01-14 対策会議
父ティーモ、母ハンナ、兄ニコラス、姉ミア、主人公マティアス(マティー)
塀の修復や補強に利用出来そうな物としては、回収した原木、交易品の鉄板、鉄のインゴット、石材、木材が考えられるが、原木や木材では壊される可能性が高い。
鉄板や鉄のインゴットは丈夫であるが、村全体をカバー出来るほどの量も無い。また既存の塀を補強するにしても木材に鉄を接続する方法は釘で打ち付ける位しかない。大きめの釘を大量に用意する必要があり、それらも簡単ではなかった。
塀の内側に石材を積み上げるのが一番効果が高そうだと考えた。石材は一辺が一mの立方体であり、狼の跳躍を考えると少なくとも二十五mの高さは用意しておきたい。現在石材の在庫は千個ほどで、それを二十五個で積み上げると考えたら四十m分しかないことになる。
石材は北欧の二都市でのみ販売となっている。工業品取引スキルを持っていても一回で購入できる数は百個程度である。購入後は在庫切れになるため、在庫を復活させるにはリアルで三時間経過するか、購入した港以外の港五ヶ所で交易品を売買して復活させるかの二通りである。三時間待つのは時間の無駄なので、港を六ヶ所巡るのが最短であろう。
熟練度が高い人土魔法の使い手が同程度の石を作成するには、多い人でも一日に二、三十個程度である。塀の補強にはそれくらいしか案が無いため、石材の大量購入と石魔法による生成で取り組むことにした。
「父さん。齧ったり、引っ掻いたりで攻撃される箇所は下の方だけだよね? 例えば、下三列を石材にしてその上を木材にしたらどうだろうか? それなら少ない石材でも多くの場所を守れるのではないかな」
「確かに。凄いなマティー、そうしよう」
マティーの案が採用され、下二段を交易品の石材とし、上二段が魔法による石生成で作ることにした。通常であれば木材を地面深くに埋めて固定するが、今回は石材の上に木材を起き、それを魔法生成した石で固定することで倒れないように工夫した。
門は二重構造となっており、村の外側にある門の耐久度が大分弱くなっていた。門の横幅は四mあり、扉は内側に向かって開く形式である。その内側は十mほどの空間があり、更に次の門が備わっていた。
二番目の扉の内側を開けないように石材と木材で補強してしまうと外に打って出る際に邪魔になりかねない。なので二番目の扉は鉄で補強して、簡単には突破できないようにした。
死体の回収は、あえて門から侵入させた狼を倒して死体を回収する案と、夜になって狼が森に下がったタイミングで門の外に出て回収する案が出たが、大量に回収するにはマティーが必要不可欠であり、万が一マティーを失った場合の損失を考えると、おいそれとは採用できない案であった。
「将来的には一定間隔毎に全て石材で出来た石壁にしたいなぁ。ただ石材が足りなすぎて今は出来ないけど」
マティーは独り言を言いながら、壊れそうな壁に沿って石を配置していった。その横では木材と縄を使って互いに結びつける作業を村人たちが行っていた。
アイテムボックスから石を出して積み上げる作業はマティーが行うのが一番効率が良く、ゲーム内で石材を購入することが出来るのはマティーしか居ない。現実での時間、ゲーム内の時間、睡眠時間も必要であり、マティーの負荷が高いのが一番の問題であった。
それでも被害の大きそうな場所を中心に百m程の補強塀を作成することが出来た。
「じゃあ、ちょっと仕入れに行ってくるから。何かあったら起こして。魔力回復用のピタパンとパウンドケーキを置いとくね。パウンドケーキは魔力回復以外にも疲労回復効果があるから疲れた人が食べると良いよ」
マスト用の布を敷いたあと、交易品のニットを何枚も引いて、その上にパンやパウンとケーキを山のように積み上げた。村人全員の一日分の食事量を超えるほどの物資に周りは驚いていた。
夜になり狼たちが森に引き上げていった。茶色狼の数は約八万匹まで減ったが倒す速度は昨日までと比較した場合明らかに遅くなってきていた。とはいえまた一日防衛することは成功した。
マティーは石材と木材を効率良く買い集め、一時間半掛けて二箇所の港で石材を四箇所の港で木材を購入した。それを三巡したところで切り上げたが、石材約六百個、木材約千四百個買うことが出来た。
翌日、村人たちは木材を縄で結び塀の形に仕上げ、出来上がったものは一旦マティーが回収して塀の増産に取り組んだ。
「塀がやぶられたぞ!」
弱っていた塀を攻撃して狼が入れる位の隙間が出来た。が、木材の壁を抜けると直ぐ目の前が石で覆われており、それ以上前に進むことが出来なかった。
「大丈夫だ防げているぞ」
歩廊の上から下を覗いたが、そもそも隙間がほとんど無いので入り込む余地は無かった。
ブックマーク、評価、イイネ、などモチベーション維持のため、
よろしくお願いします。
0ポイントが続くとやっぱ続けられなくなっちゃう。




