晩餐とメール、光魔法さん
ルイを送り狼をせずに家まで送った。
入口での会話を少しして宿に戻ったのだが危うく決心が鈍るところだった。
「と、いうわけなんだ」
大テーブルを囲んだソウ達3人と、なぜかゴダラスの翼の4人に俺が説明する。
「なんで?チャンスだったじゃん!!」カナデは耳をピコピコさえながら言う。若干、鼻息も荒い。
「まぁ、いけたよなぁ。でも責任取れないじゃん」自分の中で踏ん切りがつかなかった。
「ルイさん、こんなところで気の毒だ」ソウが真っ当な意見を言う。
「まっ、確かに品のない話だな。でも、聞いてきたのおまえらだろ」
「・・・ばかじゃねぇの!!」ダライが言い、テーブルが静まる。
「どうした、ダライ?」リーダーのアバンタが言う。
「おまっ、ちょっと泣くなよ」バンジーがダライに言う。
ダライがまた泣いていたのだ。そのうち泣き虫ダライとか言われるぞ。
「なにか気に障ったか?」
「うるぜぇ!!てめぇにはわかんねぇよ」
ダンッ!!
ダライはエールを一気に呷るとテーブルに置き、食堂を出ていった。
「すまん、寂しいのと、あいつにも思うところがあるんだ」アバンタが言う。
「なぁ、アバンタ。俺との会話はすべて謝罪しかないんじゃね?」
「わはっはっは。今日は飲め飲め!!」バンジーの頬は既に酔いで赤い。
ビューリも珍しくエールを飲んでいた。黙って飲みながら時々外をみる姿がかっこいい男みたいだった。本人には間違っても言わない。もう俺はビューリには下手に絡まないことを誓っている。店で矢を放つ行動が俺の理解の範疇を超えている。
「リヒト、いつ戻ってくる予定?」オトハが言う。
「いずれ戻ってくるけど気分で他の国にも行くかも。正直、分からん」
「そっか。下手したら一生会わないかもしれないのか」
「大げさじゃね?『レター』使えば連絡はたまに出来るぞ」
いまだに使ってないけれど。そっか、シュエルに『レター』送れって言われてたな。
『レター』のパスをオトハと繋ぎ、試しに『レター』を使用してみると少し経ってからオトハに届いた。近すぎて風の精霊が届けないかもしれないと思っていたが結果は良好だった。
「えっ、オトハずるい!私もしてよ」カナデがムキになっている。
「ソウも多分使えるから、皆でパス繋げておこう」
「お・・・おう!」
体術魔法以外なので心ときめいた男子がいる。
とりあえず、各々できるようになったからEメール程度の環境にはなった。ただ、Eメールと言っても昔の環境で、サーバ遅延とかメールロスとか平気であった頃だろう。スマホばかり使う俺に父さんが携帯電話の昔話をよく話していた。
「リヒト、それ私も使いたい」と夜更かししていたメイプルが言う。
「うーん、メイプルって魔法使えるの?」聞いたこともなかった。
『アナライズ』
名前:メイプル 性別:女
種族:人族
職業:かんばんむすめ
適性:水魔法適性、光魔法適性、魔力操作適性、家事適性
個性:審美眼、用心深い、
スキル:水魔法レベル1、家事レベル2
加護:母の祈り
ブフゥーー!!
盛大に俺はお茶を吹き出した。カナデはそれを素早く避けた。かなりスキルが体に馴染んでいる者の動きだった。
光魔法ある・・・。
「うん、メイプルも使えそうだね。内緒にしておけよ」
「うん、わかったぁ」パァっと顔が明るくなった。メイプル可愛すぎる。
メイプルに『メール』の使い方を教えるとすぐにマスターした。ついでに「水魔法使えるの?」とメイプルに内緒で聞くと「前にリヒトがキラキラさせてたのが水魔法って聞いて練習したの」と話す。俺、鼻血だすかと思った。将来楽しみなメイプルだが、所詮は野良ダークエルフ(冒険者)にそこまで懐くから心配だ。明日、マスターに光魔法のことは話しておこう。
その後、解散となったが夜中に『おやすみ』というメールが来て睡眠の邪魔をされたが、うだうだ寝ていると『私には『メール』をしてくれない(にっこり)』というシュエルのメールが届き目が覚める。「どうか風の精霊様、早く届けてください!!」と祈りながら母さんにメールをして二度寝をした、まだ陽も昇っていない時間の出来事だ。




