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第9話 東の病気の村
東の病気の村では、病人たちが薄暗い家の中でうなされていた。
カルロスは家々を訪ね、「さあ、起き上がれ!動けば治る!じっとしているから悪くなるんだ!」と雷のような声で励ました。
彼の「独自のハーブ療法」とは、強烈な薬草を臼でドンドンとつきながら「この匂いを嗅げ!目が覚めるだろ!」と言い、病人の背中をバシバシと叩くことだった。
老婆が「僧侶様、優しくしてください……」と弱々しく言うと、カルロスは「優しさで病気は治らん!生きる気力だ!ほら、起きてこい!」とさらに大きな声で返した。
奇妙なことに、3日もすると病人たちはカルロスの煩わしさに耐えかねて起き上がり、動き始めた。
すると実際に体調が良くなり始めたのだ。
「動けば血の巡りが良くなる」というカルロスの主張は、荒っぽいながらも一面の真理を含んでいた。




