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異世界転生、俺だけソロ活動から!!  作者: とかじぶんた
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豆・豆・豆 その5

誤記報告、ほんとうにありがとうございます。

なんか素晴らしい内容でびっくりしました。


どなたからとか分からないのですね。

重ね重ね感謝を申し上げます。(_ _ )

 「皆、よく走り抜けてきた!!私は、私たちは共にある!!」


 ウォオアオオオオオ!!


 開会式よりも人が減っているのに切実に胸に響く雄叫びである。


 ・・・正直、大会内容を知らなかった俺とは心の距離は遠い。


 それでも拡声器で設置された声はゴール地点の北の広場によく響いた。こんな広場があるなんて祭に参加しなければ知らないままだっただろう。周りには冒険者とおぼしき参加者が多数いた。そして、スタート時よりも確実に減っていたのと、顔が腫れている者をよく見かける。皆、猛者ばかりだ。


 既に参加するときの袋は回収されており、これから閉会の儀である。



 あれから俺はひたすら走った。


 時に豆をたくさん投げつけられ、殺気だった夫人に「口開けろおらぁあ!!」と罵声を浴びるも、口を真一文字にして走り抜けた。


 時にロープが張られ、前列が横転する中に恐ろしく身軽な老婦人が、好みの男性に豆を入れるのを見ても止まらなかった。入れ歯みたいなのにがイケメンについていた。入れ歯、あるんだな異世界にも。


 すべて今日の思い出として残っている。結構、恐怖体験もありつつ、祭自体は非常に面白いものだった。もう出ないけれど、間違いなく出ないけれど、面白かったのは本当だ。途中、領主の方が考えたのか、日頃のガス抜きにはうまくできた仕組みだと思った。特に袋と豆にかかった魔法は異常とも言えるクオリティの高さである。誰も何も言わないのが不思議なくらい。


 司会らしき人物が高台から言う。

 「それでは発表する。映えある優勝者は・・・・」


 「エントリーナンバ9番 ダライさんです!!こちらまで来てください」


 なぜか会場からブーイングの嵐である。多分、例年誰が優勝しようがこういうパフォーマンスなのだと思う、少なくとも陰湿な感じを受けない。高台に上がるダライは少しというか、かなり目の上が腫れているけれど、おっさん面のままである。とりわけて見た目が悪いわけじゃないけれど、メイプルにすこぶる甘いダライである。ついでに言うとカナデとオトハ、多分、ソウにも少し甘い。面倒見の良い奴だ。俺は・・・教師目線か?


 「それでは今回の優勝した要因を」

 「えぇ〜、他の人に投げられた豆を片っ端から咥えてやりました」


 会場はドヤ顔のダライにこれまでにないほどのブーイングである。拡声器を持った司会も耳を塞ぐ。


 ここからだと口パクにしか見えないダライが司会者から拡声器を借りる。


 「でも美味しかったです!!」


 一気に静まり返った・・・。


 少し経ち、拍手が鳴り出し

 ウォオオオオオ!!!!

 会場が沸く


 『あほか、おまえら』と言いたくなる自分もいるが、ダライの言うことが分かる!心に刺さる!!そうなんだ、この祭はそれでこそ素晴らしい!!その姿勢が一部の人間をこれほど熱くさせる。気がついたら叫んでいた。


 「ダライ、オッさん面だけどかっこいいぞー!!」


 それを聞いていた周りがコールを始めた。


 ダライ、オッさん!!

 ダライ・オッさん!!

 ダライ・オッさん!!


 会場が地鳴りのようなコールを始めた!!皆、狂喜乱舞状態である。高台のダライと目が合ったが、すぐに人混みに紛れることにした。


 「それでは副賞の発表をお願いします」

 「イカニさんが印象的でした」ダライが言う。

 「イカニさん、高台までお願いします」


 えぇええええ!!イカニとキスしてたの?俺もしたいんだけど。もうクソッタレだな、ダライ!!ブーイングに俺も躊躇(ちゅうちょ)せず参加する。


 そんな中、イカニが顔を赤くして高台に登る。イカニはスカートなのか、前列がやたら低い体勢になり出した。露骨すぎるだろう、参加者(おまえ)たちよ。


 「それではお願いします」司会は続けた。


 ダライがオッさん面で美人なイカニにやさしくキスをする。


 うぉおおおおおおおおお!!ブーイングしていた連中(俺含む)が落ちてる豆を投げ始めた。もう魔法とか使っても固まらない、俺も風魔法で豆集めると精度上げた豆ガトリングガンをダライに向ける。なぜか俺が発射する際に号令があった。


 「打てーーー!!」声の主はなぜかバンジーに似ていた。

 「サー!!」俺は応える。


 キスの体勢のままのダライは膂力に任せて踏ん張り続け、イカニの腰に手を回して堪えている。手の甲をピンポイントで狙い、膝の裏、腰、脇腹と狙いを切り替えてキスを中断させる。


 「GJグッ・ジョブ」バンジーに似たヒゲのオッさんが俺に言う。

 「イエス、サー!!」俺は任務が終わった満足感に浸っていた。



 「それでは商品の授与になります」


 ・・・


 祭はこうして終わった。




◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 宿に戻ると夕食時でテーブルには素面(しらふ)に戻ったオトハが頭を抱え、カナデは赤面したまま夕食のトレイを落としそうになっていた。ソウは普通・・・あれ、なんか怒ってる?


 「皆、こんな祭って知ってたんだな」俺は誰にでもなく言う。

 「うっ!ただ、メイプルがリヒトに参加してもらってキスしてもらうのって」

 「可愛く言ってたのでツイ・・・」


 オトハの説明をカナデが引き継ぐ形で説明する。


 「オトハ、ご馳走様でした。カナデ、ありがとう可愛かった。」

 

 二人とも動揺しまくりで俺の心を十分楽しませてくれる。あぁ、楽しい!!


 「んで、ソウはなぜ不機嫌なんだ?」

 「・・・言いたくない」

 「オトハかカナデとキスしたかった?」

 「違う」


 即答である。これが即答なら他に理由が思いつかない。カナデを見るも、カナデも首を横に振り分からない様子である。


 「ソウ、イカニさんでしょ?」オトハのまさかの発言である。

 「っ!!」ソウの顔が一気に赤くなる。

 「えぇ〜!!ああいうのタイプなの!?セクシー系かぁ」カナデが感心する。


 前世でもソウの好きな人なんて聞いたことがなく、俺は勝手にオトハのことをずっと好きなもんだと思っていた。逆にオトハが指摘するってことは、オトハはソウの好みを知っていたのか。


 「オトハはソウの好み知ってたの?」

 「うん、何気にエロいんだよ、ソウは」


 オトハは俺と話すときだけ目を合わせない。下を向きながらサラダを上手に取分けている。


 「もうさ、今晩、俺の部屋来たら?」


 冗談で言ったらフォークが2本飛んで来たのを達人みたいにキャッチした。その後、後ろからメイプルが転んでお茶をかけてきた。・・・メイプル、わざと転んだだろ。「えへへ」っていままで給仕で転んだの見たことないから。



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