第53章:46章続き生産計画の最適化
地下の魔神を「草むしり」で退治して数日。ベルンの街は、「農耕の民・カトウ」に関する噂で持ちきりだった。
「聞いたか? あの男、古代兵器をただの雑草のように抜いたらしいぞ!」
「勇者でも苦戦する門番を、モーニングスター一つでな……」
ギルドの中は熱気に包まれていた。だが、噂の張本人であるバルドたちは、ギルドの隅で深く頭を抱えていた。
「……なぁ、ミア、レイ。俺の伝え方が悪かったんじゃねえか?」
バルドが呆然と呟く。彼らの記憶にあるのは、古代の重圧に押しつぶされそうな恐怖と、カトウが「邪魔だ」と一言つぶやいて鉄球を振るった、あまりに軽い光景だ。
「ううん。嘘じゃ無いし……夢なんかでもないわよ。現に、あの地下施設は今、立ち入り禁止区域になってる」
ミアが震える声で答える。カトウが「破壊した」その場所には、今や高位魔術師たちが総出で調査に当たっているが、誰も解析不能な「欠片」すら残っていないという。
「……俺たちのパーティに、あんな怪物がいたなんて……いや、カトウは俺たちを知ってた風だったしな?」
バルドの言葉に、レイが深く頷く。
「……カトウは、俺たちに隠し事をしている。いや、もっと悪い。まき込もうとしているかのような……そんな歪さを感じるんだ」
彼らにとって、カトウはもはや「草むしりや枝を振り回す趣味の変わった男」ではなかった。何か圧倒的な隠密任務を帯び、世界を裏で救い続けている「伝説級の英雄」か、あるいは「理解不能な力を持った異邦人」だ。
「……追おう」
バルドが立ち上がった。
「カトウが隠しているなら、俺たちが探り出さなきゃならない。あいつが一人で世界を背負って……いや、一人で草むしりをしてるなら、俺たちが手伝うのがパーティの絆だろ!」
しかし、彼らが「サトオの隠れ家」を探して帝国内にある倉庫へ向かった時、そこには絶望的な景色が広がっていた。
…見当たらないのだ。




