朝食はドーダショウ
早朝に起床し、自分の魔力の回復を十分に感じたところで裏庭へ向かう。剣の鍛錬はグウェンから木剣をもらった日から続けている日課だ。ただ、あまり気張り過ぎてもなく、今日の予定を考えながらやっていたりする。いまのところ、ドーダの討伐報告と魔石換金、あとは採取した薬草をギルドに売るかで迷っていた。
自分で調合するには設備も足りないし、経験も不足している。シュエルは薬の調合が上手で、マジックポーチにも3つほど入っているのを確認している。結構な効果があり貴重なポーションだ。そういやマジックポーチの中の確認ってしていなかった。時間とかどうなってるんだろう、食べ物とか腐るのか。
あとは・・・光魔法関連と時空魔法を調べたいが、ある程度の信用もないうちは難しいだろう。特にアイルランダーはグーム公国の首都では無いもののベスト3に入る規模で、最近では少し離れてはいるがダンジョンが発見されたこともあり近くの大きな街としても賑わっているようだ。それだけに人の出入りも激しく、なかなか冒険者ギルドで信用を得ることは難しいかもしれない。
もう朝食のピークが過ぎた食堂で、遅めの食事を取っていると冒険者ギルドのルイが早足でこちらに来た。仕事はやすみなのか?
「おはようございます!!リヒトさん、ドーダの件で確認にきました」
「おはよう。ちょっと待ってごはん終わってか」
「リヒトさん、ジャイアントドーダが出たって本当ですか!!」カブセ気味に話を促される。
「んと、メイプル、すまないがお茶もってきて」と急に来たルイを見つめていたメイプルにお願いする。
「ルイ、俺は昨日までドーダがどんな魔獣かも知らなかった。でっかいドーダを倒したが、それがジャイアントドーダなのかは俺には分からない」と白パンとサラダを食べながら応じる。
「そうでした・・・すいません。Cランクパーティーの『ゴダラスの翼』からダークエルフがジャイアントドーダをソロで倒したと聞いたもので慌てて来てしまいました」
「ほれなら俺じゃなふかもしれないじゃ」こっちのパンは柔らかくないため口の中が乾く。
「ダークエルフはこの街にリヒトさんしかいません!!!」とまたカブセられた。
俺、怒られてるの?
その後、昨晩メイプルに話したような大筋をルイに説明する。余計な演出はせず、スキルも水魔法を使ったことは伏せておく。ただ、『ゴダラスの翼』だかの爆笑パーティーがウォーターボールの事も言っていたら水魔法使えるのもバレてるかもしれない。まぁ、知ったこっちゃない。
「とりあえず、ギルドまで来てくれますか」とルイが真剣に言う。
「とりあえず、署まで来てくれますか」俺が返すも食堂は静けさに包まれている。
「しょっ、ってなにー?」とメイプルが言う。
かわいいなぁ、メイプル。イチゴもどきをあげると「あまーい!」と返ってきた。そういや捥いでから結構経つが、マジックポーチの中の食べ物腐らないのか・・・。
モグモグ食べるメイプルを見てニコニコしていたら、ルイが氷の微笑をたたえていた。シュエルと同類の笑顔を思い出した俺は、部屋までダッシュして荷物を回収しルイと冒険者ギルドに向かった。




