看板娘と最初のクエスト
祭終了です。
タイムリーにお付き合いいただいた方が
いらしたらめっちゃ嬉しいです!!
ありがとうございました。
明日からは安定の1日1回更新に戻ります。
朝早く起きるとすでに食堂から良い匂いがした。まずは剣の鍛錬を優先することにして、裏庭らしきところで木剣を振るう。結局、森を出るまでグウェンには一太刀も当てることはできなかった。俺はゴブリンやオーク相手に調子に乗っていたが、思い出せばそれほど強くもないわけだ(オッさんオークは強すぎワロタ)。真面目にオッさんオークの蹴りを真似して見る。どれだけ差があれば認知する前にぶっとばせるのだろう。
部屋で軽く汗を拭い、朝食目当てに食堂へ降りる。簡素なパンとスープ、それと暖かい飲み物があった。食堂のテーブルはすでに満席で、それぞれ冒険者や行商人らしき人たちで賑わっていた。食堂にはいったとき、俺に視線を向けられたが、おとなしくカウンターに座るとなにごとも無く賑わいはもどった。
烏龍茶と昆布茶の中間みたいなお茶を飲んでいると幼い声で話しかけらた。
「ねぇ、お兄ちゃんはキレイなのに冒険者なの?」女の子は目がクリクリしていて、前髪は眉毛よりうえで揃っている。すこし頰にソバカスがあるが、薄桃色の髪は後ろでいっぽんに結ばれて小ぎれいにしている。
「おはよう。お兄ちゃんは冒険者だよ。君の名前は?」
「メイプルっていうの。この宿のかんばん・むすめです」とお辞儀をする。声と一致しない洗礼された動作でびっくりする。
「俺はリヒトだ。しばらくこの宿でお世話になるから宜しくね」と話すと、メイプルはほんとうににっこり笑う。
「メイプル!お客さんの邪魔するなっていつも言ってんだろ」と厨房からフロントのおっさんの声がした。そうかメイプルは娘なんだ、マッチョにはクソも似てなく良い子だ。
「いや、ひとりで朝食を食べていたからメイプルが気を使ってくれたんだ、怒らないでくれ」とおっさんに話すとなぜかポカーンとしている。手も止まっているから焦げるぞ。周りからは「どういうことだ?」ときこえた。
そんなことはおかまいなしにメイプルは「リヒトは目がキレイ、髪がキレイ」と妙に懐いている。この辺のおすすめの露店なんかを聞いていると、いつの間にか椅子を横にもってきて人の頭で三つ編みを編み始めている。その頃には出発する冒険者や行商人に笑われていた。まぁ、いそぐわけじゃないし、むしろ冒険者ギルドが混み合う時間は避けたかったので、いいっちゃいい。
「娘が悪かったな」とカウンターに簡易的に包まれたパンが見えた。メイプルの相手の御礼なのだろう、こっちも情報収集できたから良かったのだがもらうことにする。メイプルは各部屋の掃除に向かっている。「あとでね!!」と手を振られた。
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昨日よりは早い時間だったが冒険者ギルドはそれほど混んでいなかった。依頼掲示板には討伐系の常駐依頼がいくつかあり、想像通りオークやゴブリン、見たことないのではドーダという魔獣のものだろうか。ただ、ドーダ1体で銀貨5枚と書かれていて、推奨はD〜Cと書かれている。オークと同じ評価なので強さもそこそこだと予想できる。薬草採取もいくつかあり、ドーダの依頼地域に割と高めの薬草があった。
こちらに気がついたルイが受付の奥からやってきた。
「おはようございます。今日はどの依頼をします?」と声は明るい。
「昨日教わった宿、助かったありがとう。」と礼を言うと、なぜかルイにまで驚かれた。
「今日は髪型も変えているんですね」とルイから言われ、メイプルに三つ編みにされていたのを忘れていたことに気がつく。慌てて解いて宿の子供にヤラレタことを伝えたら声を出して笑われた。
「それでドーダってどんなのだ?」
「それを選んだんですね。ワーム系の魔獣で、普段は地中にいます。東のドコス地区の畑や薬草に被害があって困ってます」
「じゃぁ、これで」と受付をすると、誰も選んでくれなかったとお礼を言われた。だって、薬草取りにも行けるし一石二鳥だろ?くらいに思っていたが、どうも倒しにくい魔獣らしく受付が済んでからニコニコ顔のルイが説明した。
最初に言わないのがやり手である。『火魔法が有効です』とギルドを出る前に伝えられたから、押し付けたようになったのは自覚しているみたいだ。それ込みでやり手と評価すべきか。
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昨日入った門から出て、東のドコス地区へと向かう。片道8キロ程度だし、今の体ならジョギング感覚でついてしまう。ケイトの馬車に拾われなければ、訓練として走っていただろうからアイルランダーには早く着けたとは思う。ただし、その場合は一般常識を学べなかっただろう、わからないものである。




