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この国で一番のドラゴンを決めるレースが始まった。スタートの合図であるワイヤーが持ち上げられ、各ドラゴンが一斉にスタートする。先頭を行くのは2番の王立騎士団所属騎士のデフロス卿のドラゴン、『グリネスブロウト』だ。
そして、9番のマルシュホール男爵のドラゴン、『マハト』が続いていく。さらには6番のブラウスブラド子爵のドラゴンである『ワンダバル』と続いている。
その後ろには去年の優勝ドラゴン1番のラングボルツ侯爵のドラゴン、『アプスラーゲン』を始めとして他のドラゴンが団子状態になっている。これは1番人気である去年の優勝ドラゴン、『アプスラーゲン』を他のドラゴンがマークしているのだった。
第一コーナー、第二コーナーを回って先頭はそのまま2番の『グリネスブロウト』だ。続いて9番の『マハト』さらには6番の『ワンダバル』と変わらずにレースは進んでいる。その後ろには一団となった残りのドラゴンたちが前を追いかけているのであった。
直線に入り、先頭は変わらず2番の『グリネスブロウト』だ。そのあとに9番の『マハト』そして6番の『ワンダバル』と続いている。集団から8番はニューフェルダー伯爵の『ブレンザ』が抜け出して前に出る。続いて4番は王立騎士団の所属騎士であるスタッズ卿のドラゴン、『ハッジカイト』も集団から抜け出してきた。続いて『アプスラーゲン』を始めとする一団がいる。そして一団から少し遅れて最後方に5番の財務大臣のドラゴン『アウスワイヒェン』が走っている。
第3コーナー、第4コーナーと回ってくるがレースは動かず依然として先頭を走るのは2番の『グリネスブロウト』だ。そのあとにドラゴン1頭分の差で9番の『マハト』並ぶように6番の『ワンダバル』と続いている。そしてドラゴン1頭分の差で8番の『ブレンザ』わずかその後方に4番『ハッジカイト』がその後へと続いている。次に『アプスラーゲン』を始めとする集団がいてほんの少し遅れて5番の『アウスワイヒェン』が続いている。
1番注目されている『アプスラーゲン』が多くのドラゴンにマークされて苦しい走りを見せている中、レースは1周目が終わり大観衆の前をドラゴンが走りすぎて多くの歓声が送られている。
レースは2周目を迎え、2回目の第1コーナーと第2コーナーを過ぎていく、しかしドラゴンたちの順位に変動は見られなかった。
コーナーが終わり直線へと差し掛かる。先頭を走るのは2番の『グリネスブロウト』、半身差まで9番の『マハト』と6番の『ワンダバル』が差を詰めている。そしてドラゴン1頭分の差で8番の『ブレンザ』並んで4番『ハッジカイト』が走っている。その後方に『アプスラーゲン』を含んだ集団がばらけずにまだ固まっている。そして最後方に5番の『アウスワイヒェン』が走っている。
今回のレースは『アプスラーゲン』をマークするドラゴンが多いせいかあまり順位の変動もなく淡々としたペースでレースが進んでいる。どのドラゴンがどんな走り方をして勝つのだろうか?僕は今とても興奮していた。
いよいよレースは佳境に差し掛かる。第3コーナーと最後のコーナーである第4コーナーを回る。先頭を走るのは2番の『グリネスブロウト』に追いついて9番の『マハト』と6番の『ワンダバル』が3頭で先頭争いをしている。そしてやや遅れて8番の『ブレンザ』と並んで4番『ハッジカイト』が走っている。『アプスラーゲン』を含んだ集団がペースを上げて前に追いつき始める。そして最後方だった5番の『アウスワイヒェン』がものすごい脚で前をとらえ始めた。
レースは最後の直線に入った。先頭を走っていた2番の『グリネスブロウト』脚は止まり、9番の『マハト』と6番の『ワンダバル』も脚が伸び悩む。8番の『ブレンザ』と並んで4番『ハッジカイト』が先頭を狙うが、1番『アプスラーゲン』、3番の『ルーゾン』が伸びてきている。そして5番の『アウスワイヒェン』の脚色もいい。
そしてゴール前、すべてのドラゴンを振りきって先頭に出たのは5番の『アウスワイヒェン』だった。続いてやや遅れて3番の『ルーゾン』さらには1番『アプスラーゲン』以下に8番の『ブレンザ』、7番の『ベッジオン』、4番『ハッジカイト』、10番の『ポジティオン』、9番の『マハト』、6番の『ワンダバル』、2番『グリネスブロウト』という順位になった。
『アウスワイヒェン』が最後方から一気にまくって優勝した。その脚はまるで前を走っていたドラゴンたちを相手にしてないかのように軽々と抜いて行った。2着に入った『ルーゾン』さらには3着の1番『アプスラーゲン』もいい脚を見せたが、『アウスワイヒェン』にはかなわなかった。
観衆は黄色の帽子5番の『アウスワイヒェン』の優勝にざわめいている。
「黄色だ、黄色が勝った!」
「今年も黄色の帽子のドラゴンが勝ったぞ」
観客は大声を上げて優勝したドラゴンを称えていた。
最終オッズ6.2倍であった。去年の覇者である1番『アプスラーゲン』に人気が集まる中で、予選でも見せたすさまじい脚をもつ5番の『アウスワイヒェン』も少なくない人々が投票券を買っていたのだった。
1着だった『アウスワイヒェン』とそれに騎乗するクリストファーはゆっくりとウィニングランを始めた。そして新たなブレウワルド王国一のドラゴンの誕生に大観衆は大きな声援で応える。そしてウィニングランが終わるとドラゴンのオーナーである財務大臣がステージに登壇し、国王陛下から優勝カップを手渡されたのだった。
「『アウスワイヒェン』を第1回ブレウワルド国王杯の優勝したドラゴンとして認める。ブレウワルド国王杯の名に恥じぬ見事な走りだった。おめでとう」
国王陛下がそう言って優勝した『アウスワイヒェン』を称えた。
僕も今回のレースの『アウスワイヒェン』を称える気持ちでいっぱいだった。道中最後方で脚をためて2周目の第3コーナーから一気にそのためた脚を爆発させて最後は先頭に躍り出た『アウスワイヒェン』の長くいい脚が使えるという強さを見せつける素晴らしいレースだった。
今日の素晴らしいレース振りから今度行われるブレウワルド王妃杯も僕はとても楽しみになってきたのだった




