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ユニークスキル<ゲームにログイン>で魔王退治  作者: ぐわじん
1章 異世界転生

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01-20 最終局面

父ティーモ、母ハンナ、兄ニコラス、姉ミア、主人公マティアス(マティー)

 二重門の間にいる狼は十匹、砦の門の前で煙に遮られてウロウロしているのが十匹、塀に向かって突撃しているのが三箇所で約八十匹ほどいた。門に対する衝撃がないため、石油を燃やしたことによる妨害行為は有効であると判断した。


「マティー、塀の後ろに石材で壁を作ってくれ!」


「分かった!」

 マティアスは急いで歩廊から降りて、破られそうな塀の後ろにある壁の更に後ろに石材だけで壁を作っていく。石材を横に二十列、高さ三十列、物凄い勢いで積み上げていき一時間程で石材の壁が出来あがった。自分の身長よりも高い石材にジャンプして、難なく作業していく姿に皆驚いていた。


 ティーモは石油の残りを布にかけ、青銅をおもりにして門の前にいる狼に投げつけた。火が布に燃え移り、狼は達は煙を嫌がって他の狼がいる場所に向かった。


 塀の下部に穴が空いたが、その裏にある石材と木材の壁に阻まれて先に進めなかった。狼達は噛み砕いたり引っ掻いたりして、塀の穴を上に広げようとしていた。


「もう投げるものが無いぞ」

 兵士は周囲に投げるものがなくなって、少し離れた場所に置いてあった青銅を取りに向かった。投げるものが殆ど付きてしまい、残った狼を排除するペースが落ちてきた。


「坊ちゃん、もう投げるものがありません!」

 上官に訴えるのではなく、みなマティアスなら何とかしてくれると信じて、つい頼ってしまう。


 マティアスは積み上げた石材の上に木材を通路のように置いて歩廊まで戻ってきた。そしてアイテムボックス内にある物資を物色する。


「あのー先日回収した木とかありませんか?」


「え? 重いよ、一トン位あると思うけど」


「いや、なんか強くなった気がして、投げられそうかなって。そこを何とか、じゃあ念のため五、六人で投げるってのはどうですかね?」

 兵士の一人が投げるものが無いなら原木を投げたいと進言してきたため、試しに歩廊の上に置いて持たせてみる。少しだけ持ち上がって、周囲の人たちを驚かせた。


「これ五人位で投げれば行けると思う。皆手伝ってくれ」

 幼馴染や同僚の兵士達六人で一トン以上ある原木を持ち上げて、タイミングを合わせて放り投げた。投げた原木は狼に直撃して一匹を潰し、跳ねた原木に巻き込まれて一匹の狼が空中に投げ出された。そして柵に激突して柵は壊れ、狼も瀕死の重症を負っていた。


「これなら行けると思います。次もお願いします」

 兵士の催促に従って原木を出し、そして原木を投げつけた。一度に倒せる数は少ないが、それでも青銅のインゴットを投げつけるよりかは効果が高かった。


 五回ほど繰り返したあとにそれが起きた。投げる際に籠手に木が絡んで、木材と一緒に歩廊の上から一人の兵士が落ちていった。


「「ルイーサ」」

 落ちた兵士の名前を叫んだのは、彼氏のエアニーと兄のバメイだった。幸いにも落ちた先には狼の死体があり、そのお陰で杭が体に刺さったり、骨折するような事は無かった。ただ付近の狼達は眼の前の獲物に気づいて、一斉に襲い掛かってくる。

 ルイーサは飛びかかってくる狼の顔面を横から殴り飛ばして、近づけさせなかった。

 エアニーは歩廊の上に残っていた槍を拾って、狼の上に向かって飛び降りた。槍が狼に深く刺さり衝撃で柄が折れたが、そうすることによって衝撃が分散されて、怪我なく地面に降り立つ事が出来た。そして剣を抜いてルイーサの少し前で剣を構える。

 またバメイも同じタイミングで盾を拾って狼の上に飛び込み、狼は潰され、本人は大怪我すること無く降りることに成功した。パメイも腰につけた剣を抜いて狼達を牽制する。


「なんで! こんな危険な」

 ルイーサは二人が自分のために危険を犯したことを責めようとするが、その間にも狼が飛びかかってくる。エアニーは跳んできた狼の顔を剣で薙ぎ払うと顔が潰れて即死した。ただ質量は残っていたため狼の体がエアニーに当たるが、体勢を崩すこと無く死体を地面に押し返した。

 他の狼がパメイの足元に向かって噛みつき攻撃を行うが、剣で狼の頭を切り落としてそれを防いだ。また横から狙っていた狼の前脚に矢が刺さり、その機先を削いでいた。


 歩廊の上にいた他の四人中三人は歩廊の上で何かを拾って下に降りようと視線を周囲に向けていた。


「待って! 危ないから縄を使って。それとこれ革鞄、ここに傷薬と煙玉と解毒剤入れておくから」

 マティアスは縄や鞄などを出して、それに必要な物資を入れて全員に手渡ししていく。三人は物資を受け取り縄を使って下まで降りていく。一人の兵士は受け取らずに弓を構えては上から射っており、正確な射撃で狼に致命傷を与えていた。


「おまたせ!」

「待った?」

「ハッ(剣を振って気合を入れた掛け声)」

 上から降りてきた三人、アベル、パメイ、ウルマーは、それぞれ空いているスペースを埋めるように前に出て狼と対峙する。


「みんな! ばか! でもありがとう」

 ルイーサの目には涙が滲んでいた。落ちていた木片を構えて隙があれば支援攻撃を加えていた。

 矢を打ち尽くした兵士イエーガーも先程の鞄を拾って縄を使って降りていった。


「強くなったと思ってたけど、本当に強くなっているな。俺達も戦えるじゃないか?」

 歩廊の上に居た他の兵士も降りて戦おうと思い始めた。エアニー達は善戦しており、十匹の狼を戦闘不能にしていた。


「よし! マティー。その傷薬のセットを作ってくれ。受け取った者から下に降りて戦うぞ!」

 マティーは机を取り出して、その上に傷薬、解毒剤、革鞄を二十個ずつ置いて、少し横に移動して同じ事を三回繰り返した。兵士たちは自分で必要な物を詰め、縄を使って下に降りていく。


「マティー、こっちは何とか成りそうだから。下に降りて門の補強を頼む」


「分かった」

 マティアスは縄を取り出して歩廊の上に括り付けると、手にグローブをはめて、縄を背中から前に回した後、右手に縄を掴んで少しずつ降りて行った。走って降りるよりも早く降りることが出来た。それを見ていた兵士や村人達はその技能に驚いていた。


 マティアスが門の前に到着する寸前、眼の前の土が盛り上がった。

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