愛刀ロマンとだいじな日常
第2回ひとり更新祭にお付き合い頂き
ありがとうございました!!
安定の1日1回更新に戻ります。(^-^)/
いつもの朝の鍛錬だが、今日は異様にテンションが高いのを自覚している。
愛刀で素振りができる。
あぁ、「愛刀」って響がもう堪らない。わたくし、望外の喜びでございます。
自前の魔剣は価値が分からないし、目立つのも嫌だったので裏庭鍛錬には向かなかった。でも、この愛刀はおっさんドワーフであるギブリから購入した由緒正しい(?)ものだ。そんな俺はプルンプルンのコンニャクみたいに骨抜きにされているのだが、刀を鞘から抜くと一瞬で変わる。
気が抜けない。
刀がそうさせるのか、自分の中の問題なのか、丹念に筋を通すよう繰り返し鍛錬する。いつもよりゆっくり意識的にやっているのだが汗の量が尋常じゃないほど出る。自分の体がうまく使えた時と、焦って筋違いした時の違和感が楽しい。
そうやっていつも以上に鍛錬に夢中になっていると、「朝食の時間だよー」とメイプルが呼びに来た。
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「リヒトは毎朝稽古をしているけれど楽しいの?」と朝食を用意してくれたメイプルが質問する。
「うーん、楽しい・・・のもあるとは思う。それよりも生き残りたいんだよね」と真面目に答える。茶化してはいけない雰囲気だ。それになんだか懐かしい木ノ実の匂いがした。
「そうだなんだ。なんか今日は笑ってたし、見ていて楽しそうだったから」と微笑みながらお茶を用意してくれる。
んっ?メイプルってもしかして・・・
「気がついた?」と俺の思考に気がついたのか、メイプルが笑いながら言う。
「あぁ、ぜんっぜん気がつかなかった。っていうか、今も間違ってるかもしれない」
「どうだろう。合ってるかも知れないよ」
「外れて欲しいのが半分、当たりなら逃げたくなる」苦笑いしか出てこない。
「まっ、男は覚悟が大事でしょう」微笑んでいる、メイプルの顔で。
「母さんはいつからいたの?」
「正解!!今朝からです。そして本物のメイプルちゃんはあそこにいます」とメイプル顔でドヤる。
「リヒト、この人がお母さんなの?きれいだねぇ」とキラキラした顔で近づいて来た。いや、まだ本人は変身解いてないし、メイプルの顔でドヤ顔だよ?そして、俺を騙すのに協力したね、メイプルさん。
「まったく『レター』の魔法も届かないから来ちゃったんだよね。でもすぐ帰るから安心して。洗濯物干すから日帰りなの」と一気にシュエルは話す。洗濯物のために日帰りで来れる距離なのか?とか考えたら負けだ。
「そうか、ちょうど聞きたかったことが結構あって」と質問しようとした俺をシュエルは制する。
「1つだけなら良いよ。あとは考えなさい」と指を立ててキッパリ言う。
「うーん・・・『アナライズ』って一般的に普及してる魔法じゃないのか?」散々迷って聞く。
「うん、一般的じゃないかもしれない。基本は判定の魔道具を使うから」
「単純に魔法を知ってるだけじゃ使えないの?」
「ブッブー!!残念でした。質問タイムは終了です。それでは母さんは帰ります。あと、リヒトが冒険者の口調になってて母さんは切ない」と言い切ると消えてった。後味が強烈に悪い!!
「すっごいきれいだったぁ。リヒトのお母さんも素敵だね」とまだ目がキラキラしたままの本物メイプルが言う。俺を騙したことについては忘却の彼方だ。
バタバタしたが朝食を食べ、マスターに明日以降の空室を確認しておく。宿代は今晩分まで前払いしていたが、行動次第で延長するかもしれない。そのことを伝えると、マスターは珍しく笑顔で「おまえの分くらいは空けとく」と言ってくれた。とてもありがたいことで、母さんに会ったせいかグッときた。
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そんなわけで久しぶりにギルドの扉をあけると、ルイがカウンターで手招きをしている。それを無視して依頼掲示板を見ていると「もうっ」と漏らしと隣に来た。
「おはよう、ルイ。グリーンオークの件ってどうなってる?」と小声で話しかけると、出鼻をくじかれたルイが苦笑いをしている。
「おはようございます、リヒトさん。相変わらずキレイですね、三つ編みが無くても」
「それは俺に言うセリフじゃなくて、俺が言うセリフでは?」と意趣返しをすると、ルイの猫耳がピコピコしている。ちょっと触り心地を確かめたいのだがギルドだとセクハラ確定&相手の立場があるので当たり前の我慢をする。
「グリーンオークについては、ギルドではC+で認定してます。ただ、Cランクパーティーでも苦戦しているところはあるようで個体差が結構あるようです。あと、グリーンオークとは別で西の森で異変があって、その調査に午後からBランクパーティーが行くことになっています」
「そうか、調査するのか・・・。オススメのっていうかEランクに相応しい依頼ってある?」
「そうですね、西の森の調査なんてどうですか?」
まだ冗談を続けるのか、ルイよ。
「さっき、Bランクパーティーが調査に行くと言ったところだよな?」
「そうです。原因が行くと調査結果も早く分かって助かる組織もあると思います」
「きっと分からないと思うぞ、行っても」と暗に伝えることを忘れない。お世話になってるし。
「そういう事ですか。分かりました・・・。それではグリーンオークだけ狩ってください」とキッパリいう。
「報酬は?あと俺のDランクへのランクアップってどうしたらいい?」
「依頼掲示板に書いてある報酬額です。あと、リヒトさんは何体かグリーンオークを倒せば、Cランクになりますよ」
「じゃぁ、ほかの依頼を探します」
「えっ!!!ちょっと行って来てくださいよ。責任取ってきてくださいよ。Cランクパーティーが西の森行けなくなったんですよ」と完璧に俺のせいだと決めつけている。まぁ、俺のせいだけど。
「いや、俺は目立ちたくないの知ってるだろ。EからCなんて悪目立ちする」とルイに真剣に話す。
「最近、ルーキーでEからDになった人がいますよ」とルイがなにか含んだように話す。
「・・・俺はそいつとは考え方が違う。それじゃぁ、東でドーダ狩してくる」とギルドを出る。後ろでルイがなにか言っていたが街に戻ってから聞くことにしよう。
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街を出て見知った街道を早いペースで走り、東の森近くの集落につく。こないだはドーダの場所を聞いたら驚かれたが、なぜか今回は親切な人で向こうから声をかけられた。最近、集落ではドーダの被害が減ったらしく、俺が来てからそうなったと感謝していた。なぜか子ども達にイモみたいな穀物をやると言われるが、冒険者ギルドから報酬をいただいているから、と説明して断る。なぜイモを俺にあげようとするかは謎だ。
森に着き隠密セットVerドーダを使用する。Verドーダといっても『サーチ』を平面じゃなく、球面にしかも地下に展開するだけだ。展開すると、すぐに反応があり、近くには5箇所ほどあった。手前から順次戦う方針を決めて森を駆け巡った。




