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第8話 西の呪われた森
カルロスは再び旅路についた。
背中の楯が朝日にきらめいている。
西の呪われた森では、木々に宿る悪霊たちが不気味なささやきを交わしていた。
普通の僧侶なら聖句を唱え、聖水を撒くだろう。だがカルロスは違った。
彼は巨大な体躯を揺らしながら森の入り口に立ち、
「おい、木の上のやつら!今日は特別だ!木登り競争をやるぞ!一番遅いやつは俺のこの拳で浄化だ!」と叫んだ。
悪霊たちは一瞬、呆気に取られた。
誰もこんな挑戦状を突きつけられたことがなかった。するとカルロスは実際に木に登り始め、まるで熊のようにガサガサと枝を揺らしながら「さあ来い!逃げるんじゃない!」と追いかけ回した。
3日後、森は静かになった。
疲れ果てた悪霊たちは「あの狂った大男よりは、普通の僧侶の方がましだ」と悟り、森を去っていったのである。




