第5話 苦渋の決断
翌朝、ジャンは苦渋の決断を下した。
「カルロス、君の行為は何度も問題を起こしてきた。今回の件で、もはやパーティとして活動を続けることはできない」
「ジャン、でも彼は……」
弓使いのケインが言いかけたが、ジャンは手を挙げて止めた。
ジャンは深く息を吸い込んだ。
「カルロスが人を助けているのはわかっている。だが、彼の方法は人々に恐怖と誤解を与える。魔王討伐という大義のためには、人々の信頼が必要だ。カルロスがいる限り、俺たちはどこへ行っても問題を起こし、信用を失う」
カルロスはうつむいた。
彼には反論の言葉がなかった。
独学の術は確かに荒っぽく、見た目は恐ろしかった。正規の教育を受けていれば、もっと穏やかな方法を学べただろう。
「わかった。俺は去る」
彼はそう言うと、荷物をまとめ始めた。
パーティメンバーは複雑な表情で彼を見送った。
町を出る門の前で、カルロスは振り返った。そして、にっこり笑った。
「みんな、魔王討伐、頑張れよ。俺は……俺のやり方で、人を助け続ける」
カルロスが町の外へ歩き去ると、ジャンはため息をついた。彼の目には、一抹の後悔の色が浮かんでいたが、すぐに消えた。
「さて、これでやっと普通の冒険ができる」と彼は言った。
その言葉は、誰に対して言ったのだろうか。残されたメンバーたちに向けてか、自分自身に向けてか、あるいは去っていった仲間への言い訳としてか。




