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 ついに建国400年目の記念式典が行われる日が来た。王都はその数日前からお祭り騒ぎだった。式典を見ようと王都近郊だけでなく遠方からも王都にやって来る人々がいて、王都はかつてないほどの賑わいをみせていた。そして、その賑わいの理由の一つにドラゴンレースがあった。どのドラゴンが勝つのか賭けて当たると幾らかのお金がもらえる。一発当てて儲けてやろうと考える人がたくさんいたのだ。勝つと予想したドラゴンを賭ける投票券は前日からの販売であったが、既にものすごい売れ行きを見せていた。


 いよいよ記念式典が行われる時間が来た。記念式典の会場である王都郊外にあるドラゴンレースのレース場にはあふれんばかりの人々が詰めかけていた。その人々は建国400年目の記念式典にものすごい熱気を持って臨んでいた。

 

 会場に国王陛下が現れるとその熱気は勢いを増した。国王陛下がステージに登壇すると、今度は水を打ったように静まり返った。そして、国王陛下のスピーチが始まった。


 「ブレウワルド王国の国民たちよ!本日は我らがブレウワルド王国の建国400年目を記念する式典によくぞ集まってくれた。400年前、我らが祖先たちは貧しい小国が散らばるこの地にドラゴンに乗って現れ、それらを併合し豊かな大国へと変え、現在我らの住むブレウワルド王国の礎を築いた。この今の我らの繁栄こそが400年前のブレウワルド王国の建国から始まっているのだ。この記念すべき建国400年をともに祝い、そして我らがブレウワルド王国のさらなる繁栄を祈願して、本日はブレウワルド王国一のドラゴンを決めるドラゴンレースをとり行うことにした。皆のもの盛大に楽しんでくれ」

 

 国王陛下の挨拶が終わった。国王陛下が降壇すると詰めかけた観衆に熱狂が戻る。観衆達は大きな歓声を上げていた。そして、いよいよドラゴンレースが始まる。エルドリッチ子爵が登壇し、ドラゴンレースの開始を告げた。


 「ただいまより、ブレウワルド王国建国400年目記念ドラゴンレースを行う」


 再び会場は大きな歓声に包みこまれる。楽隊が音楽を鳴らし、レースに出場するドラゴンたちの登場となった。


 1番に登場したドラゴンはジルバーン公爵所有の『ベロステン』というドラゴンだ。公爵の次男アルセウスが騎乗して1回目の予選を堂々の1着でゴールしている。予選で見せた豪脚が本番でも見せられるかが勝利のカギとなるだろう。オッズは現在2.3倍。

 

 2番目に登場したのはニューフェルダー伯爵の『ブレンザ』というドラゴンだった。伯爵家の陪臣貴族であるヨータル卿が騎乗する。予選では1着だったジルバーン公爵のドラゴンに僅差で負けているが、本番ではどうなるだろうか楽しみである。オッズは現在7.8倍。


 3番目に登場したドラゴンは王立騎士団所属騎士のスプレゲン卿のドラゴンである『ポジティオン』である。騎乗はスプレゲン卿本人で、2回目の予選を壮絶な鞭を入れてのたたき合いを制して勝ちあったドラゴンである。本番でも勝負強いところを見せられるか。オッズは現在6.4倍。


 4番目に登場したドラゴンはブラウスブラド子爵のドラゴンである『ワンダバル』であった。騎乗はブラウスブラド子爵の従士であるボルトで、予選では2着だった雪辱を果たすか。現在オッズは10.4倍。


 5番目に登場したのはラングボルツ侯爵のドラゴン、『アプスラーゲン』であった。騎乗はラングボルツ侯爵の息子コーネリアスで堅実な走りをして3回目の予選レースで1着となった。オッズは現在3.4倍。

 

 6番目に登場したのはマルシュホール男爵のドラゴン、『トラウリッヒ』であった。騎乗はマルシュホール男爵の従士マクマホン。予選2着であるがその走りは1着のドラゴンとそれほど劣るものではなかった。オッズは現在6.8倍。


 7番目に登場したのはデフロス卿のドラゴン、『グリネスブロウト』であった。王立騎士団所属騎士デフロス卿自ら騎乗し、見事4回目の予選レースを1着で勝利した。オッズは現在8.2倍。


 8番目に登場したのはゾンドルフ卿のドラゴン、『インクルバツィオン』であった。騎乗は本人のゾンドルフ卿が行う。王立騎士団での訓練の成果を見せられるか。オッズは現在10.5倍。


 9番目に登場したのはフレヒバウム卿のドラゴン、『ピーハディー』である。騎乗はフレヒバウム卿本人。予選では豪快な逃げ足で他のドラゴンを寄せ付けなかった。本番でもその逃げ足を見せつけることができるか。オッズは現在5.8倍。


 10番目に登場したのはヒルリンダー卿のドラゴン、『ゼーグーター』である。騎乗はヒルリンダー卿本人が行う。予選では2着に甘んじたが、本番でそれを覆せるか。騎乗はヒルリンダー卿本人が行う。オッズは現在12.4倍。


 以上10頭すべて出そろった。観衆は1頭、1頭出てくるたびに大きな歓声を上げ、今日このレース本番に出てくるドラゴンたちを祝福した。そして全てのドラゴンが登場すると、より一層大きな歓声を上げたのだった。


 楽隊の音楽は止み、すべてのドラゴンがスタート位置へと移動する。ドラゴンがすべて所定の位置につき、スタートを合図するワイヤーが張られる。張られたワイヤーが持ちあげられるとレースはスタートだ。その瞬間を観衆はかたずを飲んで見守っていた。


 そしてワイヤーが持ち上がる。いよいよレースがスタートするのだった。

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