24:最北端の町 (人物紹介その2)
〇シオン ハークエル
21才 地の文で、吟遊詩人、吟遊詩人言い出したらこの人
長髪、深紫深い紫色の髪と瞳、王都の南に領地があり、農産物が豊富で、領地がデカい。
〇オリビア
19才 シオンと親戚だから、苗字は(ハークエルかもしれない)
真面目で、いい人で、お姫様、ブラウンの髪、黒いの瞳、髪の毛、短い
〇マーク団長
ローリエの王国騎士団の団長(国家セオラ・ノーブル所属)
23才 現在髭もじゃ 筋肉質、平民出身だから苗字はない。しかし辺境にいる騎士なので、出世するか、死かみたいな人生になっている。
結構、彼は捨て駒として丁度良く。実は前騎士団長は多くの魔物がいる中、先頭を走るのに臆病風をふかせ、仮病をで離脱し今故郷で居たたまれない生活を送っている。
〇グリム:カリオスの家の家令
〇ジルク:カリオスの領地の戦士怪我して、めちゃがまんづよい
最北端の町ライストファーは、思っていたより山奥にあった。
ローリエからその地へ着くまでに、二日程かかっている。
左は山の斜面、右側に美しい川が流れ、川の向こう岸を見れば、伸びる生い茂る木々の枝が水面の移っている様子が素晴らしい。
そんな渓谷の景色を、何時間も眺めながらフェリーネが馬車を操っていた。隣りに座るカリオスは、道の分かれ目の時、口を開くぐらい。
馬車を操る技術が、一人で任せてもらうレベルになったのね。と、大いに満足し、手綱を操っていた。
進む道から一段高くなっている場所に、花咲く木々の間から、いきなり煉瓦の白い家が現れる。
「どうやら、ライストファーへ着いたようだ」
「あっ」
そう、ライストファーの名を持つ、カリオスがフェリーネに告げ、手綱をフェリーネからそっ……と持っていった。
「お前はこれから、ここへ住むのだから、見ておけ……おきなさい」
「はい」
――ここがカリオスが守った町……。
木々が生い茂り、野菜が規則正しく植わる畑が、庭木の向こうに隠れている。
先ほどの家が、道の上に真っ正直に見えて、その前り通り過ぎ、後ろに流れていく。
山の自然の中に突然現れた、人の住む家々のある風景。
秋には色ずく木々の葉に囲まれ、どんな風景を見せてくれるだろうか?
あの狭い教会から、連れ出てくれた人の横顔を見ながら……、フェリーネはそう考えた。
「こんな場所へ、住めるなんて夢みたいです」
彼女は感激したようで、目に涙がこみあげる。
彼は、彼女の声を聞き、顔を向けたが、彼女の様子をひとめ見るとすぐに目をそらし前を見つめた。
「気に入ったなら、いつまでも住めばいい。歓迎しょう……」
「そうですね……。ここへずっと住めたならいいでしょうね」
夏がこれから始まる。そんな季節。
これからここで長く暮らすと事を夢に見て、連れ戻される現実を考えた。
カリオスの考えた事件の筋書きが、どうなっているのかわからない。今の彼女には、未来を軽はずみに話す事が出来ずに、微笑みは少々ぎこちない様になってしまっていた。
次に出会った家の壁も新しく、庭の柵に絡まる薔薇の蔦は、これから伸びていくのだろう。柵の半分にも、満たないほどしか伸びていなかった。
その家を皮切りに家の密度が、増すには増すが、王都でが考えられないほどの、十分な距離が離れている様に見える。
家々は、斜面に張り付くように各所に点在して建っているので、各家を建てた職人には、軽業師の様な山の登りの能力が、求められているようも思えた。
家々の間を歩く人々の、手を振る姿や、挨拶を寄越す姿は、みんな騒ぐ事なく落ち着いた様子で、物語にでて来る自然の中で生きているノームを思い浮かばせた。
けれど、子どもは別の様で、一人の子どもと出会うと、角笛を鞄から取り出した。
プーーっと、その音が聞こえたと思ったら、どこからともなく、どんどん子どもが増えていく。
