第6話 カルロスの除霊大作戦
カルロスが一人で荒野を歩いていると、地平線の彼方に小さな村が見えてきた。
村の入り口では、人々が何かに怯えている様子だった。
子供たちは家の中に隠れ、大人たちは不安そうに外を見つめている。
近づくと、村長らしき老人が言った。
「旅の人、ここは通り過ぎた方がいい。悪霊に取り憑かれた者がいて、もう何人もの僧侶が逃げ出した」
カルロスの目が輝いた。
「悪霊ですか?ちょうどいい。俺に任せてくれ」
老人はカルロスの武具を見て、怪訝な顔をした。
彼は全身鎧を着て、腰には長剣を帯びている。
典型的な戦士の装備だ。
「あなたは戦士では?」
「ああ、戦士だ。そして……独学の僧侶でもある」
カルロスはにやりと笑い、村へと歩み入った。
彼の背中には、かつての仲間からの贈り物——小さな勇者パーティの紋章が刻まれた楯が揺れていた。
村の中は、不気味な静寂に包まれていた。
悪霊に取り憑かれた者は、村の中央にある古い家に閉じ込められていた。
家の周りには、逃げ出した僧侶たちが残した聖水や護符が散らばっていた。
カルロスは家の前に立ち、鎧を脱ぎ始めた。
老人と村人たちは驚いて見つめた。
「どうして鎧を脱ぐのですか?」
「僧侶の仕事には、鎧は邪魔だ」
彼は鎧を脱ぎ、戦士の装備をすべて外した。
代わりに、腰に巻いた小さな袋から、独学で作った護符を取り出した。
それは、正規の僧侶たちが使うものとは違う。
荒っぽく、見た目も地味ではない。
「俺の方法は、正規の僧侶たちとは違う」
カルロスは村人たちに説明した。
「でも、効果はある」
家の中に入ると、悪霊に取り憑かれた男が狂ったように暴れていた。
彼の目は赤く、口からは意味不明な言葉が溢れていた。
カルロスは、護符を男の額に貼り付け、独学で学んだ除霊の詠唱を始めた。
その詠唱は、正規の僧侶たちの優雅なものとは違う。荒っぽく、力強い。
まるで戦士が敵を威嚇するような声だった。
村人たちは外で聞き、不安そうにしていた。
しかし、カルロスの方法は効果があった。
悪霊は詠唱に抵抗し、男の体から離れ始めた。
カルロスは、護符を燃やし、煙で悪霊を追い払った。
それは、正規の僧侶たちが使う聖水とは違う方法だった。荒っぽく、煙が村の中に広がった。
「終わった」
カルロスは家から出て、村人たちに報告した。
「悪霊は追い払った。男はもう安全だ」
村人たちは驚き、感謝の言葉を述べた。
老人はカルロスの手を握り、涙を流した。
「あなたは、私たちを救った。他の僧侶たちは逃げ出したが、あなたは戦士の装備を脱ぎ、私たちを助けた」
カルロスは笑った。
「俺は戦士でも僧侶でもない。ただ、助けを必要とする人を救いたいだけだ」
彼は鎧を再び着て、村を出た。
村人たちは感謝の品を贈ろうとしたが、カルロスは拒否した。
「俺は報酬を求めていない。ただ、ほっとけない人を助けたいだけだ」




