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第5話 帳簿に載らない人々

翌朝、セイラは配給所へ出た。


書記長が廊下で止めた。


「今日は、庁舎の中でお待ちください。列が荒れております」

「私が出した命令です」


セイラは足を止めなかった。


行政庁の中庭には、二つの列が伸びていた。

台帳に名のある者の列と、確認を待つ者の列。

後者の方が、まだ長い。


セイラが卓の前へ立つと、声が飛んだ。


「三日待たされた」

「うちの子は昨日も食べていない」

「船が止まって、市場の麦が倍だ」


一人が前へ出た。


「名前が紙にないだけで、俺たちはこの土地の人間じゃないのか」


卓についていた書記が立ち上がりかけたのを、セイラは手で制した。


「この命令を出したのは私です」


列の前の方が、少し静かになった。


「台帳が現在の住民を反映しているか、確認しないまま配給の基準としました。確認が足りなかった責任は、私にあります」


静まったのは、ほんの数秒だった。


「それで、今日の食料はあるのか」


セイラは書記長へ向き直った。


「病人と乳児の分を、今日中に用意します」


書記長は手元の帳簿へ目を落とした。


「倉庫の払出しは、台帳登録者分しか組んでおりません。私の赴任手当と携行資金から立て替えます。近隣の商人から買い付けてください」


書記長が筆を止めた。


「ヴェルディア侯爵令嬢」


隣に立っていたアマンダだった。


「少し、よろしいですか」


アマンダは、中庭の列から少し離れた回廊へ視線を向けた。



回廊へ移ると、アマンダは声を落とした。


「今日、病人と乳児を助けることに反対しているのではありません。そこは、私も同じ意見です」

「では――」

「あなたの財布で今日を救えても、明日、別の貴族が来なければ同じ人たちは飢えます」


アマンダは、中庭の列へ目を向けた。


「必要なのは善意ではなく、続く仕組みです」


セイラは言い返そうとした。


台帳が改竄されていたこと。

前任者たちが数字を汚していたこと。


「台帳が間違っていたことは事実です」


アマンダが先に言った。


「私も止められませんでした。その責任はあります」


アマンダは一度、中庭の列を見た。


「ですが、最後に命令を出したのは、代表であるあなたです」


セイラは、黙ってその言葉を受け止めた。


「もう一つ、覚えていてほしいことがあります」


アマンダは続けた。


「あなたは身分証明書を失っても、ヴェルディア侯爵家の娘です。あの人たちは、台帳から消えれば、行政上は何者でもなくなる」


セイラは、列の先で紙を握っている女を見た。

確認受付の控えだった。


昨日、空の器を抱えていた子の名も、あの手製の名簿には並んでいた。


不正な帳簿を暴いたつもりで、まだ帳簿に書かれた世界を信じていた。


「今日の分は、それでも出します」


セイラは言った。


「明日以降は、別の形にします」

「では、条件を一つだけ」


アマンダが言った。


「今日の立替えは応急措置として記録してください。制度として残してはいけません」

「なぜです?」

「これを前例にすると、次の責任者が『貴族が私費で出せばいい』と言い出せます」


セイラは中庭の列を見て、静かに息を吐いた。


その日、病人には粥が、乳児には乳が渡されたが、量は足りなかった。

確認待ちの列は、夕方になっても残っていた。


セイラは書記長を呼んだ。


「今日中に、湿地の集落へ使いを出してください。明朝、こちらから伺うと」

「自治都市と船着場は、いかがなさいます」

「同じ日のうちに回ります。制度を書き直す前に、話を聞きに行きます」

「三か所を、一日で?」


書記長が顔を上げた。


「待たせている人がいます」



翌朝、三人は湿地の集落へ向かった。

足元は、雨の後でぬかるんでいた。


マヌエラは、板の上に名簿を広げた。

以前渡されたものより、紙が増えている。


セイラは頁をめくった。

氏名の横に、見慣れない印が並んでいる。


「これは?」

「家族の数です」


マヌエラが言った。


「隣が、病人。その次が、孤児と乳飲み子」


さらに右へ、短い言葉が書き込まれていた。

教師。大工。農民。船乗り。織工。鍛冶。


「働ける者の技能です」


マヌエラが説明した。


アマンダが横から数えた。


「大工が十一人、鍛冶が四人。この人数で合っていますか?」

「先月の数です。三人は、まだ動けません」


マヌエラは名簿を押さえたまま、セイラを見た。


「私たちは、食料を受け取るだけの口ではありません。働く手もあります。税を納められる人間もいます」

「この技能欄は、復旧作業の人員を組むのにも使えますね」


セイラは言った。


「使ってください。ただし、働けるかどうかと、食べられるかどうかは、別にしてください」

