02-20 魔族2
狼の大群を生みだしてから一週間が経過した。
「ギギギ。全然魔素が貯まらんな」
「まあでもまだ一週間だし、その内溜まるだろう」
魔物の発生装置に溜まっている魔素は少ない。
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「現在の蓄積量は七千二百」
一ヶ月程経過し管理用コンソールで確認した魔素の量であった。魔素を貯める透明の容器の中には、ほぼ空と言えるほどの量しか溜まっていない。
「まずいんじゃないのか」
「うーん。まだ一ヶ月だし、まだ大丈夫じゃないか。とりあえず食料調達に行くぞ」
不安はあったが、新たな責任者が着任するまでに五ヶ月はあるはずなので、それほど焦りは無かった。
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さらに月日が流れ二ヶ月が経過したが蓄積された魔素量は一万四千四百だった。容器に溜まっている魔素の量は五%にも満たない量であった。
「流石にまずいのでは?」
指揮官の指示で残ったインプは不安になっていた。
「うーん。確かにまずいかも知れん」
全部使うと判断した指揮官インプは、それ以上に不安になっていた。残されいた資料を読み解こうとするが、専門資料の難しい内容は分からず、装置の絵が書いてある説明書きは何とか理解できた。
「このバーを下げると収集出来る魔素の量が増えるみたいだな」
「本当か! 確かにそんな感じがする。よし下げよう」
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「現在の蓄積量は二万八千八百」
魔物を生みだしてから三ヶ月後の値である。収集量は三倍になっていたが、溜まっている魔素の量は約九.六%であった。
「前よりは増えたけど全然足らないな」
「どれくらいでいっぱいになるんだ? お前計算出来るか?」
「分からん」
「俺も分からん」
インプ達は簡単な計算は出来るが、収集出来た量から一日当たりの収集量を計算したり、何日後にはどれくらい溜まるという予測を立てる事は出来なかった。
「でもこれ以上はバーを下げられんし、待つしか無いだろう」
指揮官インプは不安であったが、出来ることも無いため待つこと以外出来なかった。
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本国に帰ったインプ達は、上官に今回の事を正確に伝えた。
「なるほど。しかし全部使ってしまったのか…。まあそれだけの数を人間に向けたのだから、国の一つくらいは滅んでいてもおかしくないかもな。しかもあのデルタ大陸だし。
報告を待たずに魔物を作り出したのは良いと思うぞ。良くやった」
「へへー。ところで新たな要員の配置はいつになりますか」
「今はベータ大陸、チャーリー大陸の攻略に集中しているためデルタ大陸に割ける要員は居ない。次の定期派遣は五年後だったか、五年後で良いんじゃないのか?
どうせ魔素が溜まるのに三年以上掛かるし、満タンに成りそうだったら魔物を作り出すだろう。最初に派遣していた者が全員死亡していたのは気になるが、デルタ大陸に回す余裕がないからな。全員死んでまた魔素が溜まり続けたら勿体ないから、三年後に派遣するか」
上官はデルタ大陸の脅威度を低く見積もっており、優先度は低いため新たな指揮官や要員を派遣するつもりがなかった。
魔族の中ではマティアス達が住んでいる大陸をデルタ大陸と呼んでいた。魔王が住んでいる大陸をアルファ大陸、それ以外の大陸をベータ、チャーリー、デルタと名付けていた。ベータとチャーリは、人間と魔族の間で激しい戦いが行われている。
特にベーターとチャリー大陸では人間達の技術が進歩しており、蒸気機関が発明され鉄道が整備され始めている。また黒色火薬による武器も使われるようになって、普通の農民でも兵士として活躍出来るようになってきた。激しい戦争は何百年も続いているが、結果的に激しい戦争でも生活が行えるような体制ができあがってしまった。
そんな状況であるため、人間の技術発展度が低いデルタ大陸は脅威度が低いことから、魔物を使って人間の発展度を阻害する行動に専念し、積極的な侵攻は行っていなかった。
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「新たな要員が来ないな」
「いつになったら来るんだギギギ」
同僚たちが帰還して七ヶ月が経過したが、誰も派遣されてこなかった。
「うーん、最近体の調子が悪い」
「俺もだ」
「ギギギ。とはいえ食糧の調達をしないと」
砦に残っているインプ達は皆体調を崩しており、生活するのにも苦労するようになっていた。日々の食料調達するのにも苦労している。そのため新しい要員が派遣されるのを待ち続けていた。魔素の蓄積は十二万となり四十%ほど溜まっている。
7/25 魔素残量の計算間違ってた。もっといっぱい溜まってたので修正しました。
ギギギ、魔族の体調が心配ですね。
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しばらく更新が止まります。
話を追加しており、公開後に書き換えるのはちょっと大変だから、
ストックが十話くらい溜まってから再開かな。




