ドーダ、このやろう
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応接室のようなところに通され、テーブルの上には俺が置いた魔石とよく分からない機材が置いてある。「とりあえず、魔石判定するか」とギルドマスターが言い、ルイが手早く魔石をその機材にセットする。魔石判定を始めてみる。
「・・・ジャイアントドーダの判定が出てます」とルイが言う。
「そうか、リヒトと言ったな。おまえがソロで倒したってことで間違いないか?」
「あぁ、間違いない。ところでなんて呼べばいい?」ギルドマスターって俺が言うのは不自然だろう。
「悪い、セルドだ。疑って悪いんだが嘘検知の魔道具つかってもいいか」
「かまわないが・・・ドーダ関連だけで、エッチなこととか聞かれないよな?」
「「・・・」」セルドは右手で頬杖をしながらため息をつく、ルイは静かに嘘検知の魔道具をテーブルにおく。置いた瞬間の目が怖かった。
「さてと、それじゃ手を当ててくれ」セルドは大きな水晶みたいなものを指す。
「ドーダ関連のことだけで頼むな」と重ねて言うと、ルイが笑顔のはずなのに眉間がピクついてた。
セルドからは本当にドーダの討伐に関することのみ聞かれた。当然、結果は『嘘はついていない』と出た。もっと具体的に魔法の種類や討伐方法など聞かれるかもしれないと構えていが、冒険者のスキルは秘匿性が高いものなので聞かれなかったのだろう。心配だった森の賠償問題についても何も言われなかった。
「それでな、リヒト。本来、ジャイアントドーダ討伐となると、Cランクパーティ5組前後かBランク2組が何日もかけてする依頼になる。それをおまえがソロで討伐したとなると、被害が出る前に討伐できたギルドとしては助かったが、おまえの方で希望はあるか?」
「何かしらギルドは発表するのか?」
「討伐されたことは発表しなければならない」とセルドは答える。
「俺としては目立ちたく無い。それさえ守ってくれればどうでもいい。そっちで好きにしてくれ。あとはドーダ討伐数としてカウントしてくれれば不満もない」
「ゴブリンアーチャーのときと同じ扱いですか・・・」とルイが声を漏らす。
「そうか、おまえか、登録時に気にしなかったヤツは。名声とかいらねぇのか?」と膝に肘を置いたセルドが言う。
「朝食もゆっくり食べれない方が迷惑だ」
「わかった。それではジャイアントドーダは、ギルド側で全面的に討伐したことにする。リヒトは少し大きいドーダをジャイアントドーダと誤って判断したことにするがいいな?」と最後に目で確認してきたので、頷いて応える。これで問題は終了だ。
「ところで1つ聞きたいことがある。最近、って言っても半年以内だが、グーム公国内で新人冒険者が一気に増えた街はないか?」とふたりに聞く。人目も気にせずに聞ける機会なんてそう無い。特にギルドマスターのセルドと話す機会なんて殆どないだろう。
「・・・ローンスターだな」セルドは静かに言う。
「ギルマスいいんですか!?」とルイがなぜか慌てて話す。
「どうしてそんな事を聞いたのかは教えてくれるんだよな」セルドは笑顔だった。
「どうも知合い達の可能性が高いんだ。ローンスターまで遠いのか?地図が欲しいんだが」
「簡単な地図ならギルドで売っている。あとでルイ渡してやれ」
「なんかおまえはやっかいそうだなぁ。その身なりからして」とフラグみたいなことを言ってセルドは去った。ルイは悲しそうに俺を見るがこっちが聞きてぇよ、なんだあれ?
その後、セルドが去ったあとの精算処理をそのまま部屋でした。討伐数が11体で銀貨55枚、ドーダの魔石10個で銀貨30枚、ジャイアントドーダの魔石が銀貨205枚とおまけつきだった。合計できっちり銀貨300枚である。たった1日だったのに結構な収入になった。
いまの宿屋”ピコ鳥の休息”なら約2ヶ月分稼いだことになる。ルイは地図を渡すことも忘れず、ローンスターまでの道についても教えてくれた。治安状況は、裏路地ならアイルランダーの方が悪いくらいだとのこと。装備が整ったら向かう目的地が決まった。
すべての精算と地図を受け「ルイ、今日はいろいろありがとな」と帰ろうとすると、慌てて引き止められた。どうも入ったときに顔も見られているし、ギルド員用の通行口から出た方がいいとのこと。中々の配慮である。ついでに『ハイド』の使用許可も出たので遠慮せずに隠密しながら出た。