「食料は、働きの対価にしません」


セイラは言い直した。


「子供、病人、高齢者は、労働の有無にかかわらず対象とします」


ライモンドが口を挟んだ。


「本人確認について伺います。この名簿の人物が本人だと、どなたが証明できますか?」

「同じ集落の者なら、互いに証明できます」

「その証明者自身が、台帳にない人物です」


マヌエラは名簿へ目を落とした。


「では、台帳にある人間が私たちを見たことがなければ、私たちはいない者ですか?」


ライモンドは、すぐには答えなかった。


「……いいえ。方法を考えます」


マヌエラは、それを受けて頷きはしなかった。


「次の配給はいつですか?」

「明後日を目処に――」


セイラが答えかけた。


「目処ではなく、日と場所を」


セイラは手帳を開いた。


「持ち帰って、期限を決めます。曖昧な返事はしません」

「では、それを待ちます」


礼は言われなかった。



その日の昼過ぎ、三人は自治都市へ回った。


面会室で、ベアトリスは書面を卓へ滑らせた。


「こちらの条件です」


供出量。

期間。

都市に残す最低備蓄。

穀物の評価額。

返済または相殺の方法。

輸送中に失われた分の負担。

監査人の立会い。

緊急措置の終了期日。


アマンダが評価額の欄で指を止めた。


「先月の相場で計算されていますね。今日の相場ではなく」

「危機で上がった分まで行政へ請求するつもりはありません」


ベアトリスは答えた。


「ただし、備蓄を削る以上、返済条件は譲れません」


アマンダはもう一度数字を見た。


「分かりました。では、評価額ではなく返済期限を詰めましょう」


セイラは書面へ目を戻した。


「私は、無制限に接収するつもりはありませんでした」

「存じております」


ベアトリスは答えた。


「ですが、善意の緊急命令に、期限も返済条件も監査もありませんでした」

「今後は、条件を明記します」

「あなたが善良であることと、次の統治者も善良であることは別問題です」


ベアトリスは、閉じた保管庫の扉の方へ目をやった。


「あの命令書は、そのまま残ります。次に来る方が、同じ文面で二倍の量を求めても、拒む根拠が私たちにはありません」


ライモンドが顔を上げた。


「では、供出命令そのものを撤回します」

「撤回して、どうなさいます?」

「期限付きの売買契約へ置き換えます。命令ではなく、双方が署名する形に。失効期日を過ぎれば、自動的に効力を失います」

「延長の条項は?」


ライモンドは一度、書面に目を落とした。


「入れません。延長が必要なら、その都度、新しい契約を結びます」


ベアトリスはしばらく文面を見ていた。


「そこまで書けるのでしたら、応じます」

「ご協力に感謝します」


セイラが言うと、ベアトリスは首を振った。


「感謝は結構です。条件が整ったので応じるだけです」


セイラは何も言わず、卓上の条件書へ目を落とした。



日が傾く頃、三人はエルシア川の船着場へ入った。

湿地にあるその船着場は、公営のものより一回り小さかった。


ティアゴは、船縁に腰を下ろしたまま近づいてこなかった。


「今度は何を止めに来た」

「運べる量を伺いに来ました」


ティアゴは、少し間を置いてから立ち上がった。


「見りゃ分かる」


浅底船の一艘を指す。


「あれで穀物袋なら三十。水が引いてりゃ二十だ」

「周縁の集落までは、何日かかりますか?」


セイラが尋ねた。


「北の三集落なら二日。南の湿地は、水位次第で四日から十日」

「……十日も、かかるのですか」

「船が浅瀬にでも乗り上げたら、荷を降ろして押し出さにゃならん。一日で浮けばまだいい。船底を傷めりゃ、点検や修理でさらに日数を食う」


ティアゴは河岸の先を顎で示した。


「あの辺りが一番浅い。役所の船は、そもそも入らん」


アマンダが尋ねた。


「その航路の運賃は」

「季節による。渇水期は倍だ」

「二倍もかかるのですか」

「船を押し出す人足を雇うからな」


ティアゴは肩をすくめた。


「そのうえで言うが、あんたらが船を止めてから、仲買が値を三倍に吊り上げた。うちの船員にも、値を吊り上げた奴がいる」

「船団の中にも、便乗した者がいるのですね?」


セイラが言った。


「いる」


ティアゴはあっさり認めた。


「行政が食わせられない者を、俺たちが運んだ物で生かしている。だからといって、俺たちが善人になったわけでもない」


セイラは、しばらく河岸を見ていた。


「必要だからといって、船団そのものを今すぐ公認することはできません」

「そりゃそうだろう」

「今回の食料危機に限って、輸送の許可を出します。船を指定し、航路を指定し、運ぶ物も穀物、乳、薬に限ります。運賃には上限を設けます。出発と到着で積荷を確認させてください」

