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本日はドラゴンレース、ブレウワルド国王杯が行われる日だ。王都の民は既に盛り上がっており、レース場だけではなく街中も大賑わいとなっていた。レースの勝利ドラゴンを賭けるための投票券も前売り券だけでもものすごく売れていて、王都の人々のドラゴンレースへの関心の高さが伺われるのだった。
本日出場するドラゴンが紹介される。
1番はラングボルツ侯爵のドラゴン、『アプスラーゲン』だ。去年の建国400年の記念レースを優勝した誰もが知るドラゴンがまたやってきたのだ。騎乗は去年に引き続きラングボルツ侯爵の息子コーネリアスで、今年も優勝を狙っての参戦だ。
2番は王立騎士団所属騎士のデフロス卿のドラゴン、『グリネスブロウト』だ。騎乗はデフロス卿本人である。去年の建国400年記念レースに出場して敗れ去った雪辱を果たすため今年も参戦したのだった。
3番はジルバーン公爵のドラゴン、『ルーゾン』で、騎乗は公爵の次男アルセウスである。去年は優勝できなかったジルバーン公爵が今年こそ優勝を狙って新たに送り込んできたドラゴンである。
4番は王立騎士団の所属騎士であるスタッズ卿のドラゴン、『ハッジカイト』で騎乗はスタッズ卿本人が行う。去年は王立騎士団の任務のため参加できなかったが、今年は都合がついたため参戦することになったのだった。
5番は財務大臣のドラゴン『アウスワイヒェン』であった。騎乗は財務大臣の長男であるクリストファーで、大臣がこのレースに勝つためにわざわざ購入した素質あるドラゴンだ。
6番はブラウスブラド子爵のドラゴンである『ワンダバル』で去年同様の予選突破をしたのだった。騎乗も去年同様ブラウスブラド子爵の従士であるボルトで、今度こそ勝利を狙っての出場だ。
7番は王立騎士団所属騎士ブライト卿のドラゴン、『ベッジオン』でブライト卿本人の騎乗である。ブライト卿も去年は王立騎士団の任務のため参加できなかったが、今年は優勝を狙っての参加だった。
8番はニューフェルダー伯爵の『ブレンザ』だった。去年に続き伯爵家の陪臣貴族であるヨータル卿が騎乗する。実力を去年より増しての登場である。
9番目はマルシュホール男爵のドラゴン、『マハト』で、騎乗はマルシュホール男爵の従士マクマホンが去年に引き続いて行う。去年とは別のドラゴンで優勝を狙っての参戦だ。
10番目は王立騎士団所属騎士のスプレゲン卿のドラゴンである『ポジティオン』で騎乗はスプレゲン卿本人が行う。去年の雪辱を果たし今年こそ勝利を願っての参戦だ。
半数は去年の建国400年記念レースに出たドラゴンだ。それだけ去年のレースはレベルが高かったのであろう。そして、それに負けずに今年のレースに出ることになった新たなドラゴンたちもそのすごさを見せつけるものであった。本番のレースが実に楽しみである。
「殿下、今年のレースも無事に開催できそうですね」
「ええ、そうですね。何よりなことですね」
「半数は去年のレースを戦った強豪、残り半数も虎視眈々と優勝を狙うつわもの達。実にレースが楽しみですね」
「アルベルト君は、レースとなると実に活き活きとしてますね。レース好きさ加減が伺えます」
「はい、レースを見るのは大好きです。殿下はどうですか?」
「ええ、私も嫌いではないですよ。ただ私にとってレースとは仕事であるという意識が大きいですね。アルベルト君のように純粋に楽しんではいられません」
「それは残念ですね。僕はレースを見るのが楽しくて仕方ありません」
僕と殿下が話していると国王様が登壇し挨拶をし始めた。
「ドラゴンレース、ブレウワルド国王杯によく来てくれた、ブレウワルドの民たちよ。昨年の建国400年記念に行われた王国一のドラゴンを決めたドラゴンレースのことはまだ記憶に新しいことだと思う。それは記憶に残る見事なレースだったと余は思っている。皆の期待に応え、今年もまた王国一のドラゴンを決めるためにドラゴンレースを行うこととなった。皆の者よ、今日はめいいっぱい楽しんでくれ」
国王様の挨拶が終わり、観衆は非常に盛り上がった。いよいよレースの始まりが近づいてきていることが観衆の皆に伝わったのだ。次にエルドリッチ子爵が登壇し、ドラゴンレースの開始を告げた。
「ただいまより、第1回ブレウワルド国王杯を行う」
そして楽隊が大きな音で曲を奏で、ドラゴンたちの登場を知らせる。
1番のドラゴン、ラングボルツ侯爵の『アプスラーゲン』から順にレース場に入場してきた。昨年の覇者である『アプスラーゲン』の登場に観衆はおおいに盛り上がった。
続いて2番のドラゴン、『グリネスブロウト』3番のドラゴン、『ルーゾン』と順に入場してくる。観衆は1頭1頭現れるたびに大きな歓声を上げて迎えている。
4番のドラゴン、『ハッジカイト』、5番のドラゴン、『アウスワイヒェン』、6番の『ワンダバル』と更にドラゴンが入場してくる。入場するドラゴンが増えるたび観衆の上げる歓声は大きくなっていく。
7番のドラゴン、『ベッジオン』、8番のドラゴン、『ブレンザ』、9番のドラゴン、『マハト』、10番目のドラゴンである『ポジティオン』。これで全部のドラゴンが入場したことになる。観衆の興奮は最高潮となった。
入場したドラゴンは観衆にその姿を見せつけてたが、楽隊の音楽が止み、スタート位置へと移動する。すべてのドラゴンがスタート位置につくとスタートを合図するワイヤーが張られる。張られたワイヤーが持ちあげられるとレースはスタートだ。その時を今か今かと人々は待っている。僕もこれから行われるブレウワルド一のドラゴンを決めるレースの始まりに胸が張り裂けんばかりに高鳴っている。
そして、ついにワイヤーが持ち上げられて第1回目のブレウワルド国王杯のレースが始まったのだった。




