グーム公国領への道のり①
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三日目の野営時に襲われた。二日間無事に過ごせたのが気の緩みに繋がったのか、『サーチ』は疎か『ハイド』に対する意識も遠ざかったタイミングだった。
目の前にオーク3体、その内1体は棍棒みたいなモノを持っている。高さも幅もグウェンよりも大きく、力勝負なら圧倒的に負けるだろう。
オークは魔獣扱いだと知っていたが魔族領ルールに則ってオークに話しかける。
「豚で火にいるオークかな?」
この状況で川柳を言える自分に呆れるが、効果はとことん冷静になれることだ。
「なぜここに子どもがいる?」と、真後ろから声をかけられた。全く気がつかなかった。
「えっと、おじさんはどなたですか?」とゆっくり振り向くと黒いオークがそこに居た。
「こちらの質問に答えろ。さもなくば」と銀に光る槍がこちらを向く。
「ちょっと待ってください!僕はグーム公国領に向かっているリヒトという者です」と早口に話す。黒いオークの殺気に他の3匹のオークもブツブツ言っている。
「おまえは魔人ではないな・・・ダークエルフか?」
「はい、そうです。父はグウェンと言います」取り敢えず近隣を収めているグウェンを頼る。
「おぉ、あいつの子か。そりゃ悪いことをした。気をつけていけよ、ボウズ」と急に空気が緩むのを感じる。正直、勝てる相手じゃないのでホッとした。間違いなくオーク3匹よりもこのオッさんオークの方が強い。
「あと、これは勉強な」と黒いオークに蹴飛ばされた、というか正確には視界が横にズレて気が付いたら空を見上げていた。
ふっざけやがって!!!と立ち上がり、オークの方向を見るも、少し気を失っていたらしく既に誰もいなかった。
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さすがに同じ場所で野営をする気にはならず、隠密セット全開で場所をうつす。『サーチ』にはオーク3体すら索敵にかからず、オッさんオークが何かしらのスキルを使っている可能性が高い。
少し落ち着いてから、オークに囲まれたこと、何よりもオッさんオークに遭遇したことを思い返していた。
「これは死んでたかもしれない」口に出すとゾッとするが現実だ。オッさんオークに蹴られたのは、鎧のど真ん中でクッキリと足跡が残っている。相手へのダメージを狙った蹴りじゃなく、吹っ飛ばすための蹴りだ。それでもグウェンとシュエルがくれた鎧が無ければ、肋骨が折れて肺に刺さっていた可能性がある。トドメを刺せた状況にもかかわらず、何も取られていないことから勉強を教えてくれたのだろう。
いままで村の周辺の狩りで大きな怪我をしたことは無く、油断があったのは間違いない。ここは日本のように法律で守られていないことを胸の痛みが教えてくれいてた。初めて無力さに悔しくて泣いた。




