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ユニークスキル<ゲームにログイン>で魔王退治  作者: ぐわじん
1章 異世界転生

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01-16 凶暴化再び

父ティーモ、母ハンナ、兄ニコラス、姉ミア、主人公マティアス(マティー)

 狼達との戦闘は大きな被害が出ないまま順調に推移していた。当初三十万匹居た狼も今では三万匹まで減少していた。


「この調子なら、あと二、三日で倒せるんじゃないか?」

「ああ、行けるな」

「何とかなったな」

 兵士たちは夕飯を食べながら談笑していた。


「でも死体が残っているのが気になるよな」

「あと二、三日で片がつくだろうし、そしたら回収すれば良いだろ」

「まあ、そうなんだけどさ。でも怖いんだよなあ」

「お前、マティアス様に」

「ちっちがうよ! そうじゃない。不安だからさ片付けたいなって」

 このまま何事もなく推移すればこの戦いに勝てる見込みが出てきた。だからこそ不安要素である死体の処理が気になっていた。皆マティアス様なら回収出来ると考えてしまうが、小さな子供に対してそのような事をさせるのは間違いだとも思っていた。


 日が昇り、狼達がまた砦に向かってくるのが見えた。


「狼が来たぞ! 火縄銃構え! 打て!」

 砦まで肉薄してきた狼に火縄銃で攻撃を加えるが、一発当たっただけでは倒れず、そのまま砦に向かって突進する。走ってくる狼の体が発光し始め、発光はまたたく間に全ての狼に伝搬していった。


「凶暴化だ!」「嘘だろ!」「チクショウ!」

 有利に進んでいた状況から、突然の状況変化で兵士や村人達に動揺が走った。


「落ち着け! まだ負けていない。塀も機能しているし、十分に戦えている。着実に一匹でも多くの狼を倒すんだ!」

 ティーモが浮き足立つ兵士達に発破をかける。


「火薬樽を落とせ!」

 兵士は声を出して自分自身のやる気を回復させ、それに呼応して周囲も声を出して気力を回復していった。


 門の中に入った狼は昨日よりも早い速度、少ない跳躍回数で歩廊の上に上がってくる。空中で叩き落とされた狼も直ぐに体勢を整えて、再び跳躍を再開してきた。

 凶暴化した狼の攻撃を受けて弾き飛ばされる兵士や村人たちを見て、ティーモは方針を切り替える。


「門を塞げ! 塞ぐんだ!」

 ティーモは門の隙間を防ぐため指示を出す。その指示を受けた兵士が縄を切断すると、鉄板で補強された木材が落ちてきて隙間を塞ぐ。しかし、それは落ちきっておらず狼の死体が挟まっていた。


「マティー!」

「分かった!」

 マティーは複数個の石材を二重門の空間に落としていき、隙間や中の狼達を潰していく。歩廊の上に残った狼達も着実に倒して一旦体勢を立て直す。


「怪我をしたものは傷薬を使え! 死んだら助けられん、躊躇(ちゅうちょ)せずに傷薬を使うんだぞ!」

 ティーモの指示により負傷した兵士や村人達は傷薬を使った。深い傷を負っていた者も傷が塞がって、自身や眼の前で起きた奇跡に驚いていた。


「回復魔法よりも凄いぞ」「勝てる! これなら勝てるぞ!」「本当に凄い!」「マティアス様万歳!」

 ここ数日優位に推移していたため重症者が出ていなかったが、傷薬の効果が改めて認識されることになった。


 狼達は門に集中攻撃を加えていた。突進力が強く、門の耐久度がもの凄い速度で削られていった。ドンシ、ドシン、バキッ、ミシッ、と激しい衝突音や損耗する音が周囲に響いた。


「このままだと門が破られるぞ」

「煙玉を投げ込め!」

 兵士たちは塀や門の前に煙玉を一斉に投げ込む。若干狼達の攻撃は怯んだものの、突撃は継続されていた。


「マティー、中の石を退けられるか?」

「中に入れれば回収できるけど、歩廊の上からじゃ無理だよ」

「分かった降りるぞ!」

 ティーモはマティーを脇に抱えて、歩廊の上から門の内側に飛び降りた。狼達が見せた跳躍とは逆に、壁を蹴りながら石材の上に到着した。マティーは石材や狼の死体を回収する。


「石材を門の前に四列並べておいて、奥行きは二列、それを歩廊の上まで積み上げてくれ」

「分かった」

 マティーはティーモに担がれたまま石材を取り出して配置していく。石材の上に乗りながら、少しずつ積み上げて歩廊と同じ高さになる積み上げていった。横四列、奥行き二列、縦三十列、計二百四十個の石材による壁が出来た。


 積み上げ作業とほぼ同時に門が破壊された。狼達は石材の壁に衝突するが破損することなく狼の攻撃を耐え凌ぐことが出来た。崩れた門の残骸を足場にして歩廊の上まで跳躍しようとする狼が出てきたため、ストックされていた防護用の柵を横向きに配置した。歩廊から外に向かって置かれた横向きの柵がネズミ返しのような効果を発揮し、歩廊の上には上がってこれない状態を作り出した。

 

 石材への突撃も続いているが、そちらよりも塀への攻撃が激しくなってきた。塀の下部には外向けに尖った杭が複数本出ており、塀に向かって突撃すれば自ら死にに行くような形になるため当初は攻撃されなかった。しかし今は命も惜しまずに突撃しており杭の上には狼の死体が何体も積み重なっているため、塀に突進しても死傷する狼の数は減っていた。


「このままだと塀が壊れるぞ!」

「どうすりゃ良いんだ!」

 石材を使って新たな塀を作るにしても砦全体を囲うほどの石材もなければ、そんな時間的な猶予も無かった。全員が危機感に駆られるなか一生懸命打開策を考えていた。

ブックマーク、評価、イイネ、などモチベーション維持のため、よろしくお願いします。

0ポイントが続くとやっぱ続けられなくなっちゃう


次の話待っている間、少し時間を持て余しているよという方は、以下も読んでくれると嬉しい。

遭難から始まる国造り 魔法が使えるのは私たちだけ? 遭難して言葉も通じないけど何とかなりそう 120話保証

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