「期限は?」

「切ります。過ぎれば、許可は消えます」


ティアゴは、船縁を指で叩いた。


「俺の船を役所の船にする話なら断る」

「そういう話ではありません」

「船員の名簿も出さんぞ。過去のことを蒸し返されたら、誰も乗らん」

「今回は求めません」


セイラは言った。


「いずれ、その話をしなければならない日は来ます。ですが、今日ではありません」


ティアゴは笑った。


「分かった。今回は、飢えている場所へ運ぶ。それだけだ」


そう言うと、ティアゴは係留された浅底船へ目を向けた。



行政庁へ戻った夜、卓の上に資料が並んだ。


古い公式住民台帳。

マヌエラの名簿。

自治都市の条件書。

ティアゴの航路を書き取った紙。

倉庫の検数表。

配給所の確認待ち記録。


沈み野へ着いた日にも、三人は同じ卓を囲んでいた。

あのとき探していたのは、消えた堤防だった。


「まず、緊急配給の対象をどこまで広げるか決めてください」


アマンダが言った。


「範囲が決まらないと、金額が出ません」

「公式台帳だけを理由に、緊急食料を拒まない」


セイラが言った。


「正式な登録が済んでいなくても、確認できた者は仮の登録として扱います」


アマンダは数字を走らせた。


「それでは、二週間で配給予算が尽きます」

「では、配給だけで支えるのではなく、働ける方には復旧作業費から賃金を――」

「待ってください」


ライモンドが遮った。


「その人たちは、まだ正式な住民ではありません」

「だから払えない?」


アマンダが尋ねた。


「いいえ。正式な住民にしなくても払える形を作ります」


ライモンドは紙を引き寄せた。


「賃金を住民登録と結びつけず、作業ごとに発行する証書とします。証書があれば、登録の途中でも受け取れます」

「その証書は、いつまで有効ですか」


アマンダが確認した。


ライモンドは書きかけの紙へ目を落とした。


「作業が終わり、精算が済むまで。それ以降は無効です」


セイラが台帳へ手を置いた。


「マヌエラさんの名簿は、証拠として使えますか?」


「そのままでは使えません。正式な台帳と同じ効力は持たせられない」


ライモンドは少し考えた。


「ただ、暫定的な参考資料としてなら扱えます。名簿の記載に加えて、複数人の証言を添える。証言者は仮登録者でも構わないとする」

「仮登録者同士で証明し合うことになりますが」


アマンダが言った。


ライモンドは名簿へ目を落とした。


「厳しくすれば、最も弱い人ほど登録できなくなります。マヌエラさんが仰った通りです」


「自治都市の分は?」


セイラが尋ねた。


「命令を撤回して、契約へ。返済の原資が要ります」


ライモンドが答えた。


アマンダが数字を書き込んだ。


「帳簿から消えた備蓄の行方を再調査します。回収できた分は、当座の原資に回せます」

「回収できなければ?」


セイラが尋ねた。


「回収できなければ、不足見込額としてそのまま計上します」

「赤字に?」


セイラが尋ねた。


「はい。赤字を隠すつもりはありません」


アマンダは筆を止めなかった。


「ただ、原資がまだ回収できていないことを理由に、先に人を配給から外すのはやめます」


ライモンドが、書き上げた紙を卓の中央へ置いた。


