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異世界転生、俺だけソロ活動から!!  作者: とかじぶんた
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サブスト10 ベグードの誕生 その2

サブストを並行更新してます。


※ どキツイ表現が続きます ※

※ 苦手な方はスキップ推奨 ※

 ドアを出ると森の中だった。すぐにドアの出口はバラバラなのが理解できた。俺は久しぶりに気持ちが晴れていて、風の方向も、運ぶ臭いもすぐに判別できた。



 隠密の使い方など知らないのだから、前世の記憶を頼りに足音を立てず、周囲に注意を払うことだけを考えて行動した。結果、すぐに森の中をしゃべりながら歩く郷田淳(ごうだあつし)を見つけることができた。どうして異世界に来てあれほど警戒しないのか俺には理解しがたい。


 樹の上からしばらく様子を見ていたが、郷田が牧田と合流した。いまのところ、他の2人は来ていない。


 「あいつらどこ行ったんだ?」

 「ミッツと中居なら合流しない可能性もあるんじぇね?」


 牧田は2人が付合っていたのを知っている。その可能性は十分にあり得るだろう。特に郷田は素行がもともと良くなかったし、中居は郷田を嫌っていた感じもする。そう考えると俺としては都合が良い。



 移動してすぐに気がついたのは自分の身体の変化だった。樹に登るのはもちろん、今では郷田と牧田の後ろを追うのに樹から樹へ飛び移っている。それでも気がつかない2人に最初は笑いそうになった。これほど素早く、音も立てずに移動できるのは、無手でも戦えるよう体術適性を取ったのが効いているかもしれない。



 そして、これはチャンスだ。


 今までより距離を縮め、息を殺し、樹へ移る代わりに牧田の首に飛び蹴りをする。


 ゴキッと鈍い音と少しの衝撃が右足の裏に残った。すぐに着地して、2人を振り返ると牧田は倒れて動かなかった。


 「お・・・おまえ、な、なんなんだよ」


 郷田は驚いて腰が抜けたのか、地面に尻をつけている。


 横倒れになった牧田は短い痙攣けいれんをしていた。復活しないか様子をみていたが、少しずつ間隔が長くなっていき、動きが止まった。俺はそれをただ黙って見ていた。



 あぁ・・・思ってたよりなにも感じない。


 郷田の方に視線を向けると、まだ立ち上がれないのか、体育座りを崩した姿勢でなんとか後ずさりをしている。


 俺が従っていた男はこの程度だったのか。


 あれほど怖かった男が

 これほど慌てふためき

 短い悲鳴だけを繰り返し

 ついには嗚咽しはじめる



 俺の前世はなんだったのだろう。


 「郷田」

 「ヒッッ!!」突然名前を呼ばれた郷田は悲鳴を上げた。

 「おまえに俺はどう見える?」


 なにか言おうとした郷田を全力で蹴飛ばし、吹っ飛んだ先で始末する。俺には他にやることができた。その場を去る前に2人のポケットから銀貨を頂く。


 「さて、この頭のマップみたいなのを探っていくか」


 地上を音を出さないよう走り、近くに浮かぶ点へ向かった。



 それから2名ほど同じように相手をしたところで、野田充と中居しずかに遭遇した。気がついていない2人の前に俺は樹から降りて声をかける。


 「よぉ、ミツルってお前か?」

 「お、おまえ誰だよ?」

 「えっ、ミッツ、これ誰?」

 俺が誰かなんて分かるはずがなく、二人の様子に笑いがこみ上げてきた。今は長身エルフの体術使いだ。


 「驚かせてすまない。俺はベグードだ。君たちの仲間かな?男女2人組を森で探してくれって」


 自分でも下手くそな演技なのは十分理解している。なんだか頭が掻くなってきた。


 「それって郷田じゃん。絶対行かない方が良いよ」中居が喚く。

 「いや、訳わからないし、皆と合流した方が安全だろう」

 「俺はどっちでもいいぞ。よく事情も知らないし」

 2人は俺をジッと見つめている。まぁ、怪しいと思うのが普通で、こんな森でフレンドリーなヤツは敵だ。


 「これで雇われただけだ。見つけられなくても貰える約束だ」

 俺は銀貨を5枚ほど見せる。


 「ねぇ、美形のお兄さん。街はどっちか分かる?」

 「案内込みで銀貨2枚かな。森は危ないぞ、どうする?」

 「ねぇ、ミッツ。まずは森を出よう」

 「そうだな・・・出てから考えるか」


 2人は納得したのかミツルが銀貨2枚を渡してきた。街の方向は知らないが、脳内マップで素早く移動していたクラスメイトの方向は覚えていた。動きに迷いもなかったのだから、アテがあるのだろう。2人を連れて行くことにした。

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