↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/43

13.魔界訪問編〜依頼〜(中編)

二人が店のソファに座っていると、扉が開いた。


「あの……結果は出ましたか?」


浮気調査を依頼してきた女性が、不安そうな表情で立っていた。


「出ましたよ!どうぞお掛けになってください」


ラジアの言葉を聞き、女性は向かいのソファに座った。


「……その前に、君はいくら支払えるかな?」


「お金ですか?……D金貨5枚ではどうでしょうか?」


女性が答えると、ラジアは微笑んだ。


「それじゃ単刀直入に言うね……君の夫は浮気をしている」


そう言って、ラジアは机の上に数枚の写真を並べた。そこには、一人の男性が女性と腕を組んで歩く姿や、二人でホテルへ入っていく様子が写っていた。


「……変身魔法を使っていますが、この男性が私の夫ということですよね」


女性はうつむき、肩を震わせた。


「大丈夫ですか?」


セシアがそう声を掛けた瞬間だった。


「う、うわぁぁぁん!」


女性は大きな声で泣き始めた。


「裏切られた……!裏切られた!殺す!殺してやる!」


「ハハ、やったげて〜王女さん!」


「えっ?」


「鎖で拘束する魔法(チェネーシス)」


セシアがそう唱えると、無数の鎖が現れ、女性の身体に巻き付き、そのまま床へ押し倒した。


「きゃっ!」


女性は勢いよく床へ倒れ込んだ。


「ヒュ〜やっぱり君の魔法は良いね。攻撃的で実に暴力的だ」


「それ、褒めてませんよね!?」


セシアがそう言った瞬間、店の扉が勢いよく開いた。そこには、女性の夫と、その隣にはカフェで会ったカップルの女性が立っていた。


「あなた!その女と浮気したのね!許さない……許さない!許さない!あなただけは私を分かってくれると思っていたのに!」


鎖に縛られたまま女性は叫んだ。

男性の隣に立つ女性は口を開いた。


「……もう彼につきまとうのはやめてください。彼は私の夫です」


その言葉に、ラジアは口元を緩めた。


「最初から気付いてたよ。君が見せてくれた写真、一見すると普通の写真だけど、実際は隠し撮りだったんだよね?それに夫の情報も異常なくらい詳しかった。どう考えてもストーカーだよ〜」


女性はラジアを睨んだ。


「……裏切ったんですね。私を」


「裏切ったつもりはないよ。ただ、向こうの方が条件が良かっただけさ」


ラジアがそう言うと、女性は笑った。


「生きて帰れると思わないことですね……お前ら全員」


その瞬間、女性は天井近くまで飛び上がった。床へ落ちた鎖は、焼き切られたように真っ二つになっていた。


「「火炎魔法(フレイロキネ)」」


ほぼ同時に、セシアも詠唱し同じ魔法を放った。二つの炎は正面から衝突し、互いに相殺された。


「そんな……!」


だが、相殺しきれなかった炎が店内へ飛び散り、家具や床に燃え移った。店が激しく揺れ、炎が一気に広がっていく。


すると、男性の隣にいた女性が前へ出た。


「清流を導く魔法(プレーンストリーン)」


水流が放たれ、燃え広がる炎を次々と飲み込んでいく。やがて店内の火は、すべて消し去られた。


「綺麗な魔法だね〜どっかの加減を知らない王女とは大違いだ」


「黙ってください!」


「はぁ……」


女性はふらつき、その場でよろめいた。


「大丈夫か」


男性がすぐにその肩を支えた。


「本当にありがとうございました」


男性は深く頭を下げ、約束の報酬をラジアに手渡した。


「毎度あり~」


ラジアは笑顔でD金貨を受け取る。夫婦は互いに支え合いながら、店を後にした。


「はぁ……終わりましたね」


セシアは大きくため息をついた。


「お疲れさま~」


ラジアが笑うと、床に座り込んでいた女性が震える声で呟いた。


「ありえない……あんな魔法、見たことがない。あんなの、魔法じゃない……」


ラジアはしゃがみ込み、女性と目線を合わせた。


「大丈夫?」


女性はラジアを見つめる。


「……あの男は最低でした。浮気する男なんて大嫌いです。でも、あなたは違う。やっぱり私にはあなたしかいません。好きになっちゃったんです。今日から私はあなたの妻ですね!」


そう言って、女性はラジアの手を掴もうとする。しかし、ラジアはその手を振り払った。


「触んないでね〜僕には好きな人がいるから」


そう言ってラジアは振り返り、セシアを見た。


「何ですか?」


その様子を見た女性の表情が一変する。


「そうか……その女と浮気してるんだな!お前も今までの男たちと同じだ!許さない!死ね!死ね!死ね!」


女性はラジアへ飛びかかった。だが、その瞬間――


ドォンッ!!


凄まじい衝撃音と共に女性の身体が吹き飛び、店の窓を突き破って外へ叩き出された。


「何ですか!?」


店の入口には、一人の女性が立っていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。