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異世界転生、俺だけソロ活動から!!  作者: とかじぶんた
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教育的指導 その⑤

 最後に総仕上げとして3人で依頼を受けることにした。当然、俺は見守り役なので依頼を受けない。というよりも、Bランクの俺が受けると3人の成果が著しく減るためだ。ちなみに、3人ともDランク冒険者で、ちょっと前まで俺よりも上位だった。


 「討伐依頼ならどれにする?」

 「カナデ、グリーンオークとオークの違いを『サーチ』できる?安全面を考えると普通のオークがいい」

 「できると思う」

 「ソウ、グリーンオークは避けて、仮に遭遇した場合は逃げるわよ」

 「分かった。そうしよう」


 そんな3人の打合せをみて、オトハもソウも定常運転に戻ったのが分かる。話をしているカナデも最初の頃より明るくなった・・・というよりも前世の頃に戻った感じか。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



 西の森に向かう3人に後ろからついていく。俺は隠密セットを使っている。街を出る前、カナデの目の前で『ハイド』を使うと「これ・・・私の『サーチ』でひっかからない」と驚いていた。偉そうだけれど、熟練度差で魔法効果が違うこと、油断できる世界じゃないことを伝えたかった。



 そして、さっくりと5体ほどのオークを3人は倒したところで、オトハが確認をする。

 「まず、魔石はオーク5個分だからDランクパーティの収入としては十分ね」

 「解体して肉を回収するのがキツイな」

 「皆、まだ戦闘に余裕ある?」


 オトハが2人の顔を見て続ける。


 「リヒトには止められるかもしれないけれど、私はグリーンオーク1体と戦いたい」

 「止めないんじゃない?どっかで見てるだろうけれど」とカナデ。

 「・・・やめた方がいい」ソウがきっぱりと言う。


 「理由は?」

 「今日の模擬戦で戦ったゴダラスの翼ですら、グリーンオーク1体に勝てなかったんだ。そのときはリヒトに助けられたらしい。今はリヒトがどこかで見ているだろうけれど、毎回助けられる保証なんて無い。いずれ余裕で狩れる時がくるだろうけれど、守れなかったら俺は後悔する」

 「おっ、かっこいい」カナデが笑いに変えようとするも、明らかに頰が赤い。


 「それじゃ、解体して持てるだけ帰りましょう」

 方針は決まったようで解体するために3人はテキパキ動き始めた。

 


 俺は3人が解体しているのを樹の上で見ていた。どうもフラグというか、テンプレなのか、血の臭いにつられてグリーンオークが近づいてきている。しかも3体ほど。早くカナデが気がつかないかとモヤモヤしている。なんか、初めてのお使いを見守る親の気分だ。



 「オトハ、ソウ、グリーンオークがこっちに来てる!!」

 「何体!?」

 「んっ、3体。逃げよう」


 ソウが殿(しんがり)になり、カナデが先導する。逃げる先も『サーチ』に基づいて動いている。


 いい判断だ。



 俺は3体のグリーンオークの前に降り立ち、木剣で瞬殺した。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 3体を倒し暫くすると3人が戻って来た。


 「やっぱりリヒトだったんだ」

 「せっかく討伐してたからさぁ」

 「グリーンオークの素材、譲ってもらえない?」

 オトハも大分図太くなってきた気がする。


 「魔石は渡せないが他はいいよ」

 「ありがとう」美人が手に解体用ナイフを持って言うセリフじゃない。ここじゃなきゃ、スクリーンに映るホラーだ。


 それからサクサクと8体を解体する3人、俺は解体をそれほど経験していないボンボン・ダークエルフなので感心する。そういえば、授業でカエルの解剖をしたときもオトハが嬉々としてやっていた。周りの女子がキャーキャー言う中、真剣に、しかも楽しげにオトハがやっているのが学校で噂になった。理系女子とかじゃなく、ホラーな方面で。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 ギルドで成果を換金した3人はとても喜んでいた。やっぱり、俺に恵まれる状況は精神衛生上いいわけがなく、それに甘えるようでは今後は詰むだろう。訓練の結果が成果(お金)になって出たのも大きいと思う。


 「すごいよ、オトハ!!こんな収入初だね」

 「えぇ、グリーンオーク素材も含めてだけどね」オトハも笑顔だ。

 「これで刀が買える」

 「買わないわよ!!」と二人が同時に制した。


 なんかコントみたいだ。


 「これで訓練は終わりだ」

 「いろいろありがとう、()()()」とオトハが頭を下げて言う。

 「ありがとう、ケント」続けてカナデが言う。

 「いろいろすまなかった」

 「あぁ、がんばれよ」


 「それで今後なんだけど、私たちの実力が追いついたらパーティーを組んでくれない?」オトハが言う。

 「3人の意見だよ」とカナデが笑顔で追加する。

 「刀をその時に譲って」

 「譲らねぇよ!!」


 ほんっとに武器バカが・・・俺もだけど。


 「じゃぁ、打ち上げだな!!」



 その後、宿:ピコ鳥の休息に戻り、皆で()()()エールを飲んだ。飲むとソウが饒舌に刀について語り、オトハがこれまでの失敗で泣き出したりした。酒癖が2人ともあまりよく無いかも・・・と思ったところで、カナデが抱きついてきて「捨てられたぁ〜」と大声で食堂で言い、皆の誤解を大いに招いてくれる。ただ、カナデは笑顔だったので確信犯的な行動である。途中、宿に戻ってきたゴダラスの翼も合流し冒険者らしい宴になった。

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