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異世界転生、俺だけソロ活動から!!  作者: とかじぶんた
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出自と出立

 まず、俺はこの家のほんとうの子じゃなく、グウェンが大規模な魔獣退治でいった先で”居た”とのこと。その時に魔剣とマジックポーチもあって、名前も”リヒト・ヴァーズ”とペンダント・ロッドを握っていたそうだ。そのとき、金髪のダークエルフを見たグウェンは散々迷ったが家に連れ帰ると、シュエルがこれまでで一番グウェンを褒めたたえたらしい。年齢はその時がだいたい2歳と判断し、それから5年程度が経ったとのこと。


 俺の出自については、魔獣退治後にこの村に就任したため、『リヒトはグウェンの息子でダークエルフの金髪』程度が村人の共通認識で、問題はどちらかというと判定前夜までリヒトは話さなかったことだった。このままだと判定結果が分からず、途方に暮れていたとのこと。(判定自体を受けさせない、というのは魔族領内ではご法度だった)ただそれも急に話し出した(俺が覚醒した)ので解決できたと説明してくれた。



 「それで今のおまえなら全部使えるから持っていきなさい」と後頭部をまださするグウェンが続けた。

 「お父さん、お母さん、ありがとう大事にするね」椅子から立ち上がり、礼をする。

 「いいのよ、リヒト。なんかね・・・」とシュエルは顔を伏せて涙をこぼした。

 「シュエル、約束をやぶるなよ。俺だって我慢しているんだぞ。」とグウェンがシュエルの背中をさする。夫婦仲がいいのがほんとうに伝わる。お互いに思いやっていて、短い間でも十分すぎるほど理解できた。前世でも父ちゃん母ちゃんの仲は良かったなぁ〜とか度々思い出した。



 「それで選択肢は3だな。旅立つなら()(曜日)の今日だ」とグウェンから切り出した。

 「えっ、父さん!!?」

 「話し始めの頃は普通の父親・・・ってもイメージしかないが、リヒトに接してきたつもりだが、おまえを見てるとパーティー仲間に思えてくるから不思議だよなぁ」といつもより崩れた口調でグウェンが言う。

 「それは私もなの。どうしてか、リヒトが子供に見えないんだよねぇ。ゴブリン狩りに奔走する6歳なんて私知らないもの」と吹き出してシュエルが話す。

 「俺だって判定内容を親になんの相談もせずに少なく書く子を知らないよ。神紙に裁かれるとか思わないのかよ」と父ちゃん母ちゃんからの暴露大会が始まった。おねしょのカモフラージュもバレていたのか・・・。



 「あの、父さん、母さん、いろいろごめんなさい。それといままでありがとう」と椅子から降りて礼をする。

 「いいのよ。それにそう呼んでくれてありがとう。リヒトはいつまでも私たちの子よ」とシュエルに抱きつかれ、額に唇があたった。木の実と花の匂いがする。


 「いつでも帰ってこいよ。あっ・・・あと、これは言っておくけれど、魔王さまに仇なすなら子でも手加減しないからな」と一瞬だけグウェンの圧力があがると、シュエルがスナップを効かせて後頭部を叩いた。「こんな日にバカなんじゃないの!!」と連呼されている。あっ・・・蹴った。



 「手紙『レター』もたまに頂戴ね」と通信魔法のパスをお互いに繋げておく。少ない魔力で時間はかかるが相手に届く便利な魔法だ。既読機能とか無いけれど、ちょっとした趣がある。届くタイミングは風魔法の機嫌みたいなものらしい。



 東に10日程度歩けばグーム公国領に入る予定だ。マジックポーチには食事や野営道具もグウェンが入れておいてくれた。ヴェルやシルヴァさん達にも挨拶をしたかったけれど、理由も言いづらいし、下手にヴェルに言うとついて来そうで怖かったので自粛した。いよいよソロ活動が始まる。アイツらに会えると良いなぁ、と呑気に伸びをしながら森の道を東に向かった。


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