置いたら船は傾いてしまうから、両脇に船を支えるための何かが必要なんだけど、どうしよう」

 マティーは周囲を見渡すと歩廊強化用の石の山が目に入った。まだ作り始めたばかりなので大した数は無いが、それでもそれを使えば多少は支えることが出来ると考えてティーモに提案した。


「良いだろう。土魔法が使えるものも何人か連れて、門の外に出るぞ。マティー覚悟は良いか?」

 ティーモの問いかけにマティーは真剣な眼差しでティーモの目を見ながら頷いた。マティーは石をアイテムボックスに格納し始めた。

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