01-12 凶暴化
父ティーモ、母ハンナ、兄ニコラス、姉ミア、主人公マティアス(マティー)
翌朝、狼たちは再び砦の門の前まで接近し、門や船の船体に体当たりを行っていた。マティーは昨日と同様に樽を転がすための板を五本作成した。歩廊の上から火薬が入った樽を転がしては、火魔法で爆発させて数を減らしていた。
酒精の高いアクアビットを利用し狼を燃やそうとしたが、火が想定外に広がってしまってしまい燃やす範囲を制御できないためそちらは諦めた。
一時間ほど経過し四万匹以上の狼を倒したたところで狼たちに異変が起こった。狼の体が発光しはじめた。弓矢やクロスボウの攻撃に数発余計に耐えられるようになり、体当たりの威力があがり、船や門にダメージが蓄積されてきた。
「凶暴化だ!」「最悪だ」「くそ!」
魔物は凶暴化することが知られており、凶暴化が起きると体が丈夫になり、攻撃も強くなって、狂乱状態で敵を殺すまで攻撃を続ける。
「倒す速度よりも門や壁が壊される方が早そうだ。壁の側面には突起物があるから一番危険なのは門だな」
ティーモは対策を考え始めた。
「父さん。門の上まで連れて行って!」
マティーはそう告げるとティーモは理由を確認するような事はせず、門の上までマティーを脇に抱えて移動した。マティーはアイテムボックスからバルシャ(ゲーム初期に乗る小型船)を出して下に落とした。下に居た狼数匹を潰して障害物となった。それを見て有効そうだと判断したマティーはゲームにログインすることにする。直ぐその場で横になって船を仕入れに向かった。十分ほどで目を覚まし、再びバルシャを二隻落とした。門の前は船で塞がれて直接門を攻撃することができなくなった。
「小さな船を仕入れてきたから、とりあえず門の前を船で埋め尽くすことも出来るよ。船が壊れても破片が障害物になるだろうし。しばらくはこのまま防げると思う」
村の女子供達も戦いに参加した。空の酒瓶に火薬を詰めて栓をしめる。それを歩廊の上まで運んだ。兵士達は火薬が詰められた瓶を思いっきりなげつけると、狼や柵に当たって瓶が砕けて火薬が周囲に散らばった。ある程度火薬が広まったと思う場所に火魔法や火矢で攻撃すると、激しい爆発が起きた。
狼たちは狂乱状態であるため、被害が出ても攻撃をやめることがなかった。爆発で狼が吹き飛ばされて開いた場所が出来ても狼たちは直ぐに場所を詰めてくる。
しばらく砦側の攻勢が続いたが、狼達は火薬入りの瓶を口でキャッチしはじめた。そしてそれを大きく振りかぶって壁に向かって投げつけてきた。
別の場所で爆発した際に発生した火の粉が壁まで届き、壁の近くでも爆発が発生した。幸いにも怪我人は居なかったが、壁の一部が損傷していた。事情を把握出来ていない兵士達は引き続き火薬入りの瓶を投げ続けた。
「瓶での攻撃は禁止しろ! 瓶は投げるな!」
「瓶は投げるな!」
兵士たちの間に命令が周り瓶での攻撃は中止された。そのため狼の殲滅速度は下がることになった。しばらくは火薬の樽による攻撃が続いたが、凶暴化から五時間ほど経過し状況に変化が見え始めた。
「なんか凶暴化解除された個体が居ないか?」
「本当だ。凶暴化が収まっているやつが増えてきた」
「どんどん増えてる」
兵士達は異変に気が付いた。発光が消える狼が少しずつ増え始めたのだ。三十分もしない間にほとんどの狼から発光が消えて、発光が消えた狼達はその場でうずくまったり、倒れたりしはじめた。
「凶暴化って時間が経過すると解除されるんだ」
「大分弱っているぞ。これなら勝てるんじゃないのか?」
「よし、再度火薬入りの瓶を投げろ! 火を放て!」
歩廊の上から火薬入りの瓶が投げられるが、それをキャッチ出来るような元気な狼はおらず、多くの狼が蹴散らされていった。狼たちはその場から逃げるために森に引き返し始める。
狼たちが森に戻るまでの間防衛側の攻勢が続いた。最終的にこの日の戦いで累計九万の狼が倒されて狼の残数は十五万まで減った。当初攻めてきた半分まで減らすことに成功したのは大きな成果であった。
まだ夕暮れまでに若干の時間があったため、門の前の船を回収した後、残っている狼たちにとどめを刺して回った。狼の死体も沢山残っているため、それらも回収する。死体が邪魔で一度に倒せる数が減っていたのだ。
畜舎の豚は全て発狂して死んでいたため、別の豚を出して畜舎に押し込んだが、周囲の血の臭いに恐怖しはじめた。壁に激しくぶつかって、大きな鳴き声を出して暴れていた。多分、翌朝までは持たないと思うが、そのまま放置して砦に戻った。
「矢の残量が尽きたか…二千本など直ぐに使い切ってしまう」
ティーモは副官から矢の在庫が減少している報告を受けた。
「一応折れた矢や使えそうな矢も回収しといたけど、使えそうな矢は二千もないかな。殆どが爆発の衝撃で折れてしまって再利用は難しいと思う」
マティーは回収した矢と鏃や矢羽の部品をその場に出した。部品が沢山あっても、それを矢に加工するには時間が掛かった。
「マティー、矢は仕入れられないのかい?」
「矢は売ってないんだ、火縄銃の弾ならまだまだあるけど。火縄銃も千丁位用意しようか? 火薬も千樽ほど使ってしまったから在庫も増やしておかないと」
「そんなにあっても撃つ人数が居ない。追加で百丁位あれば、弓やクロスボウから転向出来るから百丁程用意してくれ」
「分かった。じゃあちょっと仕入れてくるね」
マティーは、ゲームにのログインした。
銃の数を丁というのは、この世界ではおかしいけど、日本語にしたら丁だし、そこは割り切って欲しい。
書くペースがもの凄い落ちてる。
公開していないから、読者が居ないし、モチベが維持出来ない。
本当ならもっと沢山書き溜めてから出したかったんだけど、モチベが上がらないから全然進まない。
なので公開することにしました。2026/5/27 23時24分に。
多くの読者がブックマークしてくれたら、モチベ上がって書き始めるかも。
待っている間、暇なあなた。ぜひ、私の他の作品を読んで下さい。
代表作は 異世界転生しそこなったけど、スキルは貰えたので現実世界で楽に生きたい
前回書いた作品 遭難から始まる国造り 魔法が使えるのは私たちだけ? 遭難して言葉も通じないけど何とかなりそう 120話保証
↑この作品、転生でも転移でも無く、ゲームの世界や小説の世界でも無く、回帰でも無いので、他と違って差別化出来るかなって思ったんだけど、違いすぎて全然伸びなかった。こちらも読者が増えたら、書くモチベーションが再開出来るかも知れない。