「はぁ……」と、わかりやすく、カリオスのため息が聞こえて、「危ない!? 乗って来るな!?」と後ろからマルティーの張り上げる声が聞こえた。
「元気ですね」
「あぁ……、元気でいいんだがな……」
明らかに意気消沈カリオスと、かぶる様にシオンの声が聞こえてきた。
「ほぉーら、お菓子だ」
「「わぁああああああああ……!?」」
「ヤバい! 降りろ! 降りろ!」
「全員でわけなければ、次はあげませんよ!!」
そう、手慣れた感のある声が聞こえてきた。
◇
そして幌馬車は、宿屋とレストランを営む屋敷の前に着いた。
町の中心なのだろうその屋敷の目の前に、馬車がゆうにすれ違えるほどの大きな木製の橋が架かっている。
「では、降りるぞ」
カリオスは先に降り、フェリーネも彼に持ち上げられるようにして、馬車を降りた時、遠くから眺めている人達や、既にキャビネット側にまわったのか。
「なぁーんにもない? 買い込んだ荷物はどうしたマルティー?」
「わぁーお姫様の馬車になったるー」
「だぁーれー?」
大人と子どもの声が様々に聞こえた。
しかしその声達は、一緒に歩いて来るようだ。
――ん?
シャツを引かれると思ったら、小さい女の子が白い花を渡してくれる。
「はい、お兄ちゃんどうぞ」
「わぁー、ありがとうごいます」
「領主様もどうぞ」
「ありがとうな」
そう言って髪を短く切った、少年の身なりをしたフェリーネに花を手渡し、聖女は花を包み込むように受け取った。
カリオスは花を手渡してくる彼女の、頭をわしわしと撫で、わきゃッと彼女は髪を押さえ笑ってしまう。
「はは、お母さん撫でられた」
「じゃ、きっと剣の腕が上がるわね。じゃー次は、ほら、いらっしゃったわ」
女の子は幌馬車の後ろへ目を向けると、後ろから現れた白い鎧に身を包んだオリビアの方へと走って行く。そしてその後ろから現れた見目麗しい貴族の青年シオンを見て、母子揃って立ちとまる。
辺境の地で見たことない風貌だからなのか、いつもの様に聖女だからなのか、やはり遠巻きに見られている様な気だけはした。
その時、カリオスは目の前の屋敷へと歩き出す。
そこは、領主の住まうべき屋敷なのだろうか?
彼は中心の宿屋の入口と、右側レストランの入口の内、中心の宿屋の扉の方へとどんどん向かって行く。
ミリアは、マルティーと一緒にいるようで、やってきたシオンとオリビアと一緒にカリオスの後を追って、その扉をくぐっていく。
「おぉ……よくご無事でございました」
身なりの良い年老いた紳士が中央の階段の前で、カリオスを出迎える。右側はすぐに壁になっていて、中央階段の右の手すりはその壁についていた。
「うちの家令だ。父の代から世話になっている」
「このたびは、カリオス様の呼びかけに、答えていただきありがとうござます。フェリーエ ローリエ様。そしてシオン ハークエル様 この屋敷は宿屋と、レストランをやっておりますが、皆様にお金をいただく事はありません。どうぞ、このお屋敷でいつまでもごくつろぎください」
そう、先代の王にも使えたであろう紳士が、彼女たちへ告げたのであった。
◇◇◇
その日、数多く聖女を輩出してきた、セリファス家の私邸に厳し声が響く。
「聖女様を、どこへ隠したのですか?」
セオラ大通り教会からやって来たという、ヴァーゴという神父。
彼は長椅子の中央に座る、彼女を攻め立てる様にそう言った。
公爵の地位を持つイクリオン家で生を受け、現聖女セイラの母である自分を目の前にして、神父は敬うという言葉を忘れたようだ。
イラつきと、我慢の限界は、ヴァーゴの顔を見た時から。
今は限界を超えて、イクリオン家に頼み、どんな罰を与えて貰おうかしらと考えている。
「セイラが、誘拐された事を知らないの? 私が娘の事でこんなに胸を痛めているのに、なんて薄情な事だわ。やはり王室へ報告していて正解ね」
そうとだけ口に出し、『もう、何も話したくないわ』と言うように、ヴァーゴから顔をそ向けた。