「一つ、申し上げておきます。これらは、適法だと断言はできません」

「越権ですか?」


セイラが尋ねた。


「保全命令の範囲を越える部分があります。ですが、何もしない方が、保全命令の目的に反します。倉庫の穀物を守っても、守るべき土地が空になれば意味がありません」

「では」

「期限付きの緊急措置としてなら、弁明できる形にはできます。失効期日を入れ、中央への事後報告と監査の条項を付けます」


ライモンドはそこで言葉を切った。


「最終的にどうなさるかは――」

「マクセル様」


セイラが呼び止めた。


「法的な危険は分かりました。では、あなた自身は、どの案を採るべきだと思いますか」


ライモンドの手が止まった。


「……私が、ですか」

「あなたの意見を聞いています」


しばらく、紙をめくる音だけがした。


「期限と監査を付した、仮登録の暫定制度です」


ライモンドは言った。


「そのうえで、失効までに正式な後任へ引き継ぐ。それが、今の権限で最も弁明できる形だと考えます」

「分かりました」


セイラは紙を引き寄せた。


「では、それで発令します」


ライモンドは新しい紙を広げ、中央へ送る事後報告書を書き始めた。

アマンダは、予算表の不足見込額の欄に数字を書き入れた。



翌日から、制度が動き始めた。


登録の窓口には、マヌエラの名簿の写しが置かれた。

登録係が名を読み上げ、集落の者が二人ずつ立ち会う。

仮住民証を受け取った男が、その紙を何度も裏返して見ていた。


配給の列は、一つになった。

子供と病人には、証書も労働も求められなかった。


「排水路の清掃は、一日いくらだ?」


若い男が募集の掲示の前で尋ねた。


「証書は、いつ金に換わる?」


書記が答え、男はもう一度掲示を読み直してから、名を書いた。


自治都市からの荷は、監査人を伴って着いた。

穀物の量を、都市側と行政庁の双方が数えた。


エルシア川には、許可の札を掲げた浅底船が戻った。

出発前に積荷を確認する官吏へ、船員が何か言い返しているのが見えた。


アマンダは相場表へ、その日の数字を書き加えた。

上がり方が、少しだけ緩んでいた。


歓声は上がらなかった。

窓口には、なお異議が並んだ。

名簿にない者。証言者が見つからない者。


制度を動かし始めて三日目、マヌエラが庁舎へ来た。


「次の配給日と、登録の再確認日はいつですか?」


セイラは、順に進めますとは言わなかった。


「配給は五日ごと。次は明後日の朝、行政庁の中庭です。登録の再確認は十日後、同じ場所で。掲示を出させます」

「字は読めない者もいます」

「読み上げる者を置きます」


マヌエラは頷いた。

それだけだった。


手製の名簿は、仮登録簿の隣へ置かれた。



帝都からの連絡便が届いたのは、その日の午後だった。


後任の通知ではなかった。


セイラは三通の封を開けた。


父の書簡は、短く、整っていた。


セイラは本来、地方監察官補にすぎないこと。汚職の告発だけで十分な功績であること。後任を送らない中央にこそ責任があること。権限のない者が地域全体を背負えば、失敗の全責任だけが残ること。これ以上の越権は、ヴェルディア家にも政治的な危険を及ぼすこと。


理を尽くした文面だった。

