↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
辺境へ追いやられた落とし子が、隠された聖女を迎えに来た  作者: もち雪
4:目的のためにさまよう聖女

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

77/82

77:この儀式の意味とは?

「場をわきまえていただけないでしょうか? アークエル様」


 そう言葉を発したのは、セオラ大通り教会のヴァーゴ司祭だった。

 彼はセルジオスと、シオンの前へ進み出て、ひざまずく。


「不肖の身ながらこのヴァーゴ、セオラ大通り教会の司祭カプリコーンより、聖女様同士の話しの行き違いを仲裁するように言付かりやって参りました。


 これから起こる出来事にも、仲裁役として参加することをお許し願えませんでしょうか?」


「教会ははあくまでも、話しの行き違いと言うのだな」


 セルジオスは呆れや、皮肉めいた笑みを浮かべた。

 その言葉に、後ろ暗いところがないように、ヴァーゴは言葉を続ける。


「はい、教会が、女神にも等しい誠実で、清らかな聖女の心を信じずに、誰が聖女のその地位を支えましょうか?」


 そう教会の使者は、ここにいる大勢の生き証人の前で宣言する。


 それを否定できる者は限られる。しかしこの場には、必要に迫られてやって来た。

 その内の一人である、セルジオス殿下がいる。


 彼の言葉でこの儀式が、内々のものになるか、公式のものとなるか決まれば、ここにいる騎士団の者たちの口にも制限が正式かけらる。


 そこにはやはり裁判もないのだから、騎士たち少々の動揺が走った。

 そしてセルジオスの言葉を待ったが、答えたのは、やはりにシオン卿だった。


「おかしいですね……」

「何がでございましょう。ハークエル卿?」


「既に、貴方の指揮により聖女の審判が行われたと、聞きおよんでおりますが?


 私はその事の確証を高めようと、この儀式を執り行おうとしているだけ、仲たがいかどうかについては、私には預かり知らぬことでありました。


 それにしても……仲裁の際には、聖女の審判を行うものだったとは……それではまるで……」


 含みを持たすようにシオンは言う。


 それに対してヴァーゴは、「教会では聖女は特別でございます。


 聖女も人の体を持てば、間違いをおかすこともありましょう。


 しかし聖女は聖女、尊ばれなければいけませんが、人にそう行えば間違いのもとになりましょう。


 ですので、聖女であるか、否かの確認は不可欠なもの。


 ただそれだけでございます」


 そう、二人のネチネチした舌による、攻防戦が行われた。


 そして騎士たちが『もう、剣を取れ、剣を』と思い始めた頃、フェリーネが声をあげた。


「おそれながら、私は今のセイラの力の判定に異義を申したいと思っておりました。


 私の知ってる彼女の力と違い過ぎると、ですので今ではない未来に、ふたたび必ずや声をあげるでしょう。


 その為に、今回の判定を公式のものとして、残していただけないでしょうか? 


 このフェリーネからのお願いであります」


 そう、聖女のフェリーネは、ここにいる誰もに訴えかける。 


 セイラは小さく溜め息を漏らし、アークエルはフェリーネを視線だけで、殺そうそとするように、鋭い目付きで睨み付ける。


「なんて子なの、半分血を分けた姉妹なのよ? 貴方にとって半分の血が良くないのかしら?」


 勝ち誇ったアークエルを見つめる、まわりの目付きは様々だ。二つの意味を持つその言葉は、聞くものによって意味を変える。


 フェリーネはアークエルに期待をしていなかったので、彼女を呆れたように見つめただけだった。


「よく言う。その娘を古い教会へ押し込めた癖に、お前の考えた修道服は癒しの力を使った者を見定めさせないためのものだろう?」


 そう言うカリオスを、怒りと、驚きの顔で見るアークエル。そして従兄弟である殿下さえも、カリオスが真っ正面から、イクリオン家の者に抗議する姿に驚いている。


「それは……フェリーネがセオラ女神教会を取り仕切りたいと言ったからだわ。修道服だって、聖女なのに力が使えないから恥ずかしいと、そうフェリーネが言いだしたのよ」


 そうアークエルは、声を弾ませ言ってのける。


「だが、彼女はセイラ様と同等の癒しの力をお持ちでした。貴女方が彼女の力を過小評価していたのが、今回の事件の発端ではありませんか?」


 そうヴァーゴが、アークエルの意見を明らかに誘導していた。


「そうね……。そういうこともあるかもしれないわ。フェリーネと、彼女の祖母ロトリア様は、明らかに聖女を審判を明らかに拒否していたわ。そのせいでしょうけど、先入観って怖いですわね……」


 そう眉間にしわ寄せ、悩める姿を演出する。


「私はそんな事は言ってません!


 祖母が……私の聖女の審判を望まなったのは、母がたの祖父母のいる、ローリエへ私を逃がすためでした。


 私とミリア、祖母がもしもの時のため、守られる立場に居られるようにと考えていたようでした。


 それに、聖女を助ける人々は多くいます。


 日頃、そんな方々とお会いするのに、恥ずかしいと思うわけありません」


 継母の言葉に驚き、そして失敗を起こさないよう、考えてフェリーネは話した。祖母とミリア、そしてカリオスのためにも失言は許されなかった。


「聞けばやはり、仲たがい以上の問題はあるようだ。


 もしただの仲たがいであっても、別段困る事はない。そうだろう? 


 聖女の願いを受け入れ、この儀式は公のものとする。


 教会側は聖女を名乗る偽物を捕まえる覚悟を持って、この儀式にあたる様に……」


 そうセルジオスは宣言した。


 もうこの場は、彼の指導力が試される場になってしまっているようだ。


「わかりました……」


 今の時代、聖女の立場を維持するという仕事を担った。セオラ女神教団の代表者としてヴァーゴが答えた。


 続く



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。