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ユニークスキル<ゲームにログイン>で魔王退治  作者: ぐわじん
1章 異世界転生

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22/22

01-21 最終局面2

父ティーモ、母ハンナ、兄ニコラス、姉ミア、主人公マティアス(マティー)

アイヒェンドルフは姓です。

 マティアスの眼の前で土が大きく盛り上がり、その中から狼が顔を出した。狼は顔や体に付いた土を払うように体を大きく振るうと周囲に土が飛び散った。


「うわっ」

 マティアスにも土が降り掛かってしまい思わず声を上げる。その声を聞いて狼はマティアスに狙いを定めて噛みつこうとする。マティアスは避けるために飛び込み前転をして避けるが、起きた場所に狼が再び噛みつこうと突っ込んでくる。マティアスは体を横に捻って転がりそれも避けた。


「坊ちゃん!」「マティアス様!」

 村の老人達が槍で狼のお尻を刺すと、狼は苦痛の鳴き声をあげた後、標的を老人達に切り替えた。

 マティアスは片手剣を取り出し思いっきり振り抜くと、狼の背中から腹に掛けて剣が抜けた。硬い皮に負けること無く体の右半分、上から下に刃が抜け、肉や臓器まで切り裂いていた。


「キャイン」

 あまりの痛みに狼も苦痛の声をあげて、後ろ足が地面に付いた。


「え?」

「は?」

「うぉ」

 マティアスはその威力に驚き、老人達も狼に狙われていて死を覚悟していたのに、いきなり狼が弱った事に驚いてしまった。

 狼は再度マティアスを噛みつこうと顔を突き出すが、マティアスが剣を横に薙にすると狼の下顎を切断した。次は振り下ろして顔を2つに割ってしまう。そして狼はその場で事切れた。


「坊ちゃん大丈夫ですか?」

「凄い、強い…」

 老人達は心配し、またマティアスの強さに驚いてた。ガサガサという音が聞こえて視線を動かすと、先程の穴から別の狼が出てきた。


「はあ!」

 マティアスは一瞬で間合いを詰めて剣を振り下ろすと、首が切断されて、狼はその場で倒れた。更にその後ろに居た狼は死んだ狼が邪魔になったため、穴を横に広げて別の場所から飛び出してきた。

 マティアスは急いで迎撃に向かう。一刀で足を切断し、狼は顔で攻撃を牽制するが返す刀で顔の上半分が切断されてその場で倒れる。


 続々と狼が出てくるがマティアスや老人達の攻撃で倒されていった。倒した狼は八匹で、残りは二匹と思われた。歩廊の上に声を掛けて門の中を覗いてもらうと、二匹の狼が横たわっているのが確認出来たので、門内の狼は全て倒していた。


 門の外では兵士たちが狼相手に善戦している。怪我を負う兵士がいても傷薬で回復することで死者を出すこと無く対応出来ていた。兵士たちは死線をくぐり抜けたことで相当強くなっており、遠距離で戦うよりも早く倒すことが出来た。


「勝ったぞ! 勝ち鬨をあげろー!」

「「「「うぉおおおー」」」」

 ティーモは勝利宣言を行った。門の外にいた狼達も全て倒されて、狼達との戦闘は終了した。本来ならば勝てない戦いであった。塀に囲まれていたが進化した狼の攻撃には耐えられない。またこの砦を無視されて先の村や街に進まれたら、他の村は全滅してもおかしくなかった。敵をこの砦に引きつけられた事は物凄い幸運であった。


「外に行く人は、金属製のブーツと皮のグローブを装備してから!」

 マティアスは装備をいくつか取り出した。外はガラスの瓶の破片や、金属の破片、木片などが散らばっており非常に危険であった。安全のためには必要な処置である。


「これサイズ合わない…合うな、なんで?」

 ゲーム内の装備品は自動調整機能が付いているので、自動でサイズが合うようになっており、皆驚いていた。


 生きている狼がいれば止めを刺し、使える物や狼の死体を回収する。直ぐに夕方になったため全て回収することは出来なかった。明日から数日間は回収作業が主な活動になる見込みであった。

 狼を撃退したことを他の村や隣の領主に伝えるために早馬を出した。狼が攻めてきた事は伝令を使って他の村や隣の領主に伝えていた。援軍を送ったり、対策のために軍を動かしているかも知れないので、問題が解決したことを早く伝える必要があった。



「皆よくやってくれた。歩哨(ほしょう)につく者もいるため、今日は酒を振る舞うことは出来ないが、食事を大量に用意した。みなお腹いっぱいになるまで食べてくれ」

 ティーモは皆に料理を振る舞った。マティアスが持ってきたものではあるが領主からという名目で行っている。

 ハム、ソーセージはもちろんのこと、ゲーム内で調理スキルのレベル上げで大量に余っている料理も提供した。ゲーム内で作成した料理はどれも美味であり、全員に喜ばれた。


 翌日からは死体や資源の回収を行った。全てをマティアスが回収することは出来ないため、数十m間隔で集積所を用意し、素材や死体などを種類別にまとめていた。マティアスはある程度まとまった物をアイテムボックスの中に収納して行った。


 本来ならばベシュッツァー(砦の村の名前)で防衛体勢の立て直しを行いたいところであるが、他の村の管理や隣の領主を通じて王家にも今回の件を説明する必要があるため、ティーモは館に戻る必要があった。


「父さん。僕がここに残ってここの守備体勢を立て直すよ」


「でも、お前に何かあったら心配だ。それに人類の損失だぞ」


「大丈夫、黒色狼とも対等に戦えたし、体力があるのは見てたでしょ?」

 マティアスは資源や死体の回収するために、走りながら回収を行っており、食事以外では殆ど作業を行い続けていた。ティーモもその姿を見ていたため、また普段や今回の戦でも優秀であったため、信じて任せることにした。


「アイヒェンドルフ様。俺達が守ってみせますよ」

 先の戦いで善戦したエアニーが力強く宣言した。


「絶対に守ってみせます」

 ウルマーや、同僚たちも皆声を出して意気込みを伝えた。


「ああ任せたぞ狼の征服者。頼りにしているからな」

 ティーモはウルマーの肩に手を置いて伝えた。ウルマーは狼を二十匹倒して”狼の征服者”という二つ名がついていた。マティアスのことを託して館に戻って行った。

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