教育的指導 その②
ギルドの受付カウンターに行くとルイがいた。
「魔石の交換を2階でお願いしたい」ときちんと伝えると、ルイがすぐ手招きをした。
「やっぱり2階に行くくらいの魔石量なんですね」と階段を上がりながら言う。ちょっと距離が近いので変に意識をしてしまう。
昨日の部屋に通された。席について魔石を20個ほど渡す。
「よくあれから20体もグリーンオークを狩れますね、しかもソロで」判定機を使いながらルイが言う。
「鎧が壊れてるからグリーンオークだったんだよなぁ、もっと強」
「リヒトさん!!!なんで鎧も着ないでCランク相当と戦うんですか!!」と怒られる。
「ルイ、落ち着いてくれ。どの道、当てられたら負けるんだって軽いから」
俺の説明に納得していないのか、ルイがブツクサと心の声が漏れている。「ほんっと私の気も知らずにクソエルフ」とかブラックな事を言っているが本人は目の前にいるんだが。
「すべてグリーンオークで確認できました。状態も良いので1体金貨1枚です。金貨の支払いで良いです?」
「あのさ、情報料を払って教えてもらうとかできる?」
「情報の種類によりますが、依頼に出すのも可能ですよ」
「魔法の本とか記録がみたいんだ、具体的には風魔法、時空魔法、治癒魔法、光魔法に関して」
「・・・あまり理由は聞きませんが、それだと直接依頼は出さない方がいいです」
「直接依頼?他に方法はあるのか?」
「直接依頼とは、ギルドで依頼を受けた冒険者に依頼者の氏名や支払い金額、連絡先、調査事項等の情報が渡ります。間接依頼は、ギルドが内容を確認した上でギルド名義で発注します。ただし、間接依頼の情報に対してギルドの財産にもなります。メリットは自分の名前が出ない事で、デメリットはギルドに情報が渡るのと、金額が直接依頼に比べて高くなることです」
「今回の件だとどうなる?」
「1つの種類に限った方が良いと思います。あと、ギルドですでに把握しているものなら答えられる情報があります」ルイはきっぱりと言う。
「風魔法と時空魔法とそれぞれ1つずつ、ギルドからの報告でお願いする。報酬は?」
「報酬はそれぞれ金貨2枚ですが、2つ同時なので金貨3枚でおまけしましょう」
これは破格の値引きだろう、金貨1枚分となると20回宿に泊まれる計算だ。
「なぜ、値引きを?」
「リヒトさんのお陰でギルドの収入は増えています。ギルマスからもサポート指示がでてます」
どうやら特定の冒険者はギルドにも有益であり、街に留まってくれるようギルマス権限があるらしい。今回のおまけももう少しアイルランダーに残って欲しいという理由のようだ。グリーンオークもまだ結構な数が西の森にいるのも原因だろう。
「わかった。ありがとう」
「それでは5日後には報告書としてまとめておきます」
「その後、食事してくれ」懲りずにサラッと言う。
「いいですよ。お店は私が決めても?」と首をかしげたルイが言う。
「えっ・・・いいの?」口角が上がるのが分かる。
「きちんとした服装をしてくださいね。斬られたローブとか無しですよ」
そう言ってルイは報酬換金のため、テーブルの魔石を回収して部屋を出た。
戦闘よりも心拍数があがっているのを感じたが、戻ってきたルイから冷静に金貨18枚を受け取り訓練場に行く。
もう笑顔のままソウをボッコボコにしたところで午前の訓練が終わった。