反論できる箇所は、一つもなかった。


母の手紙は、便箋一枚だった。


「あなたが悪い人ではないことは分かっています。だからこそ、すべてを自分の責任にして壊れてしまう前に帰ってきて」


セイラは、その一行を読み終えてから、しばらく次の封へ手を伸ばさなかった。


ガブリエルの書簡には、まず労いが書かれていた。


上司三人の不正を暴いたこと。誰もやりたがらない土地で、逃げずに立ったこと。それを誇りに思うこと。


そのうえで、こう続いていた。


「君が負うべき責任は、もう十分果たした」


責める言葉は、どこにもなかった。


セイラは書簡を膝の上で揃えた。


「悪い知らせですか?」


アマンダが尋ねた。


「いいえ」


セイラは答えた。


「どれも、正しいことが書かれています」


窓の外は、もう暗かった。


自分が制度を壊したわけではない。

汚職の帳簿を作ったのは、自分ではない。


だが、船が止まったのは自分の命令によってだった。

台帳の外にいる者が列から外されたのも、自分の命令によってだった。

そして、仮住民証を手にした人々も、まだ正式な住民として認められたわけではなかった。


セイラは返信を書き始め、一度、筆を止めた。


それから書いた。


私が止めた流れを、引継ぎ事項として残したまま帰ることはできません。

少なくとも後任が到着し、この措置を引き渡せるまで、私は残ります。


セイラはそこまで書いて、筆を置いた。



雨は朝から降り続き、夜になっても止まなかった。


暫定配給の最初の報告がまとまり、三人が卓を片付け始めたとき、扉が開いた。


バルトロメだった。

外套から水が滴り、靴底から泥が落ちていた。


挨拶はなかった。

バルトロメは濡れた紙束を、そのまま卓へ広げた。


「セルヴァン川とモランテ川が、同じ日に上がっている」


セイラは紙を引き寄せた。


水位の数字が、日付ごとに並んでいる。


「同時に?」

「そうだ。セルヴァンは山の急流だから、雨のあとすぐ上がる。モランテは森が水を抱えるぶん、いつも少し遅れる」

「それが、今年は同時に?」

「そういうことだ」


バルトロメの指が、地図の上を下りていった。

二本の線が合流する場所。

そこから太くなるアルヴァーダ川。


「セルヴァンとモランテの増水が、アルヴァーダで重なるということですか」


アマンダが尋ねた。


「そうだ」


バルトロメは指を止めなかった。


指は自治都市を過ぎ、穀倉のナヴェーラ川との合流点を越え、そのまま下流へ滑って、地図の南で止まった。


ほとんど消えかけた線の上だった。

ロセーナの旧河道。


「何日後ですか?」


セイラが尋ねた。


バルトロメは顔を上げた。


「日で数えられるなら、まだ楽だった」


紙の端から、水が卓へ落ちた。


「食料の次は水だ」


バルトロメは言った。


「今度は待ってはくれん」


窓の外で、雨脚が強くなった。

食料問題にようやく道筋をつけたセイラたちへ、今度は大洪水の危機が迫ります。

すべてを守ることはできない――多数を救うため、セイラは一つの村を沈める決断を迫られます。

次回、第6話「沈める村」

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