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武器育成イベント!? 地下格納庫攻略編その七

 制御室ブロックの四階層と五階層は吹き抜け状になっており、階層を貫き鎮座する発電施設を取り囲むように、四階層のフロアが存在している。


 その発電施設により造られた電気が、各ブロックに送られる仕組みとなっているのだけど、残念ながらその恩恵を受けているのは現状、三階層より上だけなのが四階層へ降り立った瞬間に理解できた。


 真っ暗なそこをレンチが創り出した発光物体を頼りに探索したところ、発電された電気を各ブロックへ送るためのコードが所々破損、と言うよりも意図的に外されているようで、おまけに間違った場所に繋げられているコードもあるようで。


 四階層、五階層共に他のブロックへの移動は出来ない状態であるのは明白だった。


 つまるところ、これはパズルである。


 無数にあるコードを正しく繋ぎ、またその作業の邪魔になる物を限られたスペースの中で退かし、作業スペースを確保しなくてはならない。


 頭を使うのは苦手だけど――。そう気落ちしながらも作業に取りかかろうとした私は、しかし活躍の場もなく更に落ち込むこととなったのだ。


 端的に言うと、私が袖の中で育てている、電気を溜めに溜めて育てている武器の所為で、触れたコードを辿って電気がフロア中を駆け巡り、失敗を知らせるタライが乱れ落ちてきてしまったのである。


 解るかな? 慣れない作業を頑張ろうとしたら、みんなの迷惑になる私の気持ちが。かくして私は、フロアの片隅で物置と化すのであった。


「あーあ。暇だなー」


 制御室ブロックを繋ぐ階段に腰掛けた私は、取り囲むように置かれたコンピューターを操作するレンチに向かってぼやき続ける。


 一、二、三階層と同じように、各フロアのロックはそこに置かれたコンピューターから解除することが出来ると、優先的に電気を回すことで操作可能となったそれを調べたことで解ったの。


 だから、それさえ解除できれば、暇人の私は四階層の探索と言う仕事を与えられる。それが待ち遠しくてずっとぼやきながら待機していたのだけど、初めは適当にでも相づちを打っていたレンチも次第に無視をし始め、ムキになった私が更にぼやくという悪循環。


 いや、私も悪いとは思っているよ? 頑張っているみんなを余所に、鬱陶しいぼやきを繰り広げているのは邪魔くさいだろうと私も思う。


 でもね。私だって頑張りたかったのだ。パズルは大いに苦手な部類なのだけれど、それでもみんなと共に攻略をするという、そしてクリアするという。そんな達成感を味わいたかったのだ。


 そういう愚痴を、少しくらい聞いてくれても良いんじゃない、と。耳栓を付けているレンチの耳元で打ち明けたい。というか、打ち明けた。もの凄い高性能な耳栓に膝をついたけど。


「あーあ。暇――」

「すみません主、今開錠に成功した四階層の他の部屋を調べる為にドローンを飛ばしていたのですが、各種センサーを私自身とリンクさせても何も得る情報はありませんでした」


 ……どうやら、無視していたわけではなかったらしい。なる程、視覚も聴覚もドローンとリンクさせていたから、私の声も行動も把握できなかったのだろう。


 あぁ、良かったぁ。本当に良かった。腹いせに仕返しとかせずにいて。


「もう開いてたんだ。で、得る情報がないってどゆこと? 何もなかった訳ではないんだよね?」


 ドローンによる偵察をしたのは、おそらく事前に情報を得た上で、効率よく私に探索させる為なのだろう。そこで取り立てて報告するようなことがないのなら、そのまま怪しい物は何もなかったと言えば良い。


 なのに、何も得る情報はなかったと言った。そこにはどんな意味が込められているのだろうか。


「それが、真っ暗で無音なのです。構造自体は見取り図により把握できているのですが、電源スイッチも反応しないため、おそらくまだ送電が完了していないのが原因か、もしくは他の要因があるか」


 なる程ねぇ。それこそ、実際に入って調べてみないことには解らない、ということか。ならば話は早い。私の出番じゃないか。


「じゃあ、実際に行って調べるしかないね。もしも他のブロックで問題があって、正しく送電が行われていないとしたら。五階層の開放にも影響があるかもしれないし」

「はい。私もそこが懸念材料です。構造自体は把握できているので、常に通信は繋げた状態にしておいてください」


 了解と一言残し、私は階段のとなりに設置された扉へと向かう。そして他のフロアとは違い自動では開かないそれを手で持って開きながら、暗い室内へとその身を投げ入れる。


 その瞬間――。


「ひぅっ!?」


 髪で覆われているはずの首筋に、一粒の水滴が落とされた。


 あぁ、察したよ。これだけで察することが出来たとも。いや、これだけではなくとも察する要素はいくらでもあったのだ。


 一つ。猫面以外の人が居ないこと。ここが重要な施設だとして、生活空間もあった上で、何故猫面以外の人が此処に居ないのか。此処で仕事をしていた人は? 管理していたであろう鳥の関係者は?


 二つ。先程の資料室で得た、この施設に関する情報。いや、実際には、それについては殆ど得るものはなかったのだけど、それは何故かというと――。そう。此処と同じように、一部が真っ黒に塗りつされていたからなのだ。


 それでもさ、私はこう叫んでおきたい。……急に現れるお化け屋敷とか、ジャンルが変わりすぎじゃないですかねっ!?

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