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異世界転生、俺だけソロ活動から!!  作者: とかじぶんた
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ドーダ狩りの少年

 今回は愛刀でドーダと戦うことに重点を置いた。実践で試さないと分からないことは数多く、切り返しや緊急時の対応など求められる場面でどう動けるかを確認しておきたい。そうしなければ、グリーンオークの膂力(りょりょく)に押し切られる可能性だってある。



 穴にウォーターを使用し待つことしばし、予想を裏切らずドーダが巣穴から出てくる(気持ち悪い)。ある程度出て来た瞬間に水平に愛刀を振るう、ドーダは一撃で両断されて動かなくなる。手応えはスッと静かなもので豆腐を切るときのように刃が通る感触のみが伝わった。



 「やっぱりすごいな」と斬り終わった刀を見つめる。そこには何も変化はなかった。まだまだ試さないと・・・と『サーチ』の反応に従い狩を続ける。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



 夢中になると時間を忘れることがよくある、という選択に○をいつも付ける。気がついたら東の森でも奥の方に進んでいて、隠密セットの反応ではドーダ以外にもオーク系らしきモノも探知できた。モグラ叩きみたいなドーダ狩りも飽きて来たので、オーク系と思われる反応に近づく。



 樹の上から様子を見ると、人型のトカゲが3人いた。多分、リザードマンだと思う。『うーん、魔物なのか魔獣なのか分からない』とリヒトは話しかけるか迷っていた。これが魔族領なら間違いなく「木陰トカゲで一息入れないかい?」と川柳的なジョークを入れれるのだが・・・。



 リヒトは言いたい衝動に駆られた。


 リヒトはリザードマンに回り込んだ。



 「ねぇ、木陰トカゲで一息つかないかい・・・?」渾身の間合いで言い放つ。独特の静けさ残る森でリヒトは目の前の光景を見つめていた。

 

 1体は弓に矢をつがえ、

 1体は魔法を唱え始め、

 最後の1体は剣を構えて間合いをグッと詰める


 リヒトにはどれもゆっくり見えた

 そして、どれも的確な動きで

 戦闘が開始されたことを知り

 理解されないことを理解する




 近づく1体に素早く抜刀し、居合を狙うも隙は相手になかった。縦に重なるタイミングで躊躇なく『ファイヤーアロー』を放つ。剣を構えたリザードマンは目の前の『ファイヤーアロー』を躱したが、後ろにいた詠唱中のリザードマンに的中する。


 すぐにリザードマンは斬りつけてきた。それを反射的に小さいバックステップでやり過ごし、こちらか間合いを詰めようと動いた瞬間を狙って矢が飛んで来た。あまりに放つタイミングが上手すぎて、態勢を崩して避けるのが精一杯だった。


 それを見て相手が笑ったように見えた。再度剣を縦に振るうリザードマンの右側を駆け抜ける。全力で弓を装備したリザードマンに近づき、そのまま突きを放つ。防ごうと咄嗟に出した右手を貫き、喉に突き刺さった。すぐに胴を蹴飛ばし刀を抜き、心配性なので背を向ける前に『ファイヤ』でトドメを刺す。剣を持つリザードマンへ構える。


 剣を装備したリザードマンが吠えた。


 間合いはすぐに詰まり

 相手は水平に剣を振る

 スウェイで躱すも一瞬遅く

 血が飛ぶのが見えた


 痛みより 振り切りを見切り

 踏み込み 左袈裟で斬りかかる

 手応えがあるも刃が止まり、

 バックステップで間合いを外す


 鼓動を速く感じ

 自分の短い息継ぎが聞こえる


 正面には、右肩を左手で押さえリザードマンは立っていた。こちらも負傷しているため、相手から視線を外す余裕はない。相手も同じだろう、視線が重なる。リザードマンの出血から間をあければ有利なのは自分だ。


 

 ひとつ息をつき

 全力で間合いを詰める

 振り下ろされた剣よりも速く

 自分の刀の筋が通り

 そのまま右を抜ける

 

 なんとか倒せたリザードマンに近づくと、「剣を持っていけ」と言われたので無言で頷いた。事切れたリザードマンを敬意をもって『ファイヤ』で埋葬する。戦闘のやり取りで知性を十分に感じていた。それでも戦うのだから自分も大概染まったものだ。


 剣をマジックポーチに入れ、他の2体からも魔石を回収する。魔石を眺めていると、『俺にも魔石があるんだろうな』という確信めいたモノを感じた。



 落ち着いたところで、本気『サーチ』を詠唱し周囲を確認する。それでも感知できない相手なら諦めもつくだろう。油断ではなく、覚悟の気持ちで手を胸にあて『ヒール』を唱えると、鎧から滲んでいた血が止まった。軽装鎧に助けられたのは間違いなく、もう少し深く切られていたら立場は逆になっていた可能性が高い。頂いた剣も含めて鎧も修理できるかギブリに相談しよう。



 アイルランダーに着いたのは夕暮れ刻だった。

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