02-21 魔族3
前の魔族2 魔素残量の計算間違ってた。もっといっぱい溜まってたので修正しました。
七ヶ月で約四十%でした。
~狼の侵攻から一年後、魔族2から五ヶ月後~
「おい、食糧調達にいくぞ」
「ギギギ、無理かも」
「分かった。休んどけ」
指揮官インプが配下のインプに声をかけるが一匹のインプは衰弱しており同行を断った。指揮官インプはもう一匹の配下と共に食料調達に向かう。
全員体調を崩しており、いずれさらに悪化すれば前の赴任者同様死んでしまうと容易に想像出来た。
「シカだ! あれを狙うぞ」
指揮官インプは一頭の鹿を見つけて、それに向かって近づいていく。
「サンダースピアー」
雷の力が込められた魔法の槍を生み出し、鹿に向かって放つ。サンダースピアーは高速で鹿に直撃し、電気ショックを受けて痙攣し動けなくなった。
当たったダメージもあるためインプ達が近づく頃には瀕死となっており、首元をナイフで切り裂くと絶命した。
首筋から血が流れ出すが、直ぐに指揮官インプは首筋に顔をつけて出てきた血を飲む。
「うまい! お前も飲め」
「ギギギ、うまい!」
部下にも血を飲ませる。インプ達は動物の血を生で食しても問題がなく、血は栄養素が詰まった貴重な飲み物であった。交互にしばらく飲んだあと、持ち帰るために自身に肉体強化の魔法を唱えて、パタパタと飛びながら砦に戻っていった。
砦に戻ってから衰弱している部下にも血を飲ませる。もう一匹の部下が介添えしないと飲めないほど弱っていた。
「うまい。ありがとう」
「気にするな。休んどけ」
指揮官インプは弱っている部下を見て、もう長くないと判断した。
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そして三ヶ月後、部下の一匹が死亡した。もう一匹の部下も衰弱して動けなくなっている。
「具合はどうだ?」
「まあなんとか」
「休んでおけ。食料調達にいってくる」
「お気をつけてギギギ」
食料調達は指揮官インプのみが行っていた。仕掛けていた罠を見て回り、途中途中で食べられる木の実や野草なども採集する。兎が一羽掛かっていたのでそれも持ち帰る。魔法が殆ど使えなくなり、大きな獲物を狩ることや持ち帰ることが出来なくなっていた。
「兎が捕れたぞ! ほら飲め」
部下の口元まで兎を持っていき、素早く喉を引き裂いた。出てきた血を力なく飲む。
「もう大丈夫」
「いいから飲め。飲まないと力が出ないぞ」
遠慮する部下に対して、血を全部飲ませた。
指揮官は肉を細かく切り裂き、野草や木の実も細かく砕いて木の容器に入れた。部下の口元に少しずつ入れてやり、なんとか数口食べることが出来たが、それ以上は受け付けなかった。指揮官はこの部下ももう長くないと思った。
「現在の蓄積量は二十九万九千五百六十」
指揮官が管理コンソールを操作した。蓄積してから一年三ヶ月以上経過してほぼ満タンとなった。万が一自分も死ぬことになれば、溜めた魔素無駄になってしまう。次の定期巡回までは三年九ヶ月あり、それまで生き残るは無理だと考えていた。
「今魔素を空にしても二回は問題なく使えるな。よし! このままだとまた無駄に成りかねない。また魔物を作り出すぞ」
「いやでもこの人数だと厳しくないか?」
「権限がLV3になっている。生み出せる魔物も数が増えた。高いポイントの魔物を生み出す。とはいえ、能力を確認してからだな」
ゴブリンソルジャーとゴブリンアーチャーを生み出す。最低単位は二体のようで、計四体のゴブリンが出てきた。ゴブリンは緑色の体で体長一m程のサイズであり、簡易的な武器を扱うことが出来る。生まれてきた二体は素っ裸で当然武器なども所持していていない。
「アーチャーなのに弓と矢が無かったら駄目だろ。見た目も変わらずどちらがアーチャーかもよく分からん」
指揮官は続いてゴブリンメイジとゴブリンプリーストを一体ずつ生み出す。こちらの最低単位は一体であった。同様の体型でともに裸でどっちがメイジでプリーストか分からない。砦の外に出て魔法を使わせてみるとメイジは初期の魔法を数種類、プリーストはヒールとキュアポイズンの二つだけ扱えた。
「こいつらは武装が必要ないから、こちらを大量に作ればいいか? いや他の魔物も生み出してみるか」
指揮官はラージスパイダーとブラッドバッドを二体ずつ生み出した。スパイダーはお腹から糸を出し、相手を拘束することが出来る。ブラッドバットは飛行出来て、血を吸うことで自身の傷を回復出来る能力がある、ただ今は寝ていた。
「おい、起きろ」
チラッと目を開けるが直ぐに寝てしまった。夜行性のため昼間は活動できないようであった。
「駄目だな。他も試すか」
キャタピラーと茶色狼を一体ずつ生み出す。キャタピラーは大きなイモムシである。口から糸を吐いて動きを阻害させるのはラージスパイダーと同じだが、動きがラージスパイダーよりも遅い。ただ外皮は厚く柔軟性もあり丈夫である。尻尾には棘があり後ろからの攻撃にも対応出来る。茶色狼は灰色狼の上位種であるが、進化済の個体を最初から用意できるのは強みでもある。
オークとリザードマン、ポイズンスライムも一体ずつ生み出す。オークは身長が二mほどある巨体で力が強い豚人間である。ゴブリンくらい簡単に引きちぎれる程の強さを持つ。リザードマンは水辺に住む魔物であり、水中にも潜れる。全身が鱗で纏われており高い防御力を誇る。ポイズンスライムは通常のスライムとは異なり、毒を持ち近づく相手に吹きかける。コアを破壊しないと倒せないが、遠距離からコアを狙うのは困難であり、かといって接近するのは危険という厄介な魔物である。
「混在して侵攻させても問題ないのだろか? ただポイズンスライムやキャタピラーは動きが遅すぎるから止めておくか。
お前ら周囲で魔物や動物を狩って来い。狩った獲物はここに持ち帰ってこい。良いな?」
生み出された魔物達は砦の周囲に散らばっていったが、ブラッドバットだけはその場で寝続けている。
そして数時間後に魔物達が帰ってきた。鹿やイノシシを持ち帰ったが、どれも食べかけであり、自分たちが食べ残した物が床に置かれていた。
「…。食べれられないよりましか。魔物同士で互い争うこともなさそうだな、よし良くやった」
魔物の労をねぎらい、肉を細かく砕いて配下に食わせた。
「とりあえずこれで飯の心配は無いな。あとは構成をどうするか…」
翌朝、指揮官は様々な魔物を生み出す。オークを五百体と灰色狼五百体を生み出し北東に向かわせる。ラージスパイダー千体と灰色狼百体、ゴブリンメイジ五百体とプリースト百体と灰色狼百体、茶色狼二百体の順に生み出して、同様に北東に向かわせた。
灰色狼は侵攻用ではなく、オークやゴブリン等の食糧として生み出されたものだ。腹が減ったら灰色狼を殺して食べるようにという指示も行っている。
高レベルの魔物を生み出したため、これだけで魔素の八割以上を使ってしまった。ただ集めた魔素が無駄にすることなく使えたのは良かったし、食糧調達も楽になったのも良かったと指揮官は考えていた。
他の作品もよろしく。
累計294万ビュー超え 異世界転生しそこなったけど、スキルは貰えたので現実世界で楽に生きたい