それでも、神父は食い下がってくる。
「聖女様がたが居なくなったあの日、教会の騎士たちと、多くの修道女はセイラ様には会ったと証言しております」
「そうね」
「ですから……」
そう言った彼を睨みつける。
「何故、誘拐犯と、犠牲者は一緒に居なくなると思うの?」
「通常は、そうです」
「仲間がいるんでしょう? 仲間と示し合わせる必要があり、フェリーネが消えた。そして次の日セイラの前に、誘拐犯のフェリーネ現れ、言葉巧みに娘を連れ去った。そうじゃない証拠を持ってきて頂戴。そうしたら罪があるなら、告白してもいいわ」
彼女は立ち上がり、彼の近くまで行き、神父の黒い制服の胸元を指さし、彼をあざけ笑った。
しかしその神父は顔色を変えず、目の前の彼女を見下ろしていた。
「では、告白してください。セオラ中央教会を維持するお金がどこへ行ったのですか? 貴女方の屋敷を含め、癒しの間などのかかる費用は、決められた額と治療を行った一部を経費として使う事ができますが、いにしえからあるセオラ中央教会のフェリーネ様へと渡るべきお金は? 何故、あんなに荒れた状態でほっとかれるのですか?!」
「けれど修理は入っているわ。古すぎのよ。そもそも何故、セオラ大通り教会の一神父である貴方が、こうもほじくり返してくるのかわからないわ」
「教会も一枚岩といきません。そんな中で、見過ごされた事実が、不祥事をきっかけに見つかる事が多くて、こちらも困っているのですよ。
例えば今回と似た状態なら、勝手に外部から、経理の者を用立てて、教会側の経理担当の職員にはタッチさせない。
そして調査すれば多くの裏金をつっている。マニュアルがあるのか、証拠の消し方も早い、早い。
まぁ、ここは過去が全然洗えない様になっていて、いやらしい限りなんですけどね」
彼は、右手を軽快に動かし、振るポーズをする。箱をひっくり返し、振っているようで、証拠は今のところ出てないようだ。
アークエルは気を緩めそうな所で、神父と目が合う。
彼は、自分が気が緩むのを待っている。そう気づき全身が粟立つ。
何気ない動作で後ろを向くと、ごくりと唾をのみ込み、震えそうな自身を落ちつかせ、冷静につとめる。
「アークエル、我々は騎士でありませんので、証拠を懸命に探してどうとかはできません。ただ、今回、奥様が貶めた教会の威光は復活しようがございます。どうか、こういった場合、まず、教会所属の騎士をお頼りください。教会騎士の評判も現在どれほど地に落ちた事か……」
「それは……、フェリーネを早く捕まえるためよ! 捕まさえすれば、なんとでも言い逃れできるわ」
「女神を崇める、我々にとって聖女は女神の現身の姿なのですよ。 貶めることは許されません。そもそもこれからも誘拐犯である、人物に体の治療をさせると? 人の心は、直ぐに良い方には変化できませんよ」
「じゃーどうすれば良かったのよ!?」
「時間は戻りません。何を言っても無駄な事です。貴女のできる事は責任を取る事だけでしょうか……。誰よりも早くフェリーネを見つけ、セイラ様を誘拐したのが彼女ではないという状況をつくり、セイラ様に口裏を合わせる様にお伝えください」
「……考えておくわ」
「なっ」
「教会が教会の理屈で動くように、貴族には、貴族の通す筋があるわ。まずはサラテート様に、意見を仰がなければなりませんの。おわかりになる?」
「全くわかりません」
「だから、貴方は出世しないのよ。確認して連絡入れるわ。大通りの教会でいいよね?」
「はい、そうでございます。奥様」
「わかったわ。誰か居ないの? 神父様がお帰りよ」
そして「失礼します」という声とともに扉は開き、入って来た侍女サラと共に神父は帰っていった。
アークエルはそれを最後まで見届けることなく、机の前に座り、サラテートに会う約束を取りつけるために、ペンをとった。
続く




