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ユニークスキル<ゲームにログイン>で魔王退治  作者: ぐわじん
1章 異世界転生

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01-04 告白

父ティーモ、母ハンナ、兄ニコラス、姉ミア、主人公マティアス(愛称マティー、マティ)

「どういうことだい?」

 ティーモは理解できず、マティアスに再度説明を求めた。


「生まれる前に神様に会った。魔王を討伐するために生まれて来たんだ」

 説明するも二人が驚き戸惑っているのが分かった。マティアスは様子を見計らって、少し落ち着いたのを感じ取って再度説明を続ける。


「魔王を討伐するために特別なユニークスキルを貰っている。その一つがこれだよ」

 そういって、アイテムボックスから自分の背丈と同じ位、約七十cmの樽を四つ出した。マティアスに開けるように促されて中を確認するとハムとソーセージと麻袋が二つで、麻袋の中身は小麦と大麦であった。


「これは一体? どこから出たんだ。これは食べられるのか?」

 ティーモは驚きながら、ハムの匂いを嗅いだり突いたりしている。


「アイテムボックスというスキルで物を出し入れすることが出来る。ソーセージは食べることが出来た。他は食べられるかどうかは試してみないと分からないけど多分食べられると思う」


「…。出し入れするのは置いといて、という事はどこからかこれを持ってきたということか?」


「そうだね。夢の中で働いて、その対価として貰えるものだと思ってくれたら良いかも」

 マティアスはゲームという概念を説明するのは困難だと思い、寝ている間にしていることは夢の中と話した方が理解を得られると考えた。


「夢の中で働く? どういうことだい?」

 ティーモは混乱し続けている。


「それがユニークスキルなんだ、夢の中でこれらを手に入れて、それをこの世界に具現化出来る」


「具現化…。どこでそんな難しい言葉を覚えたんだ」


「待って。マティーあなたが殆ど夜泣きやぐずりをしなかったのは、寝ている間に働いていたの? こんな小さな子供なのに?」

 ハンナは涙をこぼしながらマティアスを抱きしめた。


「大丈夫だよ。働くといっても遊びのようなものだし。夢の中だから疲れたりしないしね。それに魔王を倒すために私は強くならないといけないんだ」


「魔王を倒すなんて可能なのか? 魔王なんて神話の中の存在なんだよ。物凄い昔から人は魔物と戦っているんだ。そもそも本当に魔王が存在するかも分からないし、居場所だって分からないんだ」

 ティーモは魔王の存在さえ確認出来ていないことを伝えた。ここフランク王国は他国と国境を接しておらず隣国は別の国との戦いで滅んでいた、滅んだ国にあった街や村の一部は戦争の相手国とフランク王国によって統治されたが、統治するには遠すぎて不便な小さな村や町は、点在して独自に生活圏を築いている。

 フランク王国以外で把握している国の数は五か国だけで、大陸の大きさや広さ、他にどれくらい人類が生存しているのかも分からなかった。長い争いの中で魔族や周辺に関する情報は欠落していた。


「正直勝てるかどうかは分からない。でも始めてみない事には結果なんで出ないし、諦めたら始める前から終わってしまう」


 ティーモは息子の決意に感心した。


「そうかお前の決意は分かった。よし俺らも協力しよう、良いよなハンナ」


「ええ」


「じゃあ早速この食材が食べられるか確認しよう」

 一旦樽を回収してキッチンについてから再び樽を出した。ティーモはハムを切って自ら食べる。しかし一口かじって咀嚼(そしゃく)をしている口の動きが止まった。


「うっ…」


「あなた! しっかり!」


「うまい!」

 思わずハンナはティーモの背中を平手打ちした。怪我をしているので想像以上にダメージがあり顔を歪めた。


「すまん。でもこんなに旨いハムは初めて食べた。ただまだ危険性が無いと判断出来ないから明日まで待ってくれ」

 そういって今度はソーセージを食すと同じ事を行って、再びハンナに背中をはたかれていた。ハンナも食べたかったがティーモのいう事はもっともなのでその日は我慢した。また小麦と大麦も石臼で挽いてふるいにかけた後、パンの種(酵母が含まれている小麦粉と水を混ぜた物)を加えて塩と水を入れて捏ねた後、明日の朝まで放っておく。


 翌朝の朝食では普通のパンを食べたが、その後小麦粉で焼いたパンと大麦と小麦を混ぜたパンを焼くと香ばしい匂いが家中に充満した。


「お父さんだけずるい! なんで違うパンを食べているの! ずるいずるい!」

 ミアは匂いにつられて食堂にやってきた。


「ミアだめだよ。このパンは安全を確認してからじゃないとあげられないんだ。夜まで我慢しておくれ」

 ティーモはミアを何とかなだめるが、ティーモが一口食べたところで美味しさで破顔させてしまい、それを見たミアはしばらく駄々をこねていた。


 その日の夜には厚切りのハムとソーセージに、小麦パンとブレンドパンが出されてみなその味に感動していた。


「こんな美味しいパンを食べたのは初めてだよ」

「こんなのを日常的に食べていたら普通のパンが食べられなくなるかも」

「ハムがこんなに厚く切ってある! 今日は何のお祝いなの?」

 ティーモ、ハンナ、ミアはそれぞれ物凄く美味しそうに食事をしていた。マティアスも小さく切ってもらったハムやソーセージを美味しくいただいた。

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