Let's beat up ダンジョン
次回で第3回ひとり更新祭、ラストです!!
3人で扉に入ると、少し間があって扉が自動で閉められた。
相手は、デクネスガードというスケルトンで、特徴は強化鎧、片手剣、盾、兜まで装備している。あと配下にスケルトン・ガード(『アナライズ』判定結果)が4体いる。多分、デクネスガードでA、スケルトン・ガードでB+くらいだと思われる。
なぜか境界まで行かないと戦闘が始まらないらしく、相手は悠然と構えている。
「先に『ラ・イド』を2人にかける。支援魔法で俊敏性が上がるから気をつけて、特にカナデ」
「なにそれ?何魔法?」どうもエクモカが情緒不安定だと思ったが、命がけなので察することはできる。
自分にはかけなくてもいけるだろうと判断する。
軽く2人に動いてもらったが問題はなさそうだった。『ラ・イド』の支援がついたカナデの速さは俺を超えていた。「カナデはスケルトン・ガードを3体、エクモカは1体を時間稼いで、俺がデクネスガードをやる」と声をかけて戦闘を開始した。
すぐにカナデが『ウィンド・アロー』を唱えて射つも、スケルトン・ガードは3体それぞれに躱したり、盾で防ぐ。スケルトン・ガードは片手剣・盾装備と劣化デクネスガードである。残りの1体をエクモカが挑発し、引き寄せる。
十分に引き寄せたところで、デクネスガードへの道が出来たので俺が突っ込んだ。デクネスガードは俺が来るのを悠然と待っていて、まるで部下がわざと2人に回したかのような雰囲気すら感じさせた。
「グエゥ、グォ、ゲェエ」
「分からんからやるぞ」
ダンジョンなので魔族領のルールを適用しようがないが、癖でつい話しかけてしまう。刀に『ファイヤ・アロー』の魔力を通す。出し惜しみする相手では無い、相対してすぐに悟った。
間合いをすぐに詰められ
バックステップで振られて剣を躱す
こちらの間合いで斬りかかるも
盾で弾かれる
刀に初めて盾を当てられたが
『ファイア・アロー』の斬撃が発動する
強化鎧にわずかな焦げ跡が残った
少しだけ兜の奥が光ったかのように見えた
間合いが離れたところで
『ファイア・アロー10』を詠唱する
盾に向かって躊躇なく全弾を叩き込む
爆撃音が地響きになり
盾を構えたままのデクネスガードを後退させる
距離を確保 横目でエクモカの様子を確認
瞬間、『ファイア・アロー』を防いだ盾を飛ばしてきた
軌道上にエクモカがいるのが分かった
避けれない
『ライガード3』を念じ 光の盾を目の前に置く
3枚目でやっと盾は止まった
これで剣と刀の勝負になった
長いリーチでデクネスガードが振るうも
俺の刀の敵ではなく
魔力を通した刀は
少しずつ文字通り相手を削る
なんどか刀を振るったところで相手の足を斬り
体制を崩し、刀でトドメを刺す
時間が思った以上にかかったが振返ると4体のスケルトン・ガードは2人によって倒されたところだった。さすがに無傷とはいかず、カナデもエクモカも切り傷があった。
「2人ともおつかれ。『リカバ』、『ヒール』」
先にエクモカを治す。元Bランクでは、1体でもかなり厳しい相手だったことは間違いない。本来の基準なら、Bランク冒険者4人でBランク魔物1体を相手するのだから。
「えっ、リヒトって回復魔法まで使えるの?」
「そだよ、すごいでしょ?」と、なぜかカナデが言う。
「おまえがドヤルなよ。『リカバ』、『ヒール』」
「ありがとう」カナデが笑顔で答えた。
俺も自分にかけた。さすがに切り傷もそうだが呪いとか妙なものがあったら嫌だ。
「リヒトって何者なの?」恐れた表情でエクモカが言う。
「ただのSランクを目指す冒険者だよ」
「私はSSSランクを目指してる!!!」
カナデが変に被せて来たので緊張感が消えた。火消しもできるカナデである。わざとかどうかは微妙なところ。
俺たちは魔石や素材を回収し、10階層ボス部屋にあったリターン魔法陣を起動した。エクモカ曰く、「一定の場所には帰還する魔法陣がある」とのこと。なぜあるかは誰も分かっていないらしい。ダンジョンの七不思議である。
魔法陣を起動すると転成したときのような下降する感覚に包み込まれた。目をあけるとダンジョン横の空き地に出ていたようで、鳥の鳴き声が地上に戻ってきたことを教えてくれた。




