02-06 猜疑5
父ティーモ、母ハンナ、兄ニコラス、姉ミア、主人公マティアス(マティー)
姓アイヒェンドルフ
フランク王国第三王子タビー
原木放り投げてた六人、率先して下に降りて戦った兵士、マティアスの護衛
兵士:アベル
兵士:バメイ
兵士:エアニー アベルの弟、ルイーサの彼氏
兵士:イエーガー 弓が上手い
兵士:ルイーサ バメイの妹、エアニーの彼女
兵士:ウルマー 狼の征服者という二つ名を持つ
その夜、ティーモとマティアスはタビーと文官と食事をすることになった。タビー達はティーモ宅に泊まり、明日は砦と魔の森方面の視察を行い、明後日には王都に帰還する予定である。
「大した物もなく申し訳有りません」
「いや、ここは最前線である、物が無いことは承知している。鹿肉のハムだって貴重だろうに…心遣いに深く感謝する。このワインは差し入れだ。ぜひ飲んで欲しい」
ティーモは謝罪するがタビーは構わない旨を伝える。出されているものは、狼肉のシチューと柔らかいパン、かぶのピクルス、それと鹿肉のハムが五切れ。
マティアスの料理だけは全て専用食になっている。味付けは全て薄味になっており、全て細かくカットされていた。ハムを一欠片を口に含むが、顔を歪めた後はそれ以外の物を食していた。
「マティアスはハムは嫌いかな?」
タビーは優しく語りかけた。
「きらい」
「美味しく無いのかな?」
「まずい」
マティアスはタビーへの対応を少し軟化させて、単語程度の会話をするようにした。王家の人と関係を築くのも大事だと考えており、普通の小さな子供であるフリは継続する。
「解体作業はさぞ大変だったのであろう。皆、服が血で汚れて…服は大丈夫か?」
タビーは兵士や村人の服装を見て、苦労したことが十分に想像出来た。何かしらの支援をするべきではないかと考えていた。
「ありがとうございます。そちらは大丈夫です、何かしら支援をしようと思います。幸いにも魔石が大量に手に入りましたので、しばらくは物資の購入には困らないと考えております」
ティーモは王家からの支援をやんわりと断った。
夜も更け、寝室ではマティアスとティーモが小さな声で今後の対策について共有を行っていた。マティアスが与えようと思っていた服は質が良すぎて、かつデザインも独創的であり、とても村人が着るようなものではなかった。代わりに麻生地一反を与えることにした。麻の服は村人が普段着ているもので、通常は周囲から採集をしてくるか、外の畑で育てて収穫し、それを糸にしてから生地にしてそれを自ら仕立てるのが一般的であった。
また亜麻を育てる場合、連作障害を回避するため七年は開ける必要があり大量に作ることは難しかった。そのため親から子供に服を受け継ぐことが一般的であった。そのような大事な服が血で汚れてしまった事は非常に申し訳ないとティーモも感じていた。他にも今後の計画や対応について協議を行い、それは深夜まで続いた。
翌朝簡単な朝食を済ませた後、砦の視察が行われた。タビーの質問にティーモが応えていく。
「ほう。門は鉄板で補強されているのか。これなら簡単には破られんな。塀もところどころ二重化しているのも凄い。また下の部分が石で上が木材という構造も珍しい。
なぜ木材と石材を組み合わせているのか? また全てを二重化は出来ないと思うがどのように考えて補強しているのか?」
「はい。魔の森側から攻めてくることが多いため、そちら側だけ強化しております。魔物の多くは背が高くないので、地面に設置している部分は固く、直接攻撃し難い場所は木材で行うことで工期を短くしています。
また塀の外側は突起のある柵を用意して簡単には塀に近づけないようにしておりますが、どうしても攻撃しやすい場所というものが発生します。あえて隙をつくり、敵をその箇所の集中させて戦う場所を限定させる効果を狙っています。仮に塀を破ってもその先に石の壁があれば、相手の戦意を挫く効果も狙っております」
「なるほど。よく考えられておるな」
マティアスとティーモは想定問答を用意しておいた事が役にたった。その後一行は門の外に出て、作りかけの石壁のところまで進んだ。
「これらはまだ作成中か。こちらは石壁となる予定か? 高さは二十mと、ふむ、堀を設けることで必要な石材の量を減らすと、なるほどなあ。ただ掘る方が大変そうな気もするが。ただここに水を貯めるなら攻めにくさは上がりそうだな。
今の砦よりも大分広範囲に作るのだな、これは将来を見越してか? 一体何年後になるかは分からないが、完成した暁には是非見たいな」
「幸いにも先日の戦いで土魔法が使える者が増えた事、また多くの魔物が攻めてきた際には木製の塀では心もとないので造ることを決意しました」
「少し低い位置にも狭間があるのだな。これだと相手から狙われないか?」
「そうですね。ただ相手が今回のような狼や熊などであれば、道具が使われることもありませんし、危険がある場合は塞いでおけば問題ないかと考えています」
「今は国の東側の開発に重点を置いているから、南西のこの砦は何十年かは最前線になるだろうし、今回の対応は無駄にはならないだろう」
更に魔の森に向かって進んでいく。魔の森の入口というには、切り株だらけで伐採したばかりの木が大量に横倒しになっており、倒れている木は六千本を超えていた。
「これは以前から伐採していたのか? えっ!? 討伐後にか? 魔石の取り出しで苦労していたと思うのだがそんなに早く伐採出来るものなのか?」
タビーの質問に対して、兵士の一人が木の側まで小走りで向かい、斧を軽く振るうと木の半分位まで刃が入り込んだ。更にもう一振して木に対して楔形の切り込みが入った。再度もう一振すると木が横倒しになった。明らかに力を抜いて作業しているのが傍目でも分かる。
「凄い!」
タビーはそれを見て感心していた。先程の兵士が更に隣の木に向かって、力を込めて斧を振るうと一回で木材が切断された。ただ衝撃で斧も折れてしまった。倒れてきた木が兵士に向かうが兵士は片手を倒れてきた木に当てて、別方向に押しやってそれを防いだ。
「何という!」
「皆、先日の戦闘で死線をくぐり抜けており、一回で木を伐採することが可能です。ただ木材や斧が損傷するので先程のように三回に分けて伐採します」
守備隊長は伐採作業が進んでいる理由を説明した。十二日の伐採作業で五haヘクタール(横五百m奥行き百m)、本数にして六千百本程伐採していた。
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他の作品もよんでちょー。




